~人には人の好みあり~
休日を何もすることなくだらだら過ごした。別にリア充っぽく友達とカラオケなうしたり彼女とイチャイチャしたいとかそういう欲望はない。ほ、ほんとに無いんだからね!まあ、といったところで学校に着いた。毎日毎日勉強の為に小一時間かけて来るとかバカじゃねの?文句言いながらも学校に来るんだけどさ。
「おはよー」
「おはよ」
クラスの人間が徐々に登校してきているようだ。まあ、クラスの中で一番仲が良い『21番君』とも授業がある時間は話さないけど。
とくに異世界転移や学校がテロられたりせず淡々と時間が過ぎていき、待ちに待ってはいない部活の時間になった。
「お疲れさまです」
部室である情報棟三階の203号室に入ったとたんに『21番君』が頭を下げて挨拶をしてきた。
「すいません、何です?それ」
「いやー仲音君は僕よりも頭いいから敬意を込めてね?」
「そうですか…でも僕よりも頭いいですよね、貴方の方が。」
「いやいや、ご謙遜を」
「い、いえ…」
すいません、この絡まれかたが一番めんどくさいです。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
あの後ちょっとした会話をして直ぐに静かになった。
別にはなしたいわけでは無いのだがどちらも暇をもてあましていて適当にプログラムを調べているからなんか変な空気になってきている。どうにかして下さい『21番君』!
…うん、こういう時に限って何も話しかけてくれないよね。
「そういえば一番好きなアニメ何ですか?」
「うん?自分はひ〇らしですかね。」
「そうですか」
「知ってます?ひぐら〇」
「いや、名前だけしか」
「そうですか、そちらは?」
「僕は、冴〇ヒロですね」
「ごめんなさい知らないです」
「あ、はい」
「・・・・」
「・・・・」
まじかっ!アニメの趣味が全く合わないだとっ!どうする…この状態を切り抜けるためには…考えろ!考えろ!俺っ!よくある主人公的思考をしてみたけどモブキャラだからなんにも浮かんでこない…どうしましょ。
「仲音君、仲音君見てこれなんか変なところでエラー起きてるんだけど分かる?」
「うーん、わかんないですね。すいません」
ほんとにすいません、ぱっと見で諦めました。クラス内順位一桁の御方が分からないなら真ん中の順位に分かるわけないないじゃないですか。
「うーん、そう、先輩に聞く?」
「あー、はい、そうしましょうか」
けっこう適当に聞き流していたからしっかり理解してないけど先輩に聞くらしい。すいません、年上の人苦手なんで反対なんですけどしっかりとした反対意見を作れ無いので流されました。
「すいません。あの、ここが分からなくて…あ、はい、あ、そうですか。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
『21番君』は物応じもせずに先輩という壁に立ち向かって行った。(別に先輩が意地悪するとかぶちギレてるとか無くて先輩同士で集まって和気あいあいと談笑してるんだけど、まあ、その空間に水をさすみたいで嫌なんだけど)
「出来たね」
「あ、はい」
「次は…もうすること無いね」
「そうですね」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「仲音君はなんで敬語なの?」
「うーん…」
[友達]についての問いかけと同じ位の難しい難題が来た。本当の理由は裏切られた時に大きなショックを受ける程の距離に人を置きたく無いというのが一つある。だが、こんなのを言ってしまったら「お、おう」となってしまう。そこから直すのは難しい。キツいな、それは、考えるだけで頭が爆発しそうだ。なので僕はこうする。
「…なんとなくですかね?」
「なんとなくですか?」
「はい」
そう、「なんとなく」だこう言っておけば大抵なんとかなる。まあ、使いすぎると「へっ!こいつゲロつまんねぇなっ!」と思われ青春バッドエンドが待ち受けるだろう。僕は精々引き分けで良いから。適当にのらりくらりと面倒事は避けていく。
「ところで今期の俺的覇権アニメは何ですか?」
「僕は…」
結局僕達の好みのアニメはまったく違っていた。




