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第六話 ピッフルグラス

コウキ「今回の話はいつもよりは短いらしいぞ」

コウキ「まあ短いっていっても作者的にはやっぱり長いらしいけどな」

コウキ「それと、もう少しキャラが増えないとこのコーナーの当番が早くて困る」

コウキ「もう少し愛想よくしろって?」

コウキ「ここで一人居残りみたいにこんなことさせられて笑うとか」

コウキ「俺はMじゃないんだぞ」

コウキ「それじゃ駄文、いや一応人に見せられる程度の文をどうぞ」


 港を出たコウキ達の目の前に広がっていたのは、科学文明と自然が共存している光景だった。

 コロニーに慣れたコウキ達には新鮮な光景だった。

 現実世界でもこのようなものはそう見られないだろう。

「さっきの成績は驚いたよ。初めての星間飛行であそこまでやるなんて」

「いやあ椿様に褒められるとは恐悦至極」

 シュネルは鼻が高くなっていた。ちなみに鼻の下も伸びていた。

「あのう、これからどこに行くんですか?」

 なあたんが一同の疑問(シュネルを除く)を問いかけた。

 椿に付いて行くだけで、どうするのかはまだ聞いていなかった。

「なに。ただ街を案内するだけさ。そのあとにクエストでどうだい?」

 確かにこの星に慣れておいて損はしないだろう。

 それに行った先々でなにか聞けるかもしれない。

「俺はいいですよ」

 コウキは提案に乗る。

「うおお、椿様といっしょに観光だあ!」

 いつも通りで安心する言葉だった。

 一応声量は抑えていたが、なあたんには聞こえていたようで引かれていた。

「あっ!」

 一転してシュネルは真剣な雰囲気になった。

「どうしたんだ一体」

 コウキの問いかけに応えず、シュネルは椿の方に向かう。

 椿はそれに不思議そうな顔をする。

「椿様」

「なんだい」

 ただならぬ雰囲気の青年とそれと対峙して微笑む女性。

 ここが街中でなければ絵になる光景だったろう。

「べ、『紅龍一族』にはどうやったら入れますでしょうか?」

「へ?」

 シュネルの言葉に椿は素っ頓狂な声をあげてしまう。

 その様子に「ミスったか?」と内心不安になるシュネル。

「ああいや、ごめん」

 それを察したのか椿は少し申し訳なさそうに謝る。

 そして苦笑気味に話し出す。

「『紅龍一族』ね。残念だけど君じゃなれないよ」

「どうしてですか?」

 椿は一旦息を吐き出し、話しの続きをする。

「まあ、こればかりはどうしようもないよ。だって『一族』だしね」

「と、いいますと?」

「そのまんまの意味さ。……つまり家族だってことさ。兄貴がやってみようって言いだしたことなんだけどね」

 そんな椿の言葉はポカーンとしているシュネルには届いていないんだと思う。

 それにしても、『一族』が『流派』ではなく『家族』だったとは。

 噂が本当だとすればなんて家族だ。

「あたしはその中でも一番弱いんだけどね」

 椿クラスで最弱とはどんな集団なのだろうか。

 ガバっとシュネルが顔をあげる。

 なぜか嫌な予感しかしてこない。

「そういうことならば!是非、結っこグベラッ!!」

 先の言葉を言う前に止めに入る。

 殴ってからここでは戦士クラスの攻撃力があることを思い出す。

 目を覚ましたら謝ろう。

「時間もないですし行きませんか」

 シュネルを背負いコウキは促す。

「シュネルさんは」

「じきに起きるから大丈夫だよ。やり過ぎたとは思うけど……」

「そういう癖は直した方がいいと思いますよ」

 なあたんに怒られてしまった。

 確かに気心の知れてる相手でも暴力はよくないだろう。

「また一人寝ちゃったけど、仕方がない。行くよ」

 椿先導での案内ツアーが始まった。


 四人で(一人は半分くらい気絶していた)様々なところを見て回った。

 武具屋にアイテムショップ、衣料品店など。

 なぜかは知らないがお土産屋まであった。

 そのことについて聞いてみると、

「それはあれだろうね。この惑星がどちらかというと、観光向けだからだと思うよ」

「体感型ゲームだからこそのリアル設計ですね。分かります」

