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マスクを被ったヒーロー
「強みは何ですか?」
エントリーシートで面接で、決められたセリフが演じられるように質問された。記入したし答えてもいたけど結局のところそれが何なのかよくわかっていなかった。
強くなりたかった。昔から夜よく見ていた夢の一つにヒーローになっている夢があった。
そこには必ずヒロインがいた。同じく僕らを襲ってくる敵もいた。彼女を先に逃がし僕は敵の行く手を阻む。
ボタンを押しタッチすると違う姿になっていた。変身したことはないからその姿から見える景色や手を握ったときの感触は知らないけれど、視界が赤く染まった僕は負ける気がしなかった。
40回以上のその夢の中で、どれだけやられて傷を負っていても彼女を守ろうとした。
敵からの一撃を喰らい地面に膝をついている僕のところに彼女が駆け寄ってきた。
「大丈夫?」
「大丈夫」
大丈夫じゃないときでもそう言った。
勝てそうにないどんなに強大な敵でも最後は倒していた。
強さが欲しかった。誰も持っていない力が欲しかった。
夢の中では強くなっていた。そして、全ての想いは結ばれていた。




