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5/29(木):ゴブリン

 昨日で目標金額を達成することができたから今日はダンジョン都市に向かうことにした。


 この際東京ダンジョンを攻略するのもいいかなと思ったがそれは輝夜が冒険者になった時に一緒に行こうと思ってやめた。


 やっぱりあの感動は輝夜と一緒に分かち合いたいからな。


『残り日数二十三日』


 ダンジョン都市に入らなくても残り日数は減っていくがそこまで気になりはしない。


 このダンジョン都市のカギが三十日間しか使えないとかであれば少し焦るけど再チャージすることができるからな。


 それにしてもこのチャージはダンジョン都市で手に入れた魔石からでもできるのだろうか。それなら千は軽く超えているから再チャージできる。


 魔石の違いはないからできるとは思うんだが……そこはやってみないと分からない。


「……あれ、出てこない」


 立体地図を展開してもこの場所は一切埋まることがなかった。しかも転移のマーキングをしようとしてもここだけはできなかった。


 まあ普通のダンジョンと違って上がっていくのではなくて横に移動するだけだから転移がなくても苦ではないか。


 十分な準備運動をしてから一気に駆けだす。今日はある程度メタルトータスを倒すことを考えている。


 チンアントやハイピジンみたいに集団で来るわけではないから時間がかかる。でも今日はまた次のエリアに行きたいと思っているから超級魔法を十個集めるとかはしない。また今度だ。


 スライムエリアを抜ける前にエリア全体に埋め尽くしているチンアントが見えた。


 手にしている剣王の魔剣で飛剣の太刀を繰り出す。


「おぉ……!」


 飛剣はATKで変わるが剣王の魔剣によってプラスされている分も相まって一気に五十体くらいのチンアントを殺すことができた。密集していることもあるだろうな。


 ……EXPを見た感じ、スキルのEXP超ブーストが付いていないようだった。つまりダンジョン都市では百倍、そこ以外では二百倍のEXPを得られるということか。でも効率はダンジョン都市だな。


「道を開けろ」


 一直線にハイピジンエリアへと進んでいく。移動に時間をかけたくないから一直線に走るのが一番早い。


 剣で対応できない場所は魔法で補いこれはもう魔法剣士と名乗っていいだろうと思いつつハイピジンエリアが見えた。


 こちらもまたハイピジンは立体的に埋め尽くされている様子が見て取れ普通の人ならここに入ることは躊躇するだろう。俺は違うからそのままスピードを緩めずに飛剣を飛ばして中に入る。


 ハイピジンエリアの方が数が多いけどこれだけ数が多ければハイピジンの速さも失われるから普段よりは怖くない。


 ハイピジンエリアを抜けたことでEXPボーナスエリアは終わった。レベルを上げるだけなら二つのエリアに滞在すればいいがそういうわけではないからな。


 それにしてもチンアントを二百体、ハイピジンを三百体くらいこのちょっとの時間で倒したぞ。マジでボーナスエリアだ。


「……多くなっているな」


 スライムエリアは特に顕著な増え方はしていないのにそれ以降のエリアは驚くほど数が増えている。


 メタルトータスエリアも後ろ二つのエリアほどではないが単体ではなく集団で存在している。でもメタルトータスがたくさんいたとしてもその硬さが大丈夫なら動きも遅いし大丈夫そうだ。


 今回のメタルトータスのドロップアイテムは最初だし満遍なく手に入れたい感じだな。でもまあ前二つよりかは出現数が少ないから時間がかかりそうだ。すべて百とかだったら一日かかるんだろうな。


「倒していけば増えるか……」


 倒していけば増え、レベルも上がってより倒す時間も短くなる。つまりは倒せば倒すほど時間の無駄がなくなるということだ。




「おっ、サーチが出た」


 五つを満遍なく出そうと思っていたが最後はおそらくドロップ率が一番低いサーチでようやく百個になった。


 合計で初級闇魔法×145、中級闇魔法×137、ゴブリン特効×128、硬化×119、切断×109、サーチ×100になった。


 ステータスはどんなものかワクワクして見る。


『新月学人

 Lv277

 HP(6127/6127)

 MP(1903/2213)

 ATK:3158(+520)

 DEF:1979

 AGI:2411

 DEX:1798

 RES:1691

 LUK:27117

 EXP(22676/37312)

 スキル

 スライム特化/剣士の心得/虫特化/虫特化/鳥特化/鳥特化/剣王凱旋/スライム超特化/虫超特化/鳥超特化/EXP超ブースト/亀特化

 アビリティ

 感知/属性付与/魔力操作/飛剣の太刀/貸力/立体地図

 魔法

 中級水魔法/初級水魔法/中級土魔法/初級土魔法/中級風魔法/初級風魔法/転移』


 もう少しですべてのステータス値が二千になりそうでニヤニヤしている。それにしてもRESはどういう状況で使うのだろうか。精神干渉とかか?


