疑念
遅くなってすいませんm(_ _)m
※エメルダ視点です。
ブレイブには、ここに来たのはお父様と喧嘩した…と言ったけれどそれはただの口実。本当の目的はブレイブの様子を確認するため。こんなことしたくはなかったけれど、こうでもしないと不安で不安で夜も眠れないから。
「ブレイブっ!!」
ぎゅっと後ろから抱きしめると―――
「どうしたんだ?」
そう優しい声音で抱きしめ返してくれる。けれどそんな甘いひと時はつかの間…。ブレイブは私の肩を掴み押し離した。
「悪い。仕事が残ってるんだ」
そうやっていつもあなたは私を突き放す。仕事が忙しいのはわかってる。小さい頃に親を失ったあなたは今でこの国の重責を果たしてきたんですもの。
私のお父様も、小さいながらに一国を治める王。とても忙しそうに執務をし、疲れきった背中は今でもたまに見る事がある。
でも、…私だって女。愛する人に突き放されたら悲しい。側に居ないと寂しい。
「悪いな」
ふわっと優しく頭を撫でられた。
どうして?今までこんな事しなかったじゃない。どうして急に…。
「変わったわね…」
そうよ。あなたは変わった。優しくなった。それに…笑顔が増えた。
「どこがだ?」
あなたは気づいてないみたいだけど。
「いいえ、何でもないの。ごめんなさい。お仕事、頑張ってね」
話したい事はまだまだたくさんあった。だけど今から仕事をするんじゃ迷惑になってしまう。
なぜか心が重くなったけれど、きっと気のせい……よね。