2-23
ゼオの森入り口付近
優:さて・・・・エルフの村でのやる事は終わったし・・・・
ん?・・・・冒険者?・・・もう、昼も終わっているのにこれから狩りか?
冒険者達が近づいて来て
冒険者:商人をしているユウだな?
優:そうですが、どういったご用件でしょうか?
冒険者:クレス商会のデーザさんに雇われた鉄の牙と言うパーティーでリーダーをしているオロソンだ
お前さんに手紙だ、受け取ったらこの受領書にサインしてくれ
優:わかりました、ありがとうございました
サインをした受領書を渡すと鉄の牙達は帰っていった
優:手紙を送ってくるなんて何があったんだ?
渡された封筒を開け手紙を読み始めると
王がデス・ジャガーの毛皮を所望しているため献上させようとしている
そのうえ献上した者を、兵士として召し抱えつと申しているそのため
献上後、すぐに兵士宿舎に入れ、兵士としての訓練をさせると言っている
できれば見つかる前に国を出るか身を隠して生きるしかない
と書かれていた
優:いつの時代も王はやりたい放題か・・・・・
ふと顔を上げると、前方から大勢の冒険者達とそれを引き連れる兵士数人がこちらに向かってくるのが見える
先頭にいる兵士が一団を止め、単騎で優の近くまで来た
兵士:貴公がゼオの森でデス・ジャガーを打ち取ったものだな
優:私が打ち取りました
兵士:それでは、このまま王城に来て、デス・ジャガーの毛皮を献上してもらう
優:もう毛皮は持っておりません
兵士:どんな事をしても献上してもらう
これは勅命である
おとなしく来るか、全員に追われ捕まって連れていかれるか
選べ!
兵士が言い終わった瞬間、回れ右をしてゼオの森の奥にあるヨーレン山脈に向かって走り出した
兵士:逃げたぞ!追え~!!
冒険者達:おおお~~~~!!!!!
冒険者達は兵士の号令で優を追いかけ始め口々に《待ちやがれ》や《金貨50枚が逃げたぞ》などと聞こえた
優:(ヨーレン山脈にドラゴンが居たはずだ・・・こっちか・・・)
ゼオの森の中を縦横無尽に走りながら適度に冒険者達と距離を取り見失させないが
近づけさせない状態で間違ってもエルフの村に迷い込まないように走った
ヨーレン山脈中腹
優:まだ冒険者が追ってくるな・・・・
この先に、ドラゴンが居るのはわかっているから
このまま行って、ドラゴンをけしかけられれば・・・
冒険者1:おい、今追っているヤツを捕まえたら金貨100枚って本当だと思うか?
冒険者2:さあな?
今回は強制召集がかかったんだ
Cランク以上は従わないと冒険者証剥奪のうえ
犯罪者に加担したとして犯罪奴隷、
又は街を追放、又は禁錮刑、又は死刑
金なども国が没収だ
家族が居るヤツなんて、残った家族全員、犯罪奴隷だ
そうはなりたく無いだろ?
冒険者3:確かになりたくは無いが
ヤツがデス・ジャガーの毛皮、本当に持っているのか?
女冒険者1:ハアハア・・・
売ったって言ってるらっしいよ・・・
商人が、調達した物を売って何が悪いって言ったたって・・・
ハアハアハア・・・・
冒険者1:それじゃあ、捕まえても毛皮は無いんじゃないか?
冒険者3:確か、条件でヤツとデス・ジャガーの毛皮がワンセットだったと思うが
冒険者2:そうだったな・・・・
女冒険者2:くたびれ損か・・・・・
冒険者2:それでもやらないと、犯罪者にされちまうからな・・・・・
Cランク以上にならなければ良かったと思う瞬間だな・・・・クソ!
冒険者1:そういえば、この先・・・・ドラゴン居なかったっけ?
女冒険者1:昔の話でしょ?