「こういうのがあると更にのめり込んでしまいそうです……」

 普通のゲームではコレクターズアイテムでしかないこれらも、体感型なら一般の人にも楽しめるということか。

 観光の方に重きを置いているのか、それ以外のものはコロニー程の品ぞろえはなかったが、消耗品にもご当地品があるようだ。

「コウキ、コウキ」

「どうした」

「この杖みてみろよ。すごいぞ」

「どれどれ」

 渡された杖はズシリとくる古木の杖だった。

 表示された情報はとても高い魔法能力を示していた。

 コロニー内最高の魔法装備がおもちゃに見える数値だ。

「それは聖龍木(せいりょうぼく)の杖だね」

 椿が杖をみてそんなことを言った。

「それはなんですか」

「この星には一ヶ所だけ一般人立ち入り禁止の場所―――陽聖森殿(ようせいしんでん)ってところがあって、そこの神聖な大樹のことだよ」

「そうなんですか」

 とりあえずすごい装備らしい。

 200万テルス(この世界のお金の単位)。

 そーっと返しておいた。

「ん?コウキ顔色悪いぞ」

「ああ、うん」

 シュネルがもう一度杖を取る。

 どんどんポーズを決めていくシュネル。

 しばらくして、一通りやり終えたのか満足そうに杖を眺める。

 そして、やはりそーっと返した。

 シュネルの方が白いのは、このときばかりはエルフであるのだけが理由ではないだろう。

「つい、つい買ってしまいました……!」

「「なにい!?」」

「ひいっ!」

 なあたんの一言につい声を荒げてしまった。

 なあたんは木製の矢を矢筒に入れて持っていた。

「それってまさか!」

「これは、えとえと、麻痺効果付きの矢でっ、性能が良かったから」

「いくらしたっ!?」

「せ、1600テルス、です……」

 その一言にホッとした。

 ここであの値段が出ていたら立ち直れなかったかもしれない。


 そんなこんなでこの星のクエストカウンターに来ていた。

 今はクエストの厳選中である。

「これなんかどうだい」

 椿の提案してきたクエスト内容は、

 

 フレイ・ディラグ一頭の討伐

 ランクE- (ランクはSSS+~Gの範囲)

 目的地 草原B区画

 報酬 一人2200テルス


「レベル上げにしても、戦闘経験を積むにしてもちょうどいいと思うよ。私がいれば最悪のことにはならないだろうしね」

 フレイ・ディラグ―――竜種を相手にするのはまだ早いだろうが、椿がいれば可能かもしれない。ならば願ったり叶ったりだ。

 コウキは他の二人を見る。

 全員意思は同じようだ。

「決まりだね」

 早速決まったクエストを受注し出撃ゲートまで行く。

 全員の見た目が戦闘用に変化する。

 コウキはプロテクターにPL・クリムゾンカリバーとハンドガンの装備だ。ブロークンエッジも腰に着けられる

 シュネルはローブに青白いラインが走り、魔道書を掲げた。

 なあたんは弓と盾、そして先程の新しい矢を。

 椿はやはりあの過激装備に重火器、ただし手榴弾は無し。


  エントリーリスト

 Lv.48 椿=紅龍(べにりゅう) ヘビィガンナー65

 Lv.15 シュヴァーネル・アルタロン・ラ・フォングラス・ドリュッセン 白魔術師15

 Lv.17 ヤノ・コウキ ソルジャー22

 Lv.11 なあたん 狩人11

 

 椿のステータスはずば抜けている。

 せめて足を引っ張らないようにしなければ。

 ―――――開始地点へ転送します――――

 一瞬の違和感の後に着地の感触があった。

 コウキ達は草原に降り立っていた。

 そこは心地よい風が吹き抜ける静かなところだった。

 平穏そのもので竜なんていなさそうな感じだった。

学生との兼業は辛い。

けど止めないよっ!!


はい、第六話も無事?終了しました。

今回は平和回でしたね。

コウキ達からしたら平和回が続いた方がいいのでしょうが……


もちろん、何か起きますよ!!(キリッ)


ではでは、また次回~。


※新キャラ出したい

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