第五話 フライト・オン・ユニバース
なあたん「えっと…(オロオロ)」
なあたん「今回の前書き担当の、な、なあたんです」
なあたん「な、なんでわたし一人なんですかぁ」
なあたん「誰か、誰か助けてください」
なあたん「そうだ。これを読むだけで良いって言われてたんだ……」
なあたん「(スーハー、スーハー)…よし」
なあたん「ご、誤字だちゅっ!」
なあたん「ごご、ごひだひゅじがっ!」
なあたん「誤字脱字があったら報告お願いしまっしゅ!」
なあたん「うぅぅ……」
筆者「(かわええなぁ……)」
昨日の喫茶店でコウキとシュネルはなあたんを待っている。
「ああ!早くなあたんちゃん来っないかな~」
シュネルはさっきからこんな感じなので非常に鬱陶しい。
対してコウキの表情は少し暗い。
謎のノイズについては顔の広そうな椿も調べてくれているから今はそちらを待っている。
(そういえば椿さんって言ったら……)
「なあシュネル?」
「なに!?来たのっ!!」
勢いが恐い。魔法系職業とは思えない反応速度だ。
「いや、そうじゃないけどさ」
「……ああ、うん。で、何?」
態度の変わり方も早かった。
ここまで来ると友達とはいえ腹が立つ。
コウキは蹴り倒したい衝動を必死に抑えつつちょっとした疑問をぶつける。
「ちょいちょい気になってたんだけど、『紅龍一族』って何?」
「はい?!」
聞いた途端に思いっきり睨まれた。
コウキは睨まれた理由が全く分からなかったが、周りの席で聞いていたであろう何人かを見ると、どうやら自分に非があるらしい。
「いいか、『紅龍一族』ってのはな―――」
プレイヤーネームに『紅龍』と入ってる超技術プレイヤーの集団で、その集団へ入る条件は不明。
クエストの成功率100%をキープし続ける生ける伝説。
曰く、一国の危機を救った。
曰く、ボスが悲鳴すらあげられなかった。
曰く、実は最強のボスである。
他にも真偽不明の噂が多数存在する。
謎に包まれ過ぎた天才達。
「―――それが『紅龍一族』なんだよ!」
シュネルの熱弁が終了した。
正直疑わしいことばかりだが、このゲームは単純なゲームスキル以外にもスキルが必要だ。そんなゲームであのレベルにいくには相当な実力が要る。あながち間違ってないのかもしれない。
「生ける伝説ねえ……」
「なんだよなんか文句でもあんのか!」
「そういうわけじゃないけどさ」
『伝説』というならコウキも一つ知っている。もっとも、話す必要もないようなことだが。
「俺はなコウキ、『紅龍一族』に認められるようになるっ!」
シュネルは大声で堂々と言ってのけた。
その言葉に対して周りが笑いだした。
シュネルは照れながら「どーもどーも」などと言っている。
だがコウキは笑わなかった。言ったときのシュネルの顔が輝いて見えたから。
友達で良かったと素直に思える。
コウキがふと入り口当たりを見てみると、なあたんが入り辛そうにしていた。
シュネルの脇腹を肘でつつく。
「行くぞ」
「え?ああ、うん。それじゃあおじさん達、また今度」
いつの間にか仲良くなっていた。本当にいつの間にだ。
席を立ちなあたんのところで行く。
「そこにいたなら入ってくればいいのに」
「いや、でも……」
そう言いながらなあたんはシュネルの顔を見る。
「なに?もしかして俺に惚れたりでもしてくれた!?」
「……ああ」
なあたんが入ってこなかった理由はなんとなく察しがついた。
多分シュネルとあそこの人達に迷惑を掛けたくなかったんだろう。
今はシュネルが話し掛けまくるので、逆に迷惑を掛けられているのだが。
「二人とも行くぞ」
「は、はい」
コウキはなあたんと歩き出す。
少し遅れてシュネルも追ってくる。
「ちょっと待ってよ!ねえなあたんちゃん、結局どうなの!?
