第3話
皇国の興廃この一戦に在り、各員一層奮励努力せよ。
東郷平八郎(大日本帝国海軍 連合艦隊司令長官)
Fー2隊による対艦攻撃によって艦隊の半数を失ったにも関わらず、北海艦隊空母機動部隊は撤退することなく、現場海域に踏みとどまっていた。敵艦隊を完全に排除するべく、自衛隊JTFは当初の作戦計画の通り、護衛隊群による艦隊決戦を決断した。
艦隊決戦に向かう第1護衛隊群の旗艦のマストには「Z旗」が掲げられ、護衛隊群群司令は「日本国の興廃はこの一戦にあり。全軍突撃せよ!!」と全艦に命じた。
かの日露戦争でロシアのバルチック艦隊との死闘を繰り広げた日本海海戦の時と同じように、この戦いは日本にとっても決して負けてはならないものであった。
空自戦闘機隊の援護を受けた第1護衛隊群は単縦陣で突入し、対艦ミサイルSSMーB1を発射。北海艦隊空母機動部隊も対艦ミサイルを発射したが、海自護衛隊群のECM(電子妨害)と対空ミサイルによって迎撃されてしまう。護衛隊群からの対艦攻撃によって北海艦隊空母機動部隊も残っていた駆逐艦とフリゲート艦は大破・沈没し、空母も海自の潜水艦による魚雷攻撃を受け、数分後には沈没した。帰るべき母艦を失った艦載機部隊も燃料が僅かしか残されていなかった機のパイロットは脱出し、帰れる機は中国本土へ引き返した。
戦後初となる艦隊決戦は自衛隊JTF側のワンサイドゲームで幕を降ろした。北海艦隊空母機動部隊が壊滅した現場海域に着いた護衛隊群は、漂流している中国軍兵士の生存者達と脱出した空自パイロットの救助に全力を挙げた。