硝子と碧
窓際で足を伸ばして見上げた空
反射して白く雪のように輝いたあの海
暖かく包んでくれたあのコンクリート
みんな、みんな 大切だったんだ。
2XXX年、新しい時間が誕生し、
その時を僕たちはフローワールドと名付けた。
現実と平行して存在するその世界は
大切な感情を吸い込み膨張する。
フローワールドと現実には同じ人間が
存在するが、フローワールドの人格は、
現実世界の体験の
メモリーカードのような役割をする。
空っぽの容器に思い出が積み重なっていく。
そんな世界が確かにあるのだ。