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お呼ばれ

いざバレたとなるとさすがに焦る。相手にどう思われたのかかなり気になる。

ブレイブやムゼットは軽蔑しないと言ってくれたけど…エメルダちゃんは女の子だし男とは考え方が違うかもしれない。

「アズールさんって手品ができるんですか?」

あぁ、そうだよ…。俺は体が男になったり、女になったりする変人…って、あれ?

「私にだけでもこっそりタネ明かししてくださいませんか?」

何でそうなるんだよ?!いくら俺でもそんなナントカの伝説のナントカ姫みたいなことできないし!

でもまぁ、これでごまかせたっぽいな。

「エメルダ、そのくらいにしておけ。アズールが困っているだろ」

ブレイブ、ナイス!!

エメルダちゃんはぷぅっとかわいらしく頬をふくらましたけど、ブレイブが優しく微笑みかけるとにこにこと笑顔になった。

「そんなことよりごはん食べよっ。今日はエメルダがいるからいつもより豪華なんだよ」

いつも豪華だと思うのは俺だけ…?

ぼんやりしていると料理が次々に運ばれてきた。食べるのがもったいないくらい綺麗に盛られたサラダ。香ばしい独特の匂いを放つ鶏の丸焼き。

「パンはライ麦とバターロール、フランスパンがあります。ご希望ならワッフルもお作りいたしますが…?」

「あ、えと…。じゃあバターロールで」

「僕もそれで」

「かしこまりました。ブレイブ様とエメルダ様は何になさいますか?」

「何でもいい」

「もうっ!そんなこと言うと用意する方が困るのよ。…私たちはライ麦パンを用意してくださる?」

「かしこまりました。すぐにお持ちいたします」

今の俺にはパンよりも目の前の料理のことで頭がいっぱいだった。

一度あぶったような鶏肉が切り揃えられているのを見て、思わずよだれが出そうになる。スープも赤い色で食欲をそそる。テーブルの真ん中にはパンケーキが置いてあり、もうどれから手をつけていいかわからない。

そう思いつつパクっとパイを一口食べる。

「っんまい!!」

サクサクとしたパイの中にはスクランブルエッグとミートソースが入っていて、ソースの酸味がたまらない。たちまちたいらげてしまって、今度は焼豚に手をつけた。

色んな具が入っていてめちゃめちゃうまそう。

「僕それ好きだから置いといてよ?」

「ムゼットったらマリニエール風仔豚胸肉の詰めもの、相変わらず好きなのね」

「だってさ~…」

「心配しなくてもアズールさんはそんなに食べないわよ。ね、アズールさん?」

5枚目の焼豚を口に入れたときに声をかけられた。

「はぐっ…ぅん?…は、はいっ!」

食べることに夢中になりすぎた…。でもこんなにうまそうな料理が並んでたら仕方ねぇよ。それに腹だって減ってるし。でもけっこう満腹に近づいてきたな…。そう思っていたらちょうどデザートが運ばれてきた。

「パンナコッタです。ブルーベリーソースでお召し上がりください」

真っ白なプリンに紫色のソースがよく映える。一口食べると濃厚なミルクの味が広がる。しかし、それはブルーベリーソースの酸味のおかげで抑えられ、上品な味わいだった。

「うぅ~ん…うまい……」

はぁ…幸せ。

「あの、突然だけど…お願いがありますの」

エメルダちゃんがブレイブの服の裾をちょんちょんと引っ張った。

「みんなにも聞いてほしいの。…しばらくの間、アズールさんをお借りしてもいいかしら?」

「ぶーっ!!」

ムゼットがワインを盛大に吹く。

「うっ…げほっ、げほっ……」

俺ももうちょっとでむせるとこだった。なんてこと言い出すんだ。でも何でまた急に…?

「どういうことだ?」

少し苛立ちさを含んだ声。

「だから、アズールさんを私の家に招待したいの。それが無理ならずっとここにいるわ。お父様に何と言われようとも!」

エメルダちゃんの目は本気だった。

ひえ~!!楽しい食事の席が、一気にピリピリの空気になっちゃった…。

「何でそこまでしてアズールを家に招きたいんだ?」

「それは内緒よ。もしかして…嫉妬?」

まさかブレイブが嫉妬だなんて…。

「っ…」

って図星!?なんか意外だな…。

「それなら僕もついて行…」

「だーめ。ブレイブの誕生日のときにまたここへ来るからそれまでの間、ブレイブを頼むわね」

「…うん」

ムゼットはすごく不服そうな目で俺を見る。俺だって嬉しいけど、何でこうなったのかわからない。心当たりもない。

まさか、俺のこと好きになったとか?いやいや、でも、それは…。

「…準備しないの?」

「え?」

さっきまで拗ねていたムゼットがぽつりと呟いた。

「準備だよ。準備。はい、しに行こう!」

椅子から立ち上がり俺の腕を思いっきり引っ張る。

「ちょっ…待てって!」

「レッツゴー♪」

ああ…パンケーキまだ1つも食べてないのに…。ほどよく焼き色がついて、ふかふかとしていて、チョコチップが散りばめられていて。そのパンケーキが目の前から遠ざかっていく。

「俺のパンケーキ~!!」

今回は初めてご飯を詳しく出してみました!

図書館でフランス料理の本があったので、そこからいろいろと調べました。

友人から、なぜそんなものを借りるのか…と不思議に思われましたが(^_^;)




更新が遅いですが、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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