4こんどこそはじまる。
「ダメじゃないか。すぐに変身って。言ってなかったよね。はぁ」
だって、ひとがいたんだよ。
よしよしってしてくれるっておもったから。
それにごはんも。
「犬の姿だと人には怖がられるから森に降りたらすぐに人型に変身するんだ。そうだな。ご主人様を想像すれば出来るはずだ。そしてさっきも言ったけど勇者候補がいるはずだから探してドラゴン退治に協力してもらうんだ。ドラゴンが退治されたら、ここにまた戻るようにしておくからね。それじゃこんどこそ行っておいで」
ごしゅじんさま。ごしゅじんさま。ごしゅじんさま。ご主人様。
「あっ出来た。ご主人様達みたいに2本足で立ってるし、長くなった。腕も。顔はつるつる。耳は少し違うみたい。尻尾はちゃんとある。さてと、勇者を探さなくちゃ。とりあえず街に向かおう」
うーん。足遅くなったかも?辺りをきょろきょろと見回しながら歩いたり跳んだり走ったり腕を回してみたり、体の変化を確認していた。ふと。
「う?さっきの人の匂いがする。さっきはやられちゃったからね。この辺から【鑑定術】使ってみよう」
頭の中で考えればいいって言ってた。鑑定!
ボォーン。
めのまえにもじがでてきた。
でもなんてかいてあるんだろう。
?あれ?さっきとなにかちがう。
じめんをみるとてがちがう。
やばいいぬにもどってる。
ごしゅじんさま。ごしゅじんさま。ごしゅじんさまぁー。ご主人様。みたいになる!
ふぅ。人型になれた。えっと。鑑定に集中しすぎて変身が解けちゃったんだ。
まだあの人には気づかれてないみたいだから練習してみよう。
鑑定!ごしゅじんさま。
鑑定!ごしゅじんさま。
鑑定。と何度か練習してるとご主人様の姿を意識しながら鑑定を使うことで変身が解けずに鑑定を使えた。
出てきた文字はこのとおり
ジロー 18歳 虎人族 狩人 嫁1人子供20人 魔獣退治のエキスパート
この人は勇者ではないようだな。そういえば僕のはなんて書いてあるのかな。
えっと。
確かすてーたすおーぷん?
ステータスオープン!
ジャック 12歳 犬人族(犬) 神の使い 交渉術 鑑定術 拳闘術 必殺技???
必殺技が?って何したんだよ。案内人の奴。それに職業神の使いって。誰かに見られたらやばいよな。
「おい。おまえ、こんな所で何をしている!犬っころだな。もう日が暮れる。ここから街までは遠いんじゃないか。」
「ジローさんはじめまして、僕はジャック。道に迷ってしまって。街まで案内してくれませんか?」
「おぅ。ジャックか。ってなんで俺の名前を?」
「ごめんなさい。鑑定術を使ってしまいました。」
「鑑定か。鑑定使える奴に会うとはな。初めて会ったぞ。それと使える事は言わない方がいいぞ。変なのに騙されたりするからな。まあいい。今日はもう遅いから俺のうちに一晩泊まっていきな。悪い奴じゃなさそうだ。」
「はい。お願いします。」
人の姿だと優しくしてくれる。
さっきは一瞬だったのに。
犬に戻らないように気をつけないといけないな。
森の中にぽつんとある家はとにかく大きかった。
ちょっと違うかな。長屋のような少しずつ建て増ししたのがよくわかる家だ。
「おーい。帰ったぞ。今日は客人がいるんだ。」
「ぱぱーおかえりなさーい♪」とわいわいと出てくる、小さい子達。
「ただいまー♪獲物があるんだ。兄さん達を解体部屋に呼んでくれ。あとジャックを食堂に案内してくれ。」
「はーい♪ジャックさんはじめまして。こちらへどうぞ。」