最終幕 再会のリンドウ
地上に降り、燈都へ辿り着いた。
空には、立派な彩雲が現れていた。
そして、彼方は、柚木に歩み寄る。
彼方の背後には、ちゃんと孤亜と紗也がいた。
「ありがとう、柚木。紗也が目覚めたのは、君の意志の力だ。」
「救いたい。それだけだった」
「その強さがあれば、まだ歩けるよ。」
彼方の掌に、ひとつの小さな“鍵”が現れる。
それは、真ん中に赤い宝石を入っている花の形をしたものだった。
「___これは、君のものだ。未来を変える資格を持つ者へ。そして、新たなる一歩を踏み出す者へ。」
柚木は、鍵を静かに受け取る。
「柚木くん、本当にありがとう。ぼくを救い出してくれて。……今こうしてここに立っていられるのは君のおかげ。」
紗也は彼方の後ろからそう話した。
「柚木、良かった。本当に。」
セラテルは柚木の肩に手を置き肩を撫で下ろした。
孤亜は、いつものように木の上に登り、眺めていた。
「……柚木くんって一体何者…?超人みたいでかっこいいね。ボクも、いつか誰かを救えるようになりたいな。」
遠くを見つめながらそう呟く孤亜に、紗也は届くように、声を張った。
「孤亜くんは、充分救ってると思うよ。少なからず、ぼくは救われた。孤亜くんの快晴のような明るさにぼくは元気づけてもらえた。」
孤亜は木から飛び降り、紗也に笑いかけた。
「冗談言える程元気になったんだね〜。一安心っ」
「セラテル。柚木を頼んだ。ちゃんと案内し、中央地で落ち合おう。」
「任せて。この名において、軌道を照らし続けるよ。」
あとは東地方と北地方。
二人を包み込む足元から広がる淡い蒼光は、波紋のように揺らぎながら消えていく。
そして、柚木とセラテルは目を閉じる。
それと同時にクロユリの三人は声を合わせて空へと願った。
「雲たちの御加護があらんことを。」
耳元で響く波音が、妙に遠く、途切れ途切れだった。光が途切れた先は、静まり返った海辺の学園。




