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ガールズトーク

昼ごはんが終わって、部屋で休憩を取っているとノック音。

「どうぞ」

入って来たのはエメルダちゃんだった。

やばい。胸の高鳴りが…。緊張する~。

「ご、ごごご…ごきげんよう。どのようなごよっ、ご用件で…おいでにならはったのでご、ございましょうか…?」

ああ、緊張しすぎて言葉がめちゃくちゃになっちゃった。きっと呆れられただろうなぁ…。

「ふふふ、おもしろい方ね。アズールさんって」

好感度Up!変な奴だって思われなくてよかった~。

「用ってほどじゃないんだけれど…。少しお話ししません?あなたの事、もっと知りたいし。……お忙しかったかしら?」

俺の事、もっと知りたい…だと?お、思ってたより展開が早いな…。

「俺……じゃなかった。わ、わたしもエメルダちゃんの事、いっぱい知りたいです!」

「それならよかったわ」

危なかった。つい、いつも通りに“俺”って言うところだった。

「アズールさんのご趣味って何ですの?」

「えっ?趣味、ですか?」

趣味か…。そういえば、今まであんまり考えた事なかったかな。

「歌を、歌うこと…かな?」

これくらいしか思いつかない。今度何か他の趣味見つけとこ。

「まあ、歌をお歌いに?素敵ですわね」

あっ、満更でもなかったみたい。

「私はバイオリンを弾くことですわ。小さい頃からずっと習っているの」

「へぇ…、すごいです……!」

バイオリンって気品溢れるよなぁ。でも何か堅苦しそう。それを今まで続けるなんてすごい。

「アズールさんって淡泊な方ね。あなたのような女性は初めてだわ」

いや、女性じゃないんだけど…。まあ、いいや。夜になったらわかるしな。

「あの、どういう意味ですか?」

「今まで私の前には気取った方しかいなかったの。私の事をちゃん付けで呼んだのもあなたが初めて」

今の話を聞いていると、お姫様の生活も楽じゃないようだ。それに、女の子っておしとやかで控えめな娘ばかりじゃないんだって事もわかった。

それからしばらく会話して、話題はブレイブの事になった。

「最近、ブレイブに何かあったかしら?」

さっきまでにこやかに話していたエメルダちゃんはどこへやら。真剣な顔をして、ため息をついていた。

「エメルダちゃんは婚約者ですよね?ブレイブの事を一番知っているのはエメルダちゃんだと思う」

「そう…なんですけれど…。会わない内にどこか感じが変わってしまったから」

ブレイブが変わった?一体どこが変わったと言うのだろうか。

「穏やかになったっていうか、優しくなったっていうか…。笑顔が増えたのよ。」

「いい変化じゃないですか」

「ええ。でも、どうして急にそうなったのか知りたくて…。もしかして他に誰か……」

エメルダちゃんは今にも泣きそうだ。俺が今男の姿だったら、抱きしめてあげたい。あいつなんかやめて俺にしろよ…って言いたい。

今の俺がそれをやると、ゆ、百合…的な事になっちゃうからやらないけど。

「ちょっと散歩でもしませんか?」

外の空気を吸えばきっと気分は晴れるはず。連日雨続きだった空も、今日は青さを取り戻していた。

「そうですわね」

エメルダちゃんはにっこり微笑んだ。

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