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花ヨ、終焉ヲ告ゲヨ。  作者: 黒雨 のゆ
第十一章 中心に咲く
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第二幕 選ばれたのは

「…いつまでお喋りしてるの。」

最初に姿を現したのは、詠蓮。夜風に揺れる黒のマントと、揺るがぬ瞳をたたえて。

そして少し距離を置き、弥生と瑞稀も歩み寄り、その場に立つ。

続いて、夜斗と天綺、明。

その後ろからは、彼方、紗也、孤亜。

「……やっぱり、みんなも来ると思った。」

そして最後に、西から甘虎、唯人、埜楼。

全員が、柚木を中心に集まっていた。

組織クロユリの全員が揃った瞬間だった。


「……全員が、この場所に立ったのは、これが初めてかもしれないな」

夜斗が静かに呟く。天綺が微笑むと、明はつぶやいた。

「この“今”のために、ずっとずっと、おれたちは温めてきたんだろうな。」


「……“再会”だよ」

ぽつりと孤亜がつぶやいた。柚木の方を向いて。

その言葉に、柚木は目を見開く。


「……また、会えたんだね」

「紗也…良かった。」

「埜楼も、元気そうで良かった。」

微笑む紗也に涙を浮かべる埜楼。

そんな紗也と埜楼の背中を優しく見届ける唯人。

「…唯人も埜楼を見てくれてありがとうね。」

瑞稀が優しく微笑み、弥生が少し口角を上げ、何も言わず目を瞑る。

今までどれだけの悲しみ、辛いことを耐え、乗り越えてきたのだろう。


彼の脳裏に、一瞬、あの“最初の世界”の光景がフラッシュバックする。

黒い霧、ルシェルの覚醒、紗也の消滅___

そして、“ループ”を望んだ、あの瞬間。


「…ねぇ、そういえば、りん。さっきの会話は…?」

柚木は恐る恐る尋ねる。

「…後にわかる。」

触れないでくれと感じ取った柚木は、もう問うことはなかった。

するとセラテルが一歩、前に出た。

「柚木。このまま鍵を持ってルシェルのもとへ行けば、“結末”が始まるよ」

「……わかってる。」

「でも……前とは違う。今の君は、一人じゃない。違う時間を選び、違う仲間と絆を結んできた」


柚木は、深く頷いた。

「うん。今度こそ、終わらせたい。悲しみの、輪廻を。鍵を渡す相手は、ルシェルじゃない。俺は……ミカロスに渡す」


クロユリの面々がざわめいた。

瑞稀は柚木の肩に手を置き驚いたように見つめる。

「ミカロス様って……私たちが再生を望んでるんだよ?」

そして唯人が、顎に手を置き冷静に話す。

「でも、あの神は封印されてるはずじゃ。」

「待って、それってどういうこと……?」

紗也は、埜楼の隣から動かず小さな声で呟き、埜楼もその呟きに乗せてりんに問う。

「でも、ミカロス様はりんが見てるって…」

りんは微笑んで言った。

「……僕はずっとミカロス様の再生を待っていたが、その時は来なかった。でも、これでミカロス様が再生されるなら僕は本望だし、柚木がそうしたいなら、それでいいと思う」

その一言で、全員が沈黙する。

りんは一歩前へ出て、優しく言った。

「君が選ぶ未来なら、僕は信じる。

……たとえ、それがどんな結末を呼ぼうとも」


セラテルがそっと隣に立った。

「もう……迷わないね?」

「うん。今度こそ、最後まで信じ抜くよ」

(今度は――もう誰も、後悔させない)


「……行こう。私たちも、君と共に進む」

詠蓮と夜斗が、前へと一歩を踏み出す。


「僕たちは、もう後戻りしない。“罪”も“誤解”も、“失われた過去”も背負って――」

甘虎が続いた。

「君と出会って、変わったんだ。もう一度、未来を見たい」

彼方が柚木の肩を叩く。

すると。その瞬間、遠くから白い光に包まれた者が現れた。光が消えると、その中央に浮かぶように佇む顔のない猫

表情は分からないが、儚げな微笑みを浮かべているはず。


――ルシェル。


静かに柚木を見つめる。

「……ようこそ、運命の分岐点へ」

ルシェルの背後で、空間が震える。

あの“終焉”が、再び目を覚まそうとしていた。

「君たちの選んだ“未来”を見せて」

柚木は一歩、前に出る。


「見せてやるよ。……俺たちの、希望の答えを」


彼の背には、クロユリの仲間たち。

絶望を知り、それでも立ち上がった者たち。

――今度こそ、“願い”ではなく、“意志”で、世界を変える。

クロユリが集合したことにより、登場人物が多くなったため、次回からは誰が話したかわかるように台本調になります。ご了承ください。

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