第四話 ビギニング・リドル
シュネル「放置プレイは美人なおねえさんにされたい!」
コウキ 「はあ」
シュネル「だって更新が遅いじゃんか」
コウキ 「そうだな。それと今回はこのコーナー短いから」
シュネル「えっ!?まだ語り足り――――」
強制的に開始します。
「そのようなことがあったのですか。それでは、管理局に報告させていただきます」
謎のノイズのこと、ガーベルのことをリセフに報告した。
あの後すぐにクエストは終了となった。
クエスト終了後もしばらく辺りを見て回ったが、なにかがどうにかなるわけではなかったが、そうせずにはいられなかったのだ。
「コウキさん安心してください。その件はこちらで解決します。ほら、あちらでみなさんが待ってますよ」
リセフに促される。
たしかに自分ではどうにもできないだろう。それがもどかしかった。
「お詫びといってはなんですが、惑星ピッフルグラスへの渡航許可証をお渡しします。とてものどかな所なのでゆっくり休んできてください。では」
彼女は許可証を渡してログアウトしたようだ。管理局に報告しに行ったのだろう。
コウキはその場をあとにする。
カウンターから集会場の方へ進む。
「コウキ~、遅かったじゃんか。なにしてたんだ?」
シュネルが呼びかけてきた。
テーブルにはシュネルになあたん、そして椿がついていた。
椿の格好はコートに戻っている。
「心配したんですよ。ゲームオーバーになったんじゃないかって……」
なあたんは気を使ってくれていたようだ。
「だから言ってるだろう、ゲームオーバーになったら表示がでるって」
椿はそんななあたんに苦笑混じりに話す。
「でも、本当になんで遅れたんだい。説明はしてほしいね」
「わかりました」
みんなにノイズのこと、それによってガーベルが消えたことを話す。
それを聞いたみんなはとても真剣な表情になった。なあたんなんかは得体のしれない話に、表情が強張っている。
「そんなことは聞いたことないけど……。事実ガーベルは帰ってきていない……」
椿はそのまま黙り込んでしまった。
「イベントってわけじゃなさそうだしな。バグかなんかかな?」
「そういえば」
コウキはノイズの中残ったビームセイバーのデータを展開する。
「ノイズが発生した後これだけが残ったんだ」
データには「ブロークンエッジ」という名前以外のことは記されていない。
その武器を見た途端にシュネルと椿が驚愕する。
「それって、『ブロークンウェポン』じゃんか!」
先程の空気を無視してシュネルが大声を出す。
『ブロークンウェポン』という言葉に、周りにいた人達がざわめき始める。
「あのう、『ブロークンウェポン』ってなんですか?」
一人だけ不思議そうななあたんが質問する。
「『ブロークンウェポン』っていうのは、今回みたいなアンノウンクエストだけで手に入るレアアイテムだよ」
椿が説明を始める。だが、頭では別のことを考えているようだった。
「アンノウンクエスト自体が滅多にないし、こいつのレア度も相当だから、とんでもなく珍しい代物だよ。性能は、まあ、『ブロークン』の名前の通り全く安定しない。いわゆるコレクターアイテムだね。ただ、」
それから一息置き、椿が真剣な顔になる。
一瞬和んでいた空気がまた、凍りついた気がする。
「あたしは兄貴に他の『ブロークン』も見せてもらったことがあるから分かるけど、こいつはただものじゃないね。武器説明も、性能表示もない。普通なら『???』って出るけど、一応あるんだよ」
椿の言葉によりこの武器に疑念が深まる。
今目の前にあるこれはなんなのだろうか。
「それにそいつはノイズの中で唯一残った物だ。―――必ず何かあるよ。それ」
これにはなにかある。それはなんとなく分かっていた。
けどそれがなにかは結局分からず終いだった。
いや、分かる者などいる訳がないのだ。ノイズのことは管理局は知らないのだから。
(待てよ……)
一つだけ心当たりがあった。
あの銀髪の少年だ。
彼ならば何か分かるかもしれない。そんな気がした。