女冒険者3:まだすみついてるって噂よ・・・
冒険者3:冗談だろ・・・・
こんな会話をしながら追ってくる冒険者達
どんどん冒険者を引き離しドラゴンが居ると云われる場所に着いた優
そこには赤いドラゴンしかも羽が生えていた
優:レッドドラゴンか・・・・
レッドドラゴン:グ・グルルル・・・・
レッドドラゴンは及び腰になり唸り声も少しおびえている声で牽制しようとしている
優:おい!
レッドドラゴン:ビク!
優:言葉わかるか?
レッドドラゴン:ガ!コク・・・
優:下から人が上がってきているの見えるか?
ドスドス・・・・・
レッドドラゴン:ガ!
優:誰もいない方向、水平に炎を出して
下からくる奴を炎で全滅させてくれ
レッドドラゴン:ガウ!
レッドドラゴンが一鳴きすると
水平に炎を出したあと、下にいる冒険者にむかって炎を打ち出すが
命中率は低い
そのため、無駄打ちをして魔力がどんどん減っていき
疲れが見えてきた
優:お前・・・下手だな・・・・
レッドドラゴン:!!!!
レッドドラゴンは口を開き、ビックリした顔で優の方に顔を向けた
優:お前に俺の魔力を分けてやる
あと一時的にスキルにも接続してやる
それでガンガン指示する所に打て
レッドドラゴン:ガ!
レッドドラゴンの返事を合図に優がレッドドラゴンに触れ、接続をした
レッドドラゴンに魔力を分けると体が一回り大きくなり
冒険者に向って炎をはくが、今までは10mの岩を砕く程度だが
今まではいていた炎より威力が上がり10mの岩を溶かし砕くようになり
被害が増大した
優:よくやった!
レッドドラゴン:ガ!
レッドドラゴンは嬉しそうに答えた
優:最後の仕上げだ
この先の城が見えるな
レッドドラゴン:ウ~・・ガウ!
優:よし
城の真ん中辺の少し上
赤い点が二つ見えるな
レッドドラゴン:ガウ!
優:そこと少し下に全力の炎を一発ずつ打ち込んでくれ!!
魔力は気にするな、必要なだけ持っていけ!
レッドドラゴン:ガ!!
レッドドラゴンが返事をすると口を開け、口の中で炎を出し
炎が大きくなると圧縮をし、また魔力を足して大きくなると圧縮をしてを繰り返し
レッドドラゴンの魔力以上の魔力でできた炎を二発、城に向って放った!
優:おつかれさん
レッドドラゴンに声をかけるが返事がなく
レッドドラゴンの方に目を向けると
青年が倒れていた
優:誰だ?
レッドドラゴンは何処に行った?
青年:う・・・・・
青年が意識を取り戻し上半身を起こし
周りを見て、自分の体を見た瞬間
固まった・・・・・
優:あの~・・・
青年:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
優:えっと~・・・・
青年:え・・・・・
青年は優の方に振り向く
優:先ほどまでレッドドラゴンがここに居ましたので
逃げた方がいいですよ
あと服と靴を差し上げますのでそれ着て行ってください
青年:レッドドラゴンは私です
おそらく、魔力をいただいた時に格が上がったと思われます
服をわたされた青年は、優の前に服を着て座り直した
優:え・・・・・
そんな簡単に・・・・格が・・・・
優がおどろいていると
青年:お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか
優:優です
青年:優様、私に名をお付けください
優:え・・・・どういう・・・・
青年:私には人間の姿での名が無いのです
よろしくお願いします
優は考え込み
優:(こうなったのも俺のせいでもあるし・・・・)
そうだな、今日からお前はグランだ
グラン:ありがとうございます
今日よりグランとして生きてまいります
優様の執事として御側に御使いいたします
優:今日からよろしくたのむ
聞いておきたいんだが
グランは、レッドドラゴンの姿にもどれるのか?
グラン:もどれます
優:わかった
これからの事もある場所を変えて話しをしよう
グラン:かしこまりました
こうして優とグランはこの地方から姿を消していった・・・