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見知らぬ星空

今日は墓穴ばかり掘っている気がする。

まさか八坂くんを連れて鏡を越えてしまうなんて。

なんて説明しよう。ここには一度訪れただけだから何も知らない、で済まされるのか。


八坂くんが埃を払いながら、起き上がった。

「怪我ない?」

「うん、ありがとう。巻き添えにして転んでしまってごめんね」

「ここも隠し部屋?」


隠し部屋と言ったら誤魔化せるのか。

これ以上、秘密にするのは辛かった。


「分からないです。この部屋に一度しか来たことがないので。その時も暗かったので、すぐに戻りました」


八坂くんはそれ以上追求はしなかった。スボンからスマホを取り出すと、足元をライトで照らしながら部屋の各所にあるドアを開けていく。

「ここは物置こっちはクロゼット、外に通じるドアはここか」


難なくドアは開いた。行動力に感心する。私一人で来たとしたら、こんなに素早く行動はできない。

「外へ出るけど」

「私も行きます」


部屋を出ると長い廊下だった。思ったよりこの家は広いのか、見ただけでもこの階には出てきたドアを含めて、五つのドアがあった。廊下には古びた絨毯が敷いてある。


突き当りを左に出ると、絨毯の敷かれた階段が見えた。降りると途中に踊り場があり、木製の階段へ変わって下に続いていた。ここは玄関ホールらしい。

玄関ホールは半円形のドームのようになっていて、中央に大きな両開きの扉があった。

扉は木製で細かな紋様が彫られている。


八坂くんは扉のところまで行くと何かを確認した。鍵がかかっていたらしく、鍵の構造が…と呟きながら弄っていたが、暫くすると重い音を立てて鍵が開いた。


扉は永い間使われておらず、押すと金属部分が軋み錆びた音がする。


当然ながら夜なので、外も真っ暗だ。

月と星の光だけが辺りを照らしていた。気のせいか、祖父の家よりも寒い。


「ちょっと冷えるね。これ羽織ってて」

八坂くんが着ていたパーカーを渡してきた。


「それじゃ八坂くんが寒いよ。私は走って上着取りに帰るから…」

「途中で遭難しそう」


ひどい。知り合って間もない八坂くんまで、母と同じようなことを言う。


八坂くんは私の腕にパーカーを引っ掛けると、空を仰いだ。

「星座の配置が違う」

「はい?」

「近頃、北斗七星が見えていた。それもない」

星座なんてオリオン座しか知らない。


「ここは日本じゃない」

本日二回目の更新出来ました。いつもお読みいただき、ありがとうございます。

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