確証なんてない。彼もノイズに巻き込まれて消えたかもしれない。
このゲームでゲームオーバーになったら始めからとなり、また再会するのは困難になる。
あの後に残ったのはこの柄だけ。彼の姿はなかった。
「俺はこれを拾う前に、ノイズの中に銀髪の少年を見ました」
望み薄だが取りあえず言ってみる。
「そいつなら知っていると思います」
ダメ元のダメ元、言ってもどうにもならないことだ。
「でもそいつもノイズに巻き込まれたんだろ?」
「ああ」
「じゃあ、意味ないじゃん」
こんな会話になることはやる前から想像できた。
でもしないよりはマシだろう。
こんな異常事態では何が鍵なのか分からないのだから。
「けど、俺はそいつは生きてると思う」
勿論これは、現実世界で、という意味ではない。
「これはノイズの中残った。じゃあ、持ち主かもしれないそいつも生きてると思うんだ」
武器だけにこんな加工するとは思えない。ノイズのことを分かってやっていたとしたら、自分の電脳体にもやっているだろう。
「まあ現状、手掛かりはそいつだけか」
分かっていることはそれだけ。なんと絶望的だろうか。
いくら名探偵でもこれは解決できないだろう。証拠となるノイズは今は消えてしまった。
「あのう、ひとついいですか?」
なあたんは自信なさげに、いや、今までの彼女にしたら自信有りげ?に話しかけてきた。
「どうしたの」
コウキは彼女に話を促す。
「その人の似顔絵、描きましょうか?」
とんでもなく幸運な提案だった。
似顔絵ならばコウキのうろ覚えな記憶でもなんとか他の人物に特徴を伝えられる筈だ。
「なあたんさん。お願いします」
しばらくして似顔絵が完成する。
出来上がった似顔絵は相手の特徴をよく捉えていた。
「あとはこの似顔絵の人物を捜すだけだ。ありがとう、なあたんさん」
「どういたしまして//」
なあたんは恥ずかしそうに俯く。
ピピピ、ピピピ
誰かに通信が入る。
「ちょっとごめんよ」
通信は椿のものだったようだ。
椿が席を離れる。
「もしもし。どうしたんだい桜花。……はいはい了解。じゃ、今すぐいくよ」
話は終わったようで椿が戻ってきた。
彼女は申し訳なさそうに手を合わせる。
「ごめん。次の約束ができちゃってさ。あたしは抜けさせてもらうよ」
「つ、次も会えますよね!?」
シュネルがとてもとても必死になって聞いていた。
椿は対応に困っている。
「そうだね、明日はどこにいくんだい?」
「俺はさっき貰ったこれでピッフルグラスに行こうと思います」
「じゃあ明日ピッフルグラスで」
それだと俺しかいけないのでは?コウキは疑問に思う。
「じ、自分はどうなるのでしょうかっ!?」
やはり反応する人物がいた。
だが椿は何が分からないのか分からないみたいな感じだ。
「ああ、そういうこと。大丈夫だよ。渡航許可証ってのは誰かが持ってればパーティみんないけるってやつだから」
その説明に安心する。シュネルは特に。
椿は似顔絵をピラピラと振る。
「あたしもこいつについて聞いてみるよ。じゃ、また明日」
椿はスタスタと行ってしまう。だが手だけは振り続けてくれた。
なあたんも立ち上がった。
「えっと私も抜けていいですか?そろそろ親に止められるので……」
すごく申し訳なさそうだ。というかこっちが申し訳なくなってくる。
「明日もこの時間に来ますので、えっと、待っててくれると嬉しいです」
「また明日ね」
「待ってるよ」
「ではこれで」
なあたんも去って行った。
それから数秒後、
「あーーーーー!椿様となあたんちゃんに見とれて、紅龍のことを聞くの忘れてた!!」
すごく残念なやつがいた。
「俺はあと1クエストやったらでるかな」
残念なやつは放置していく。
そいつは泣きついてきた。鬱陶しい。
「置いてかないで、お願い」
「分かったから、行くぞ」
それから二人で簡単なクエストを行った。
その間ブロークンエッジを使う気にはなれなかった。
ふう、遂に遂に更新です。
語りたいことはありますが、明日も授業があり、書いている時間も時間なので切り上げます。
詳しいことは次の更新で!じゃっ!!