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01 プロローグ

33000文字ほどの短いお話となります。どうぞよろしくお願いします。

「それほどまで言うなら、私がいただきましょう!」


 王命で結ばれたとはいえ、自分の大切な婚約者を蔑ろにするなんて信じられない。傷つけて、貶めて、何が面白いのだろうか。何より、自国を侮辱されることに我慢ならなかった。


 獣人国の王女であるダイアナは、憤っていた。冷静ではいられなかった。気付いた時にはそう叫んでいたのだ。

 皆が驚きのあまり、呆然としていた。しかし、彼女は止まらない。


 その後も、相手の逃げ道を塞ぎ、追い込む。それくらい腹が立った。それに、結局は元の鞘に収まるだろうと思っていたのだ。

 ……それなのに。


 婚約者を不当に貶めていたアレクサンドラ王女と、その婚約者だったグレン=オーウェル侯爵令息、二人の婚約は、破棄されることとなった。

 まさかの展開である。

 王は、王女の我儘を簡単に聞き入れてしまったのだ。

 アレクサンドラはそれだけでは飽き足らず、すぐに獣人国へ行けとグレンに命じた。こんなものはもう国外追放と変わらない。


 だが、グレンは短時間で両親を説得し、獣人国へ行くと言った。ぜひ連れて行ってほしい、と。

 ダイアナは頭を抱えたが、身から出た錆とも言える。グレンの申し出を了承するしかなかった。


「オーウェル侯爵令息、あなたを我が国へお連れしましょう。いえ、私と一緒に来てくださいますね?」

「はい、喜んで」


 甘やかな笑みを浮かべ、グレンはダイアナの手を取り、恭しく甲に口づける。


 ど、ど、ど、どうしましょう! 侯爵令息を連れ帰ることになるなんて! とんでもないことをやってしまったわ……!


 心の中で、ダイアナは自らの行いに泡を食っていた。

いつも読んでくださってありがとうございます。

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