3 あっけなくおわる。
「さてと、キミは犬だね。そしてご主人様の元には犬のまま戻りたいよね。そうなると犬の姿を残しつつ、向こうの世界に馴染めるようにしなくちゃいけないんだ。犬は魔獣のくくりだから、犬人族になれるように設定して、転移場所はアニマリアの森の中。人目に付かない場所。言葉はわかるようにして読み書き計算、基本知識を入れて、【交渉術】と【鑑定術】、戦闘は【拳闘術】、あとはとっておきを少し、名前はそのままで、あっちでも使える名前だ。」
ごしゅじんさまがつけてくれたなまえ。
じゃっく。
そのままがいい。
「ジャック、いいかい?勇者候補がいるから【鑑定術】を使って探して【交渉術】を使ってドラゴン退治に協力してもらうんだ。じゃあ頑張って」
「あーちょっと待ったー」
しろいへやにしろいどあ。
あんないにんさんがどあをあけてくれた。
おもいきってはいってみる。
もりのいいにおい。
おもいきりはしってみる。
ひさしぶりなかんじ。
きもちーい。
あっひとだ。
わーい。
あなたはゆうしゃですかー?
そういえば、おなかすいた。
ごはんくださーい!!
いったーい。
まただ。
あついしいたいし。
ずきずきする。
ごしゅじんさまたすけて。
おねがい。
なんで。
なにが。
――虎人族視点――
俺は狩人、嫁と子供たちの為に魔獣を始末して、街を守る。肉や皮を野菜や衣服と交換してもらって生きている。
この辺りは、俺の庭のようなものだ。
今日も猪型の魔獣を始末し、帰ろうかと思った所をドッドッドッドッドッと何かか駆けてくる音がする。初めて嗅ぐ匂い。見たこともない魔獣がこっちに向かって走ってくる。
早い。でも、不思議と殺気のようなものは感じない。
でも。。。この先には俺の家がある。やらなきゃ。ナイフをぎゅっと握る。
近づいてくる魔獣。思ったより小さい?笑ってるように見える顔。でも魔力がすごい。
俺に向かって立ち上がった所を思い切って、ナイフで刺した。
一瞬で粒子になって消える。なにも残っていない。
一体なんだったんだ。