「よし」


 メタルトータスエリアで剣王の魔剣の耐久を回復させつつ遅めの昼休憩を済ませて残り二時間ほど残っているから次のエリアに向かうことにした。


 ここで昼食をとっているのはまたあの二つのエリアを超えないといけないと考えると少しだけ胸やけがするからだ。


 メタルトータスの時は好奇心が勝って亀特化を習得せずにエリアに突入してしまったが今回は相手はゴブリン。大丈夫だとは思うが念のためにゴブリン特効をゴブリン特化にしてから習得する。


 メタルトータスは今のところ集団で七体くらい行動しているくらいで多い印象はない。だからメタルトータスを無視してゴブリンエリアに向かった。


「お?」


 最初に遭遇したゴブリンたちは四体の集団だった。そして二体は剣、一体は弓矢、一体は杖を持っているパーティだった。


「くはっ! ゴブリンが全員武器を持ってる!」


 ゴブリンは人間のように武器を持つことは知っている。だがその個体を見ることがあまりないと言われていたからこうして全員が武器を持っていることに驚いて興奮しているわけだ。


 ゴブリンのパーティはすぐに前衛が前に出て後衛が俺を狙ってくる。


「合わせ技!」


 アーチャーゴブリンの矢にメイジゴブリンが炎の魔法を付与して飛ばしてきた。


 それを剣王の魔剣で弾いたところでソードゴブリンが突っ込んできた。だが関係なしに横一閃に飛剣を飛ばしてゴブリン四体を一気に殺した。


 これをした方が耐久の減りが1で済むんだよな。


 ゴブリン四体は全員がLv13だったから1300のEXPとランク2の魔石だけだった。


 数が増えるのならゴブリンの知能で軍隊並みになりそうだな。それはそれで面白そうだ。だってそれを倒せれば軍隊を相手にできるということなのだから。


「さぁ、何を落としてくれるんだ?」




「おいおい、面白すぎだろ!」


 今の状況は三つのゴブリンパーティに囲まれている状況だ。それでいて一つのゴブリンパーティにつき五体いる。


 統率もとれているし実質十五体のパーティで俺のことを狙いに来ている。しかも百体を超えてから俺が剣を使っているから遠距離を増やしてきている。


 まあそんなことは飛剣があるし魔法を使うから意味ないけど。


 今回のエリアはエリアごと俺を攻略しようとしているわけだ。くはっ! 全くこのダンジョン都市はマンネリ化させてくれないな!


 ゴブリンのドロップアイテムは七つで、初級火魔法、中級火魔法、虫特効、魔弾、属性付与、魔力譲渡、パーティ作成ととんでもないものが出た。


 でもその前にこいつらを片付けないことには見れない。


 とは言えレベル差があるわけだからどれだけ俺の攻略をしようとも限度がある。前衛にはタンクである盾を持ったゴブリンたちがいるけれどそんなこと関係なしに飛剣を放つ。


 このゴブリンたちが面白いところは次の場面だ。ある程度のゴブリンの犠牲は気にせず俺が飛剣を放った直後に死角から属性付与された矢を放ってくるのだ。


 しかも何度も試して対応しにくいところを突いてくる。だが対応しにくい場所であって対応できない場所ではない。


 剣王の魔剣で矢を受け止める。


「あっ、この魔剣って」


 確か剣王の魔剣には魔法を吸収して放出する効果があったはず。


『魔法吸収(100/100)

 魔法放出最大値』

「行けるな」


 ゴブリンの属性付与の矢でもできるようだがそれがどれくらいでマックスになるのかまでは見てなかった。


「魔法放出」


 残っているゴブリンに向け剣を振り下ろすと巨大なエネルギー砲が剣王の魔剣から放たれた。


「おっ……お、お、おぉっ……!」


 もう感動で感情がぐしゃぐしゃになりそうだった。


 こんなことができるのなら早くやっていれば良かった! 飛剣も飛剣で強いのだが斬撃を放つだけでは必殺技とは言えない。


 だからこうした必殺技を溜めてから放つことができるのは男のロマンだ。


「くはっ、もっと撃たせろ!」


 今の気分はもっと必殺技を放つことだからそのモチベーションでゴブリンを狩り尽くす。

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