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謎の人物

空さえも俺に味方してくれなかったのか。生憎あいにく、今夜は満月だった。星も綺麗に輝いている。

(早くどっか行ってくれぇ~…)

そんな俺の願いは次の瞬間浅はかに散った。

「おい、お前。そんな格好でここで何やっている?」

(ひぃ~っ、バ、バレたーっ!)

あぁ、もう最悪。人間になったとたんに牢屋に入るのか。さよなら、俺のエンジョイライフ。さようなら俺の春。

諦めて岩陰から身を出したのはいいが、この状況、何て説明しよう…。

「えっ、えーと……っくしゅ!!」

あ、こんな時にくしゃみが。

バサッ!

え……?上着をかけてくれた…のか?

「あの、ありがとっ」

「…とりあえずこっちへ来い」

このままここに居てもどうしようもない。けど、訳わかんねぇ奴について行くっていうのも何かなぁ…。結局俺は戸惑いながらも、言われるままにおとなしくついて行った。

海岸からしばらく歩き、林を抜けて屋敷みたいなところにたどり着いた。いや、屋敷と言うよりこれはむしろ城だな。中に入ると使用人達が夜なのにせわしく動き回っていた。

「すまないがこの者に着るものを用意してやってくれ」

そう言うと使用人の一人が短く返事をすると奥に行ってしまった。しばらくすると先ほどの使用人が服を抱えて持って来た。

「もう捨てようと思っていたのですが、ちょうどよかったです」

取り出した服は明らかに貴族が着るような服で。捨てるにはもったいないくらい豪華だ。寒くて手がカタカタ震えたのと、複雑な作りで着るのに戸惑っていると使用人が手伝ってくれた。

「あ、ありがとうございます」

礼を述べると彼は軽く笑みを浮かべ足早にその場を後にした。どうやら捕まったわけじゃなさそうだ。着るものも手に入ったし。その時メイドがやって来た。

「ブレイブ様、お風呂の準備ができました」

「悪いな、今行く。お前も来い」

何だよ、さっきからえらそうにしやがって。にらみ上げるとその顔はどこかで見たことあるような…。でも思い出せず、言われるままについて行きバスルームへ。

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