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エデンの鳥かご  作者: チャッピー
3/12

【第2章】楽園の始まり

黒羽輪は親友を失った。無くした苦しみに打ちひしがれていたが突如謎の声がした。その声が無くなり朝になっていた。するとー

 朝が来たー俺、黒羽輪は目を覚ますことを拒んでいた。するとー

「輪!朝だよ!起きて!早く!おーーい!」

「うーん。後5分…」

と俺は覚醒を拒む、だがー

「起きろーーーーーーー!!!」

と言い思いっきり俺の体にのしかかってきた。

「いってーー!何すんだよ!海廻!」

「輪が起きないから悪いんだよーだ。」

と海廻は言った。全く…しょうがないやつだ。

 彼女の名前は園花海廻。俺が中学2年生の頃からの知り合いだ。その頃からこいつは天真爛漫なやつだった。

 彼女の見た目は背は俺より少し低いくらいで華奢であり、顔は小顔で髪は背中まで届く長い青がかった黒い髪、そして宝石のような黄色い眼が印象的な少女だ。

「ったく、支度するから待ってろ。」

「はーい♪」

なんてやり取りをし、家を出た。


 この高校は日比野高校ごくごく平凡な高校であり、俺はその高校2年生だ。海廻とは中学2年で知り合ったのでかれこれ海廻とは4年の付き合いになる。

 俺と海廻が知り合い仲良くなったのは特に特別な出来事があったわけではなく、たまたまクラスが同じで席が隣だったので話すようになり自然に仲良くなっていったのだ。とはいえ特に付き合っているわけではなく気の合う友達同士なのだ。

「輪!昼ご飯一緒に食ーーべよ!」海廻が昼飯を一緒に食べようと誘ってきた。俺は「いいよ」といい机をくっつけ一緒に食べようとしたその時、

「相変わらず仲良いよな~妬けちゃうぜー。」

という声が聞こえた。

「そんなんじゃねーよ」

と俺は言い返した。すると、

「ジョーダンだよ、冗談!お前らそういう風には見えねーもんな。ははは!」

「だろ?」

 そんなやり取りをしているこの生徒の名前は神山裕司。

 俺が小学生の頃…厳密には小学4年生の頃からの腐れ縁だ。

 見た目は俺より背が高く髪は短めで金髪に染めており、体型は平均的な高校生男子のそれだ。顔は眼が鋭いので威圧的な感じだが性格は気のいいおおらかな奴だ。

 こいつとバカをするのが意外と楽しいのでなんだかんだでこいつとは俺の数少ない友達の中で最も付き合いが長い…いわゆる親友同士だ。昔はこいつと本当にバカをした。

 街の壁に落書きをしたり、夜中にこっそり花火をしたり、立ち入り禁止の場所に無断で行って道に迷ってしまったりととにかくこいつとはバカをしたし退屈しなかった。

 まぁ、いずれもバレてこっぴどく怒られたのだが。

 後言っとくけど中学2年以降は俺も裕司も特には変なことはしてない。

 むしろそれ以降はお互い品行方正の部類だ。

「なぁなぁ、今週のジャンプ見たか?」

 3人で昼飯を食いながらそんな話をし、そして俺はこう答えた。

「あーあ、そういえば最近ジャンプ見てないなー」

「何でだよ!?」と裕司は疑問符を浮かべながら叫び交じりに言い放った。そして俺はその理由を熱弁した。

「いやー、最近国語とかの勉強したり小説の勉強をするようになったからめっきりマンガよまなくなったんだっよなー」

「なんだよ。お前小説家の夢まだ諦めてなっかったのかよ。小5の頃から変わんねーな。なら、何で中学は陸上だったんだよ?」

「中学校は体力作りをしたかったんだよ!」

「いや、小説に体力いらんだろ…」

「ふっ、甘いな。ああいう世界は身体が丈夫であることが大事なんだよ。だから体力作りは必須!それにこういう経験をすれば小説のネタにいかせるかもしれねーしな!何事も経験なんだよ。」

「そういうもんかね。」

と俺と裕司は会話をしていたが「私をのけ者にしないでよー」と言う海廻の声が聞こえた。すると

「あんたたち、そろそろ元の席に着いたほうがいいわよ」

「げっ、もうそんな時間かよサンキューな、島崎。」

と裕司は島崎に対してそう言った。

 裕司と話していた生徒の名前は島崎優里奈。

 背は海廻よりも低いくらいか、髪も黒髪の肩に届かないくらいのショートヘアで眼はキリッとしており海廻とは違う美人系の少女だ。

 こいつとは中学の頃同じ陸上部でウマが合ったし同じクラスになることも多かったのでなんだかんだでつるんでる。少し気の強いところもあるが基本的には穏やかな性格をしている。

