表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

如月




 雪の力が強くなる月でもあり、春夏秋眠に向けて栄養を集める月でもある如月。

 節分のために、鬼界からたくさんの鬼が地上へと訪れる如月。


 栄養をたらふく奪おうと考えた雪女が、活きのいい鬼を氷漬けにしようとしたが、俊敏で凶暴で破壊力の強い鬼に逃げられ続けてしまう。

 今年も鬼は無理か、やはり動かない植物の栄養をたらふく奪おうか、いや今年はもう少し頑張ろう。

 自分を鼓舞した雪女が一体の鬼に狙いを定めて、力を集中して、雪風を一点放出し続けた結果。


「やった………やったわ!」


 ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、雪女は全身氷漬けにした一体の赤鬼に近づいた。

 あとは、たらふく栄養を奪い取ってまた野に逃がすだけ。

 殺しはしないから安心してね。

 雪女が鬼に言った時だった。

 分厚い氷に亀裂が走ったかと思えば、氷は蒸気を上げながら瞬く間に消失。


「悪い。行かなきゃならんので、またな」


 氷から解放された赤鬼は、さわやかな笑顔を雪女に向けては駆け走って行った。


「また。逃げられた」


 ぐすん。

 雪女は暫くの間、その場に座り込んでいたのであった。











(2024.1.30)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