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第一話 ニューゲーム

素人ですが、どうぞよろしくお願いします。

誤字・脱字ありましたら報告お願いします。

 ――――生体接続が完了しました――――

 無機質な音声が頭に響いてくる。

 ――――神経系の同調開始――――

 意識が切り替わっていく感じがする。少し気持ちが悪い。

 ――――同調が完了しました――――

 意識の変化が終わる。それでもまだ気持ちが悪いが。

 ――――生体認証、確認。ユーザーネーム『ヤノ・コウキ』――――



 ――――――――ログインしますか?――――――――


「ああ」

 宣言した瞬間、世界が一変する。

 閉じていた目を開ける。

 そこは自室のベッドの上だった。

 それだけならば別段珍しいことではない。

 だが、ここは実は自室ではない。しかし、自室である。

 その可笑しなロジックを解決するには、この世界について理解する必要がある。


 とある一本のゲームが開発された。

 完全体感型のMMO。

 ありとあらゆるゲーム会社が一丸となり作り上げた奇跡のゲーム。

 世界はそのゲームの発表に驚愕した。

 今まで画面の中だけだった出来事を現実と同じように体感できる。今までのゲームではできない自由なアクションを行うことができる。

「二次元と三次元とを区別する時代は終わった」と言った者までいる。

 仮想現実の世界『インティール』を舞台とした、ほぼノージャンルとも言える奇作。

 RPGであり、アクションであり、シミュレーションであり、NPCとの恋愛までできる。

「実生活が蔑ろになり世の中が回らなくなる」とも一部からは言われている。

 だが、それでも多くのユーザーから支持され、ゲームは今も続いている。


 ここは本当の自室ではないが、ゲーム内では自室だ。

 弘輝はベッドから降り、部屋を見回す。

 特にこれといった特徴のない部屋。物は何も置かれていない。

 ……ただ家具に費やすほど手持ちがないだけなのだが。

 駆け出しのうちはそんなものだと自分に言い聞かせる。少し泣きたくなった。

「だったら、早く一人前にならないとな!」

 突き動かされるように自室から出る。

 居住区を抜け、スペースコロニーの中央区画に出る。

 クエストを一刻も早く受けたい弘輝は、扉が開いた瞬間に駆け出す。

「うおっ!」

「ふぇ?」

 ドンッ

 扉から出た瞬間に人にぶつかる。さいさきが悪すぎるだろ。

「いつつつ……」

 とりあえず体を起こす。

 目の前にいたのは小柄な少女だった。

 ふわふわとした茶髪に、可愛らしい顔立ち。

 華奢そうな体をコロニー警備隊訓練生の制服に包んでいる。そのアンバランスさが少女の愛嬌を引き立てる。

 思わず見入ってしまった。

「いたたた……ふぇ?」

 少女が起き、一瞬の沈黙が流れる。

 とりあえず今の状況を把握しよう。

 可愛らしい少女、男、馬乗り、凝視。さて、ここから出される結論は?

「へ、へ、ヘンターーーイ!!!!!」

 ですよねー。

 ………………。

 ………………ですよね、じゃねえよ!どうすんだよこの状況!

 周りの人々が訝しげな目を向ける。

 このままこの場にいてはいけない。全本能が告げてくる!

 けど、どうすれば?