「…俺も戻るか。海廻、机戻すぞ。」

「うん!分かった!」

 そうやり取りしている内にチャイムが鳴り響いた。


 担任の先生がいきなり

「今日から転校生が来るぞ。皆仲良くするんだぞ。」と言ってきたのだ。

 流石にクラスだけでなく俺も驚いていた。

 何せ高校の5月という半端な時期に転校生が来るのだ。

 期待と不安が当然俺にもあった。そうこう頭の中で考える内に「入れ」という声が聞こえ「はい」と返事をして教室に入ってきた。声からしておそらく女子だろうと予測した。

 結果はやはり女子だった。そしてー

「白姫真由里≪しろひめまゆり≫といいます。よろしくお願いします。」

そう言ったのだった。

 クラスの皆のみならず俺も目を奪われた。

 何故なら彼女はとても美しい少女だったのだから。

 背は海廻より高く、容姿はかわいいと美人の中間くらいであり髪は肩までかかる白髪のセミロング、大きくルビーのような赤い眼が特徴的な少女だ。

 だが、俺が目を奪われたのはそれだけではなかった。なぜなら、彼女のことを俺はどこかで見たことがあるようなきがしたのだ。

 そして、彼女の声もどこかで聞いたことがあるーそんな気がしたのだ。

「席はそうだな…黒羽の隣が空いてるな。そこに座れ。」

「はい。分かりました。」

そう白姫が言うと俺の隣に座り

「よろしくお願いしますね。黒羽さん。」

「うん、よろしく。」

と俺は返しその時ー


                ーどうか幸せな夢をー


そんな声が聞こえた…気がした。


 転校生の白姫が来てから1週間が経っていた。

 白姫はそうそうにクラスに馴染んでいた。

 俺たちとも仲良くなるには時間がかからなかった…というよりはやはりというか俺と席が隣だったためか俺たちと話すことが一番多かった。

 白姫は少し変わった奴だった。

 見た目は文句なしにかわいいのに電波な物言いが多かったり、同い年の俺たちに対しても敬語で話しており、本人曰く癖らしい。

 家も家族とは離れて暮らしているため1人暮らしらしい。

 とここまだ話してきたがそろそろ中間テストの時が近づいていた。

 正直そろそろ勉強しないとマズいということで俺と海廻と裕司と島崎と白姫の5人で勉強会を行うことになった。ちなみに俺の家で

「じゃまするぜー」

「おじゃまー」

「邪魔をする」

「お邪魔します」

と裕司、海廻、島崎、白姫の順で俺の家に入ってくる。その後すぐに勉強会を始めたのだが…正直集中力切れて遊びまくる未来しか見えん。勉強したいのに…


 俺たち5人はそれぞれ得意科目が違っていた。俺は理科、海廻が国語、裕司が社会、島崎が数学、そして白姫は英語が得意だった。なのでお互い得意科目を教えあった。最初はすぐに遊びまくってしまうのではと正直ひやひやしたが杞憂だったようだ。

 裕司と海廻は遊びたそうだったが島崎と白姫がいてくれたおかげで勉強に集中できた。

ナイスだ!2人とも!そして俺は白姫に英語を教えてもらっていた。

 俺自身英語はものすごく苦手なので助かっている。

 白姫の教え方も上手いこともあり頭に入っていった。

 この調子だと高得点が期待できそうだ。

「白姫は教えるのが上手いな。すげー分かりやすい。」

「そうですか?あなたの要領がいいからだと思いますが。」

「いやいや、そんなことねーよ。海廻とか特に国語以外の教え方とかホント下手だし。」

「何でそこで私の名前が出てくるんだよー!これでも輪より頭いいんだぞ!」

「そうなんですか?」

「まぁ、そうだな。」

 海廻本人が言うように海廻は頭がいい。白姫がどのくらい勉強できるか分からないけど、少なくとも裕司、島崎、俺、海廻の中では海廻が一番学力が高い…アホそうなのに…ちなみに順を言うと海廻の下から俺、島崎、裕司の順になるが裕司もバカではなくむしろ勉強してない割には中の上の成績を治めていたのでむしろ学力は高い部類に入る。

