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花ヨ、終焉ヲ告ゲヨ。  作者: 黒雨 のゆ
第三章 赦しが咲く時
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第二幕 試練は祈りの中に

学園の広場を抜けた先、光の差すドーム型の講堂に着いた。

彼との約束の時間になってもまだ、彼は現れない。

「……これも、試練なの、?」

何処からが試練なのか、疑心暗鬼になっていく柚木。

すると、奥から彼が姿を現した。


「僕の名は、瀬野甘虎(せの かとら)。この学園の頂点に立つものでもあり、西地方を指揮している者。そして、"再生の鍵"の守護者でもありクロユリの四方幹部。肩書きが多いから、とりあえずは鍵を持って居る四方幹部と覚えておくといいよ。」

今までの四方幹部とは違った優しい雰囲気の甘虎に柚木は警戒心を働かせる。そのことを知らない甘虎は、静かに話を始めた。

「ここには、君が求めている、三つめの鍵。またの名を"再生の鍵"が保管されている。でも、それを手にするには、君自身が試されなければならない。」

柚木の心が少しだけざわついた。

試される_____という言葉の裏に、ただならぬ重みが感じられたからだ。

「この学園は、"壊れてしまった者たち"が再び立ち上がるための場所。君には自分の内面と向き合ってもらう必要がある。この先を進むためにも。」

しばらくの沈黙が続く。

___甘虎はきっと、柚木に少しの時間を与えてくれたのだろう。その表情は何かを悟っているようだった。

そして、甘虎は続ける。


「試練を、受ける?」

すると、甘虎の後ろには2人が立っていた。

「こんにちは、柚木くん。俺は天鏡唯人(あまがみ ゆいと)。瀬野くんの副官。よろしくね。」

律儀に挨拶する彼の表情はただ柚木を歓迎するかのように優しかった。

「俺は、邾田埜楼(ちゆだ のろう)。唯人と同じ副官だ。」

埜楼と唯人のシンプルな黒布の肩には他の副官と同じようにそれぞれユリが飾られていた。だがそのユリは組織の名の通り、黒く塗られていた。そのユリはまるで四方幹部をより一層、格を倍増させる。


「埜楼と唯人は、ここでは見守る側にいてもらうよ。二人は、もう一度あの扉を開く必要はないから。」

柚木は思わず、埜楼と唯人の方を見る。

「俺たちはもう、十分試されたからな。」

埜楼がつぶやいたその言葉は淡々としていたが、重く深かった。

唯人は、ただ微笑んでいた。

「大丈夫。ここでの試練は、痛みじゃない。”本当に、前に進みたいかどうか”を、自分に問いかけるだけだよ。」

威圧感も何も感じないその2人の言葉に柚木は肩を落とす。

「____君たちは、クロユリの中でも優しいんだね。」

他のクロユリとは少し違うと感じた3人の雰囲気を素直に伝えた。

「ここの試練を乗り越えるか乗り越えられないかで僕たちは決めるから。他所の人でも身内でも差別はしないよ。」

甘虎は、迷うことなく言う。きっと、ずっと前からこうしてたのだろう。

「そう、俺たちは人を見た目で判断しない。ちゃんと中身……実力を見てから決めるからね」

「他所から来た者でも平等に受ける権利はあるからね。」

___他所者でも受け入れる、か。

柚木はその言葉を重く受け取る。

そして、甘虎の表情が変わり空気が重くなる。

「さぁ、君は乗り越えられるか。」

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