表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/366

緑の群れ

屋敷の外へ出た所には、六太郎を初めとした河童たちが所狭しと集まっていた。


「この広さ、もはや隠し部屋じゃないよね」

「あの生き物、なに?緑色の大群が…」

美砂ちゃんと鹿島くんは、また固まった。


それを尻目に、六太郎たちに歩み寄る。

「おはようございます。こちらに運び込みたい荷物が沢山あるので、手を貸してもらえますか?」


『勿論だぁ、運ぶだよ』

開け放した扉を河童が次々とくぐっていく。

鏡の横に立ち、河童たちの出入りを手伝った。山のような荷物は人海戦術によってあっという間に運ばれていく。


屋敷の前に野菜の苗や肥料、米に大きな鍋が用意された。

「さて、石を組みましょう」

「俺がするよ」


力仕事なので八坂くんが作ってくれて助かった。

石を組み上げていくと、即席の竈が出来た。次は火をおこす。


その間に、大鍋に米を五キロ入れて腕輪を触る。

水…水…と念じてみると大鍋の上に水の珠が現れた。それはすぐに形を崩すと鍋の中に降り注ぐ。


出来た。

自分の意志で水が出せた。

しばらく感動に浸っていたが、周りの慌ただしさに我に返った。


きれいな水だったので、そのまま米を研ぎ洗う。それを数回繰り返して大鍋を即席の竈にかけた。

蓋をしたら後は火加減を見るだけだ。蓋の隙間からぶくぶくと泡が立って、米の炊ける香りが辺りに漂う。


香りに気が付いた河童たちが竈の周りに集まってきた。美砂ちゃんと鹿島くんも慣れてきたのか、ようやく動き始めた。


「すごいね、本当に河童を見られる日がくるなんて思わなかった」

美砂ちゃんは興味津々で河童を観察している。

鹿島くんは屋敷の構造に夢中だった。


「すごい、こんな所でハーフ・ティンバー構造を見られるなんて。保存状態もいいし、何よりこの独特の骨組みが…」

呟きながら屋敷の周りをうろうろとしている。


そう言えば、屋敷の部屋は最初に入った部屋と玄関に続くホールしか見ていなかった。

一階の部屋や、二階にある他の部屋はどうなっているのだろう。


日のあるうちに確認しておこう。こちらにもおじいちゃんが何かを残しているかも知れない。


忘れないうちにメモを取ると、炊き上がり蒸らしていた大鍋の蓋をとる。


真っ白な湯気とふかふかのご飯が顔を覗かせた。

評価とブクマありがとうございます。励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