「でも、確かに海廻は国語以外教えるの下手だよなー。」

「裕司までそれ言うの!?なんかへこむな~。」

「まぁ、それぞれ得意科目が違うのでそれをお互いに教えていきましょう。」

そう白姫が言うと皆が首を縦に振った。

 その後結果的に海廻は理科が苦手なため俺が、裕司は国語が苦手なため海廻が、島崎は社会が苦手なため裕司が数学が苦手な白姫は島崎が教えるという形になった。

 なんと苦手科目まで違っていた。

 その後勉強が1通り終わった後ゲームをして遊び、俺以外の4人はそれぞれの家に帰っていった。

 今までの勉強会で1番充実したように思う。一言で言うなら楽しかった。明日が楽しみだとそう思ったのだ。


                 -あなたの夢は幸せかな?ー


そんな声が聞こえた…ような気がした。


 6月に入った。6月は日比野高校の文化祭だ。

 正直俺は学校行事のこういった祭り事はあまり好きではないので文化祭には出席しないつもりでいたのだが…海廻が勝手なことをしてしまったため俺、海廻、裕司、島崎、白姫の5人は文化祭の実行委員になってしまった。

 何でこうなってしまったかというと時は少し遡り中間テストが終わった直後のことー

「これからクラスの文化祭の実行委員を決める。希望する者はいるか?」

と先生が聞いと瞬間に海廻が手を上げ、

「私と輪と裕司と優里奈と真由里で実行委員やります。」

と宣ったのだ。そして、俺以外の4人がそれぞれ、

「オッケー」「問題ないわ」「いいですよ」

と口を揃えていったが俺は1度は断った。断ったのだが…4人とも俺を強制的に参加させ、結局4対1にはかなうはずもなくあえなく俺は実行委員をやらされる羽目になったのだった。

 実行委員の仕事はかなりハードであり正直めんどくさいことこの上なかったが皆で色々作ったりするのも悪くはなかったので俺もどんどんやる気を出していった。


迎えた文化祭当日の6月29日と30日に日比野高校の文化祭が行われた。俺たち5人はこの文化祭で主に2つの役割があった。

 一つは実行委員会で考えた企画で俺たちが裏方の担当をすることになった。

 島崎と海廻は音響担当、裕司は他の実行委員とともに周囲を警備、白姫がプロデューサー(PD)、そして俺がアシスタンスディレクター(AD)をすることになった。

 そして、俺たちが考えた企画はチーム対抗戦のクイズゲームだった。ルールは単純で正解数が多いほうが勝ちとなる。1問につき制限時間が60秒で問題は全てで21問1問正解で1pt入るというルールだ。

 裕司は「なんで俺だけ警備なんだよ!」とごねていたが俺たちはスルーした。この企画は6月29日に行われる。

 2つ目に俺たちがすることはクラス発表で演劇をすることになった。

 行う話は白雪姫。皆も知っての通りグリム童話でも有名な作品だ。大まかな内容はとある魔女が自分が1番美しいと信じていたが白雪姫にそれを覆されてしまい逆恨みで毒入りリンゴを食わせて殺したが王子のキスにより生き返って白雪姫と王子は幸せになった。という話だ。

 しかし、グリム童話はえげつない結末を迎える作品が多いのが特徴である。白雪姫はまだマシなほうなのだが。

 白雪姫も子供向け作品版ではこのように語られてはいるが実際はキスで白雪姫は目覚めたのではなく死体を持って帰った役人がこけてその拍子に毒リンゴを吐き出し白雪姫は生き返ったのが本当の結末である。魔女も舞踏館で死ぬまで踊らされるという結構なお仕置きを受けている。まぁ、文化祭なので子供向けの方でお芝居をするのだが。そして俺はなんと主役の王子役として選ばれてしまった。因みに決めたのは完全にくじ引き。運がいいのか悪いのか…しかもあろうことかこの演劇が行われるのも今日で実行委員の企画終了の2時間後だ。殺しに来てる…完全に。

「あっ、黒羽君いました。もう準備に入ってますよ。行きましょう。」

「ああ」そう言って俺は企画が行われる運動場に言ったのだった。


 企画が開始された。BGMも流れ出しており、MCの声も運動場中に響き渡っていた。BGMは音響係の仕事であり、PDは基本的には見ているだけだが全体を指示する役割があるのでそれなりに大変だ。俺の役割であるADは主にMCに指示を出したり企画の時間管理をするのが主な仕事だ。後、ほぼ喋れない。