 少女は弘輝を振り落とそうともがく。周りの視線もきつくなってくる。

「と、とりあえずこっちに来い!」

 少女の腕を掴み走り出す。

「キャーーーー!イヤーーーー!!」

 ……この行動は間違いだったと後悔している。もう、本当に……。


 コロニー内の喫茶店で少女のことを説得する。

 とてつもなく疲れた。これならその場で弁明した方が楽だった。いや、普通はそうするか……。

 少女はさっきまでの取り乱しようとは一変、とても気弱そうだ。

 まだ疑いの目を向けてはいるが。

「あ、あのさ」

「は、はいっ」

 少女はビクッとなり、おずおずとこちらを向く。

「さっきは本当にゴメンっ!」

 もう一度全身全霊で謝る。女の子に対して失礼なことをしたのだ。この程度で許されるとは思っていない。

「そんなに頭を下げないでください。全然気にしてませんから」

 そうは言うものの、目はやはりこちらを信じてはいない。

「ようコウキ。女の子を口説いてんのか?俺にも紹介してくれよ。いや、まじでお願いだから」

 黒のローブを纏ったエルフの青年が、なんか残念な感じで話しかけてくる。

「いやー、待ち合わせの場所にいないからどうしたのかと思ったけど、まさか誑しこんでるとはな」

「そんなことしてねえよ」

 これがどう見たら誑しているように見えるんだろうか。

「あ、あなたは?」

 少女が突然現れたエルフの青年に戸惑ったように聞く。

「こいつは俺の、なんて言うか、腐れ縁の友人の田沼(たぬま)……」

「ちっちっち。ネットで人の本名を教えちゃダメだぜ、コウキ」

 青年が人の紹介にいちゃもんをつける。何も間違えていないと思うんだが。

 彼は自信満々に言い放つ。

「我が名はシュヴァーネル・アルタロ……」

「もうシュネルでいいと思うぞ」

 そういえばこいつのユーザーネームは長ったらしかったな、と思いつつ適当に流す。

 そんな長い名前を考えたことにだけは正直に感心する。覚え辛いことこの上ないが。

「えーと、よろしくお願いします。シュネルさん」

 シュネルが睨んでくる。そんなに気に入ってたのか。

「うん、よろしく。それで、君の名前は?」

 シュネルが少女に尋ねる。

 俺も聞きたかったが、聞くのを憚られたことだ。

「わたしは、えーと、な、」

「「な?」」

 二人して聞き返してしまう。

 少女は怯えたように、いや恥ずかしそうに?身を引く。

「な、なあたんって、い、いいます……」

 少女――なあたんの顔が恥ずかさで赤く染まる。

 そりゃ自己紹介で『なあたん』と言うのは恥ずかしいと思う。

「なあたんちゃんか。いい名前だね!よろしく」

 正志がなあたんに手を差し出す。彼女はそれを少し警戒して、握手をする。

「俺はコウキ。よろしく、なあたんさん」

 俺も一応自己紹介しておく。

「お前まだ自己紹介してなかったの?」

「するような状況じゃなかっただけだ」

「と言いますと?」

「それは……」

 説明するのか?あのことを?

 シュネルが興味津津といった目で見つめてくる。男がそんな目をしてもキモいだけだ。

「なあ、教えてくれよ。なあ、なあ」

 シュネルがすり寄ってくる。キモい。

「ああ、もう分かったよ。話せばいいんだろ。話せば!」

 そのまま勢いで話してしまった。

 シュネルがわなわな震えている。なあたんはもう一度思い出したのか恥ずかしそうに顔を伏せる。

 耐えられなくなったのか、シュネルが爆発する。

「なんだよ、そのLSラッキースケベ!どこぞのギャルゲの主人公だよ!」

 イケメンからギャルゲの主人公とか言われる日が来るとは思ってなかった。そのイケメンがシュネルでなければもっとよかった。

「ああ、俺にも来ないかなLS。ああ、来ないかなあ」

 シュネルが恨めしそうにこちらを見ながら、呪詛のように言う。

「そうは言うがな、実際に遭遇すると大変なんだぞ」

「すみません、すみません」

「いや、なあたんさんは悪くないから」

 謝ってくる彼女を必死に宥める。

「俺の前でいちゃいちゃするなあ!」

 シュネルが今にも暴れだしそうだ。このまま放っておいたら大変なことになる。

「お、落ち着けよシュネル」

「これが落ち着いて……」


 ウーウーウー緊急クエスト発生。緊急クエスト発生。繰り返します。緊急……


 警告音と緊急クエストを知らせる放送が流れる。

「え?え?緊急クエスト!?うおー!始めてだよ、こんなこと。すげーワクワクする!」

 シュネルが興奮した声で捲し立てる。

「じゃあクエストルームに行くか。なあたんさんはどうする?」

 なあたんさんは戸惑った顔をし、少し考えた後、

「わ、わたしも行きます」

 弱弱しくだが答えてくれる。

 コウキ達は緊急クエストを受けるために喫茶店をあとにした。

新連載!

いや、前シリーズ(三話しか書いてませんが)は震災後、執筆がストップしてしまい、高校入学後は忙しくて書けず、設定が全部吹っ飛んでしまいました。


今回は完結できるようにがんばります!

自分は素人なのでアドバイスをお願いします。


目標は週一更新です!

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