表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/366

祖父の畑

「いい買い物をしたね!」

薬棚を見るなり、美砂ちゃんの目がきらっと光った。


家に帰ったら一階の和室で、買った品物のお披露目会が始まった。


この薬棚は一階の和室に置くことに決めていた。

その他にも箪笥や古道具を何点か、予算の範囲内で買う事ができた。


午後からは切り替えて五右衛門風呂のDIYだ。


「お昼ご飯は早くできるので、冷やしうどんで良いですか?」

出発前には河童騒動もあって、ご飯の支度を忘れていた。

これからご飯を炊いていたら作業する時間がなくなってしまう。

「大丈夫だよ!むしろ買い物付き合わせたのに、帰ってからご飯作らせてごめんね」

「いえ、私の買い物の方が場所取ってしまっていました」

美砂ちゃんがお昼ご飯を買ってくると言うのを、慌てて止めた。

食事はきちんと作らなければ、甘えっぱなしになってしまう。

運んできた段ボールの中を探すと稲庭うどんの乾麺があった。

大きな鍋にお湯を沸かす間に、横の小さい鍋でキャベツの葉を茹でて千切りにする。昨日の残り物の金平ごぼうも出して、錦糸卵も作った。

ネギはおじいちゃんの畑に生えていた気がする。

おじいちゃんが亡くなってから、放ったらかしていたので勝手に育っていた。

小さなカゴを持って裏口から出ていく。畑は中庭の生け垣を抜けてすぐにあった。


「まだ小さいけど、少しだけもらおう」

ここの畑にも、また何かを作ろうかな。

雑草の増えた畑を見ながら、少し考える。


「わっ畑もあるんだ!何か植わってるの?」

鹿島くんと八坂くんが後をついてきた。

「あれ?美砂ちゃんは…」

「鍋の監視に置いてきた」

沸かしてるだけだから、放っておいてもよかったのだが。


「僕、カボチャとか植えたいな。シンデレラの馬車なんちゃって」

「それはルージュ・ヴィ・デタンプですね。別名シンデレラ・パンプキンと言って日本ではあまり手に入らない品種ですけど」


「へえ、紅実ちゃん野菜も詳しいんだ」

「祖父の受け売りです。祖父が元気だった頃はこの畑で、一年を通して野菜を育てていましたから。私も遊びに来たとき、手伝っていました」

荒れた畑を見渡しながら、在りし日の姿を思い出す。


「少ないですけど、ネギも採れたので戻りましょうか」



茹でた麺を(ざる)にあけ、冷たい水で締める。

つゆは冷まして常温にして、茹でキャベツの千切りと金平ごぼう、錦糸卵とネギをのせて頂く。


「あっ、紅白なますを忘れちゃった」

慌てていたからか作り忘れたことを思いだした。


「じゅうぶんだよ!美味しそう、早く食べよう」

「うん、お待たせしました。お召し上がり下さい」


みんな手を合わせると、次々とお代わりをした。

麺は六人前茹でたが、足りるだろうか。

本日も、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