「黒羽君、MCに次話す話題を出してください。」

とシーバー越しから声が聞こえ、「了解」と小声で言いボードに文字を書き、そのボードを掲げて指示を出した。そうしていく内に時間がたち、企画は無事成功し幕を閉じた。


 「皆お疲れー!」と海廻の声が聞こえたが俺は身体を休めていた。流石に疲れた。死ぬ。

「お疲れ様です。大活躍でしたね。」

と白姫が声をかける。

「俺じゃなくて出てた人がな。」

「いえいえ、あなたも十分活躍してましたよ。確かに音響係やMCに比べれば地味ですけど、あなた無くしては企画は成り立たなかったでしょう。あなただから出来たんですよ!黒羽君。」

「ああ、そうだな。ありがと。」

「いえいえ。お礼を言われるほどではありませんよ。それにしても楽しかったですね。」

「ああ、そうだな。本当に楽しかった。」

本当にそう思う。この高校生活、結構激動なスケジュールではあったがやりがいがありとても楽しかった。「また、こんな風に楽しくできたらいいですね。何度でも、何度でも。」

「ああ。まぁ、けどしばらくはいいかな。身体休めたい。」

「もう、休んでる暇なんてないですよ。」

と俺と白姫が会話をしていると、

「おーい!そろそろ体育館行って準備しねーと二人ともやべーぞ!」

裕司が言ってくる。やべ。いそがねーと!そうして俺と白姫は急いで体育館に向かったのだった。


 劇を始める前に改めて確認事項をクラスの皆で行っていた。

 このクラスは割りと結束力は高いほうなのでこういった話は基本全員参加する。

 まず配役が俺が王子、島崎と裕司、他5人が小人、白姫が魔女、そして、海廻が白雪姫である。それ以外の人たちは基本裏方だ。…正直俺が裏方でも良かったのだが。それにしても海廻が白雪姫か。う~ん。似合わない…まぁ、決まった以上最後までやりきるさ。その後体育館へと移動し、劇がスタートした。

 まずは冒頭のシーンから白姫はそつなく魔女役に徹していた。

「鏡よ鏡よ。世界で1番美しいのは誰?」

と鏡に白姫は尋ね、鏡の声をしていた裏方の生徒が「それはあなたです。」と答えた。白姫はとても満足していた。まぁ、芝居なんだけどね。そして、話が進み白姫は再び

「鏡よ鏡よ。世界で1番美しいのは誰?」と尋ねた。すると、

「それは、白雪姫です。」と答えた。白姫は激怒した。そして、

「白雪姫め…必ず殺してやる!!」

その怒りっぷりが中々リアルだった。演技…だよね?

 場面は変わり白雪姫が小人達と遊んでいるシーン。

「ははー楽しー」「楽しー楽しー」

と言い続ける裕司と島崎と5人の小人。裕司はぶっちゃけ普段とあんま変わってない。島崎は普段と違いすぎて別の意味でやばい。1番芝居が上手いんじゃないか?あと、今更だけど小人ってこんな頭がお花畑みたいな奴らだったか?まぁ、どうでもいいけど。おっと、白雪姫のご登場だ。

「皆と遊べてとても幸せ!はははははは!」

海廻はなんというか不思議な芝居をしていた。なんでだろう…とにかく引き込まれる。演技が上手い、それもある。けど、他にも彼女を引き付けているものがある気がしたのだ。それが何かは分からないけど。話はさらに進み小人がいない間に魔女の白姫と白雪姫の海廻が対面した。

「白雪姫さん。このリンゴをどうぞ。安心してください。毒などは入っておりませんから。」

そういって、白姫はリンゴにかじりついて食べて見せた。その後海廻がリンゴを食べ、倒れた。そろそろ俺の出番だな。主役のはずなのに最後に登場って…これいかに?

 小人達が嘆いていた。その内の1人の裕司が

「おーいおいおい!おーいおいおい!なんでこんなことに!」

と迫真の演技を見せていたのだが…正直キモい。一方島崎同じ小人役の島崎は

「うっ…うっ…。うぇーーん!!」

と泣いていた。ガチ泣きである。もうお前演劇入れよ…とこんなこと考えてる場合じゃない。俺もいかないと!

