井戸端会議
昼食後、やる気に満ちた河童たちは肥料と苗を畑に運び込み指示に従って植え付けを行った。
屋敷の前には何件建てるんだと言うほどの材木が並んでいる。
「しっかり乾燥したいい丸太だね。せっかくだからログハウス風の鶏小屋でも建てようか。これなら二軒くらい建てられるけど」
鹿島くんが一本ずつ検品した後、八坂くんが巨大なリュックサックから図面を何枚か取り出した。
「前に先生の家で犬小屋作ったときの図面持ってた。ログハウス風だったから少し直せば使えないか」
鹿島くんが周りを見渡した。
「手の空いてる河童さんが居たら丸太の皮引きをお願いしたいな。でも、ドローナイフなんて持ってないよね。カマでも剥けないことはないけど」
ドローナイフは両端に持ち手のついた、長い鉈のようなものだった。
『木の加工なら、土小人が得意だべ。ここらじゃ近ごろ見かけんかったが』
『んだ、ワシら北の崖あたりで見たような』
『オラはニンゲン世界に出稼ぎ行っとるて聞いたべ』
河童が井戸端会議を始める。
「土小人って?」
言葉の端に気になる名前を聞いた。
『小さなニンゲンの形をした妖精ですだ』
妖精!頭の中には絵本に出てくるようなフェアリーが浮かぶ。
『想像したのとは、ちと違うと思うだ』
『んだ、妖精っても呑兵衛だべ。おっさんだな』
『西の国じゃあ、ノームって呼ばれてるらしいべ』
『洒落た名前じゃのう』
ノームと言えば、とんがり帽子をかぶった小人のおじさんだ。
最近そんな風貌のものをどこかで見かけたのを思い出した。
『んだ、ニンゲン世界で出稼ぎって何やるだ』
『アレだ。ほら庭さいじって酒もらうだよ』
もしや、この前の小さなおじさんは。
「土小人さんは、どんな格好をしていますか?」
『仕事で服も変わってんだ、土仕事なら手ぬぐいでも巻いてんだねえか』
その格好には、とても心当たりがあった。
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