表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
肉体強化系能力者の戦闘記  作者: ネイン
ホムンクルス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/65

第一七話 能力の系統

 ―――四月一七日。


 十月風成(とおつきふうせい)は『神戸特区能力所(とっくのうりょくじょ)』の正式な能力者として登録された。現在、風成は自室で筋力トレーニングを終え、就寝しようとしたところ、所長である(くすのき)瞬也(しゅんや)に呼ばれてトレーニングルームに居た。


 トレーニングルームには瞬也の他に金髪モヒカンの長髪(ちょうはつ)(しげる)、恰幅が良く風成がゴリラと見間違えた強力修(ごうりきおさむ)、そして不思議な雰囲気を醸し出している薄茶色眼の城ケ崎(じょうがさき)黒菜(くろな)が居た。


「もしかして、俺、皆と戦うんですか?」


 と風成が言った。


「いや、そうじゃないんだ。能力について説明しなきゃいけない事があるんだ」


 瞬也が答える。


「能力について?」

「うん、例えばだ。啓子君と君の違いはなんだ」

「え…………おっぱい?」

「えっ」


 茂と修は風成の発言を聞いて笑いながら喋る。


「ヒャハ、なに言ってんだぁ」

「ウホホ、風成殿、話聞いてたか?」


 なお、黒菜は真顔で風成を見ていた。


 少年は考え直した。


「……? 俺は炎を出せないけど、本条は出せる……みたいな?」


 瞬也は「そうそれが大きな違いだ」と答えた。


 瞬也は続いて説明した。


「君は……断定はできないけど肉体を強化している。そして、レイは生体電流を使って能力を行使している。君達のように自分自身の体を使って能力を行使する者を『変異系能力者』と言うんだ」

「あ、そういえば本条って炎そのものを生み出してるな」

「そう啓子君みたいに現象や物質を作り出す者達は『生成系能力者』、そして才華は人体を見ただけで損傷個所を発見出来る。よって、彼女は『感知系能力者』に属するんだ」

「へぇー」

「ちなみに俺も瑠那も生成系能力者だ」

「そういえば、まだ二人の能力を見た事ない気がする」

「今から見せよう、構えてくれ」


 風成は構えて、瞬也は右足を上げて地面を踏むと、


「【樹木生誕(じゅもくせいたん)】」


 瞬也が足を踏んだ辺りから芽が生えると成長して一秒足らずで二メートルの高さの樹木となった。


 風成は感嘆の声を上げる。


「おお!」

「もっと時間を掛ければ、大きな木も作れる」


と言って瞬也は生やした樹木に手を触れると樹木を縮んでいき芽に戻り消えていった。


「まるで、創造主」

「風成、構えを緩めない方がいいぞ」

「え? だって」

「これから攻撃する」


 攻撃と言われて風成は構えなおすと


「【幹飛(みきと)ばし】!」


 と瞬也は前方の何もない宙に手を振ると、木の幹部分のみが出現する。幹は切株の面を風成に向けて一直線に飛び出し、


「……っぐ!」


 風成は幹を真正面から両手で受け止めながら後方に一メートルずれ動いて止まった。


「手いたっ」


と言って幹を横に放り投げながら「瞬也さんも案外、滅茶苦茶やりますね」と言った。


「瑠那にもよく言われるよ」

「瑠那さんは確か水を作れて操れるんでしたっけ?」

「そうだ」


 風成は転がっている幹の上に座ると黒菜が反応した。


「うちも……座りたい、疲れた」

「いいよ」


 風成が了承すると、黒菜が横に座った。


 瞬也は風成に話を続ける。


「そして、ここに来てもらってる三人は生成系でも変異系や感知系の能力者でもないんだ」

「色んな能力があるんだな……城ケ崎って強いの?」

「戦えない……無理……ふざけないで」

「えぇ……そこまで言わなくても、じゃあ修さんと茂さんも戦えないのか?」

「あっしも茂も戦えるぞ」

「ん? って事は城ケ崎は修さんらと違う系統の能力って事? 分からなくなってきた」


 風成は頭を悩ませたが瞬也はすぐに答えた。


「三人とも一緒の系統だが、他の能力と比べると異質だ。本人ではなく顕在化(けんざいか)する物に依存する能力だからな」

「遣唐使に……依存する能力?」

「そんな事一言も言ってない……とりあえず、今から能力を行使してもらう」


 修と茂はお互いに横二メートルぐらいの間隔を空けて風成の前に立った。


「お! なんだ、俺とやるのか!」


 風成は勝手にテンションが上がり立ち上がると茂は口を開く。


「ふーせっち、よく見とけよ」

「ふーせっちはなんか違う」


 と風成が答えた後、茂の周囲に全長二五センチの白く細く短い物体が十個現れ、修の右手には斧の様な形をした白い物体が出現した。


「【短刀十刀・顕現たんとうじゅっとう・けんげん】」

「【戦斧・顕現(せんぷ・けんげん)】」


 と二人が言うと茂の周囲の白い物体はダガーナイフとして姿を現し茂を囲むように宙に浮いていた。一方、修は右手には金属製の柄手一メートル、斧身が六〇センチある斧があった。


「おおお! かっけぇぇえ!」


 風成が感嘆すると瞬也が口を開く。


「彼らの様な能力者を『顕在化系能力者』と言うんだ」

「じゃあ城ケ崎も?」


 黒菜は立ち上がり、


「見てて……【蒼鳥・顕現(そうちょう・けんげん)】」


 風成の目の前に大きな白い塊が現れると白い塊から体格は雀に近い、身長一八〇センチの蒼い鳥が出現した。


 風成は正直、びっくりして腰が抜けそうになったがみっともないので踏ん張った。


「おお、お、おお!」

「大丈夫? ……ごめん」

「さすがに目の前にこの大きさの鳥が現れるとびびるわぁ……」


 『ピーー! ピーー!』と蒼鳥は鳴きだし風成に顔を寄せて擦り付けた。


「うお、やたらと人懐っこいな こいつに名前ないの?」

「ペンタゴン……略してペンちゃん」

「なんか聞いたことある名前だな」

「これでこの能力所に居る人達の能力は分かっただろ」


 と瞬也が場を締めくくって解散しようとすると通路に繋がる扉が開き、開口一番、


「瞬也、その能力、必要な時以外ここで使うなと言っただろ」


 と言ったのは副所長の水菜瑠那(みずなるな)だった。


「そ、そうだったな」

「あのな、木の片付けが大変なんだ。地面に生やした木と違って中途半端に出した幹は消せないんだろ」

「あ、はい」

「大体、夜にやる事じゃないだろ」

「……へい」


 瞬也はチラッと風成達が居る方向を見たが、


「なっ! 居ない! 馬鹿な!」


 瑠那を恐れた皆は消えたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