「どうしたのですか?」

と王子役である俺は小人達に尋ねた。すると小人(島崎)が

「白雪姫が死んじゃったんです~!うぇええええええん!」

間近で見ると島崎の熱演に圧倒され…てっいかんいかん!怖気ずくな!俺!と意識を奮い立たせるが、もう1人の小人(裕司)が

「お助けを~!!」

ととんでもない顔芸と共に絶叫していた。その顔芸が俺のツボにクリーンヒットしてしまった。くそ!笑いそうになる。

 お前らいい加減にしろ!俺の士気を下げんなバカ野郎共が!と心の中で叫んだ俺だがそうも言ってられない。俺は動き出し

「分かりました。この方をお救いしましょう。」

そういって俺は海廻に顔を近づけ…てええええええええええええ!!!何これ!?俺と海廻でき…きききキスしろと!?今更気づいた。

 実は練習も実行委員の仕事で忙しくほぼやっていなかったのだ。さらに俺は実行委員の仕事に夢中になりすぎていたのでこのことは全く頭にかんがえていなかった。

 -やばいマジやばい!

 一体どうすれば、ええい!こうなったらやけだ!と少しずつ海廻に顔を近づける。

 海廻の顔が徐々に近くなる。

 だが俺はなぜか冷静になっていき、唇と唇を重ねた…

 -やっちまった。やってしまった…

  客だけでなくクラスメートも絶句していた。

 あれ?なんで皆驚いてんだ。確かにやっちまったけどこれは演技の範囲内のはずだしそこまで驚く必要もないだろ?

「ありがとうございます!王子様!」

海廻は目を覚ました。

その後は魔女がお仕置きされ、王子と白雪姫は幸せにくらしましたとさ。お終い。


 「ええーーーーーー!!キスする直前で明かり暗くして寸止めする予定だったの!?」

 今更伝えられた事実に唖然としていた俺だった。

「ちょっと考えたら分かるだろ?バカじゃねーの?」

 裕司がからかうように笑う。

「まぁ、成功したのだからいいではないですか。とても良かったですよ。黒羽君!」

「ああ、うん…ありがと。」

 素直に喜べねー何でだよー。先に言ってくれよ!マジで!あれ?そう言えば海廻は?

 俺は1人で海廻を探し屋上で海廻を見つけた。

「海廻!どこ行ってたんだよ!」

「輪!?何で来たの?」

「お前がいないから探したんだよ。後、ごめん。あんなこと…しちゃって。」

「あんなことって?」

 海廻が悪戯っぽく言う。

「俺に言わせんな!」

「冗談だよ!大丈夫気にしてないから!(むしろ嬉しかった)」

 最後の方は小声で何か言ったようだったが聞こえなかったがまぁ、

「気にしてないんだったらよかった!ほんとごめんな!」

「いいよ!全然!それよりさー今日は楽しかったよねー!」

 屋上の柵の上に腕を乗せながら海廻は言う

「俺はもうクタクタだ」

「でも、楽しそうだったよ」

「ぬかせ。…なぁ、何でお前は実行委員なんてしようと思ったんだ?」

 純粋に疑問に思ったので聞いてみた。すると、

「今しか出来ない、今やりたい、このメンバーでやりたい!そう思ったから!」

「要は勢いに任せただけかよ。お前らしいな。」

 そして、海廻は続ける

「私ね、今がすごく楽しい!これ以上ないくらいに楽しい!本当に幸せ!だからね、こんな日がずっと、永遠に続けばいいなってそう思うんだ!輪はどう?」

 俺も今が楽しい。だから答えに迷うまでもなかった。

「ああ、俺も海廻と同じ気持ちだ。」


   そうー答えた。答えてしまったのだ。この答えが過ちだったことを知らずにー


「こんなところにいましたか。探しましたよ?」

 そこにいたのは白姫だった。

「帰りましょう。黒羽君、園花さん。」

「ねぇ、真由里。君付けさん付けやめない?名前で呼び合おうよ!だって私たち友達でしょ?ねぇ!輪!」

と海廻は俺に聞いてきた。俺はー

「そうだな。白姫って呼び辛いし黒羽も呼び辛いからな。そうしよう。」

と俺は答えた。すると白姫いや真由里はー

「分かりました。では改めてよろしくお願いしますね!輪、海廻!」

 そして、真由里は続けた

「どうか、この夢が永遠に続きますように。」

 意味深なことを言った真由里だったがすぐに海廻が

「何言ってんの?夢じゃないよ!」と続けた。


ーそうだ。今は考えなくていい。今はこの幸せな時間を過ごしたい。海廻、真由里、裕司、優里奈、皆がいるこの世界で

第二章楽園の始まり投稿しました。いやー意外と時間かかっちゃいました。今回は楽しい日常の話です。書いていてとても楽しく甘酸っぱくそして切なくなりました。今回はゆっくりとしか話は動きませんでしたが次回は少し動かしてみようと思います。…多分。後、感想ご指摘なども是非書いてください。それではまた次回お会いしましょう!

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