さっきの少しの感動を返せ。
☆ ☆ ☆
貰った許可証をカウンターに持っていったらレンタルシップに案内された。
どうやら星間飛行は自力で操縦らしい。
案内の最中に昨日の件について聞いたところ調査中らしい。
あとシュネルがリセフをナンパしていた。
イケメンなのに残念というか、ゲーム内でイケメンになったから調子に乗っているんだろう。
「うわあ!わくわくするなこれ!」
船内を忙しなく見て回りシュネルはとても興奮しているようだ。
「ふわ~……」
なあたんも宇宙船に圧倒されているようだった。
コウキはゲーム内の事だと冷静を装いつつ、実際はそれしかできなかった。
船自体は小型船だったが、宇宙船という事実と戦闘艦のような見た目だけでテンションが上がってしまう。
コウキは操縦桿を握る。
「そ、それじゃ出発だ……」
緊張でガチガチのままの宣言だった。
このときに気付くべきだったのだ。
操縦が手動で船の形が『戦闘艦』、それが意味することを。
現在、船の操縦はシュネルが行っている。
普段の彼からは考えられない程丁寧な操縦である。
最初はコウキが操縦していたが止めさせられた。
あまりに下手すぎたのだ。(なあたんから非難されるほどである)
ピピピ、ピピピ
「ん?なんだろこれ」
「どうした?」
操縦席に行ってみると、シュネルがよくある光る線が回るタイプのレーダーを指さしていた。
「レーダーに何か反応してるみたいですね」
光る点が中心に近づいている。
「もしかしてヤバかったりする?」
カシュンッ
突然の衝撃に船が揺れる。
「うおわっ!」
「キャーー!」
「痛っ!」
三人共衝撃のせいで壁などにぶつかってしまう。
ヒダン。ヒダン。ソンショウケイビ。ソンショウケイビ。
船になにかが当たったらしい。
船の前を何かが通り過ぎる。
一瞬見えたそれはモンスターのようだった。
「あっ!」
シュネルが「やっちまった」みたいな表情をした。
「ゲームジャンルに『シューティング』ってあったよね?」
「ああ。……それって」
「この状況……だと思います」
レーダーの反応が今や十数個にまで増えていた。すっかり囲まれたようだ。
慣れていない宇宙船の操縦に加えて、慣れないシューティングだ。
状況は絶望的だった。
「こうなったら一か八か突破だーー!」
シュネルが無謀なことを口にしていた。
「あの、シュネルさん?」
「安心してなあたんちゃん。俺はこれでもアーケードシューティングは得意なんだよ」
「これにはあまり関係ないような……」
悲惨すぎてなあたんが冷静だった。
「それにこっちには運の良さが才能みたいなコウキがいるし」
「俺!?」
いきなり話を振られ素っ頓狂な声を出してしまう。
褒められてるのか貶されてるのか分からない。
「クリムゾンカリバーとかブロークンエッジとかを手に入れる運があるんだから、きっと弾避けの運もある筈!」
なんという暴論だろうか。
運の良さは……否定しないが。
「みんな席に座ってシートベルトして!」
シュネルの号令に即座に従う。
こいつがここまで頼もしいとは思っていなかった。
「シュネルさん、コウキさん。私、信じてますから」
言葉とは裏腹にその顔は恐怖で強張っていた。
「しっかり掴まってて!」
ドウンッ
機体が一気に加速を始める。
さっきまでの丁寧な操縦とは打って変わって、とても荒々しい。
強烈なGに体が押し付けられる。
前方に敵が現れる。
「多分これが射撃ボタンだから……!」
テュンテュンテュン
レーザーショットが敵に向けて放たれる。
「いやっほー!!」
撃墜に成功していた。
撃墜したことでできた穴から包囲を抜ける。
だがそれだけで終わる筈もなく、後ろから追ってきた。
「まだ終わってないみたいだぞ」
「分かってるよ!」
言葉と同時に急上昇する。
そしてしばらく行ったところでその場旋回。
なあたんは耐えられなかったのか気絶していた。
コウキもあまりのことに舌を噛んでしまった。
「これだって武器なんだから……フロスパース」
もう一度レーザーが発射された。
その一撃は命中した相手を凍りつかせた。
さっきのは氷付加の呪文だったようだ。
いきなり凍った敵に後続がどんどん突っ込んでいく。
「いける、いけるぞ!」
☆ ☆ ☆
惑星ピッフルグラス
とてものどかなで平和を象徴するような星だ。
自然が豊富で野生生物が多数存在し、少数だがそこそこ強い個体も存在する。
非戦闘系職業も一通り揃っていて、スタート地点はここがいいランキング第一位になっている。
そこのスペースポートで昨日約束した三人を待っていた。
後輩を指導するのも先輩の務めだろう。
それに、謎のノイズの件もある。
深く関わるべきことではないのだろうが、関わらざるを得ないだろう。
一族の者には既に話してある。
船が近づいてきた。
どうやら着いたらしい。
最初の星間飛行は難関なのだが上手くやったようだ。
着港した船に近寄る。
船の情報にアクセスすると、この船で間違っていないようだ。
今回のリザルトが表示された。
リザルト
撃破数 11
被弾数 3
評価 A+
なかなかの好成績だった。
これは褒めてあげるべきだろう。
そう思って中に入る。
「これは……」
そこにいたのは生気の抜けた廃人のような三人だった。
「やれやれだね」
目が覚めるまでもう少し待っている必要があるようだ。
さあさあ、一週間更新とかほざきつつ三週間も放置していた野菊風雅です。
ハア……。冬休みって人をダメにしますね。
あとちょっとした近況報告。
氷柱が目の前に落ちました。
で、その時に私は携帯を弄ってたんですね。
ガンッ(氷柱ヒット)→ドサ(足元の氷柱&携帯)
ohhhhhhhhhhh!!
幸いというべきか♯が利きづらくなっただけで済みました。
話は変わりますが、私はオンラインゲームをしたことがないんですよねww。
ならこれ書くなよってことなんでしょうが、
書きますよ!(キリッ)
ファンタ〇ースターオンライン2のα2テストに応募したので、これで晴れてデビューできたらなあと。
そしたらいっしょにプレイできたら嬉しいです。
これを読む人がいて、なおかつプレイする人がいたらですが。
今後ともよろしくお願いします。