そしてこれからも
とある八王子のとある銭湯に嫁入りしたかなめが体験する不思議な不思議な物語。
今日もおかみさんのかなめはてんてこ舞いの一日を過ごすのだった。
「ごめんごめん、父さんがボイラーのバルブ間違えちゃって遅くなった」
「もう、守さん遅いですよ~」
わんわん!
キャンキャン!!
癒しを求める犬喫茶で久しぶりに守さんと待ち合わせをしていた。
お店の犬たちは守さんが来るとまるで自分のご主人様が帰って来たかのように飛びついて喜んでいる。
私はそんな光景を見ながら思わず笑ってしまった。
今日は「湯本銭湯」は月に数回の定休日。
なので守さんと久しぶりに八王子の街に出てショッピングをしたいと思っている。
でもボイラーの調整で守さんは午前中動けないとかで仕方なしに私だけ先におしゃれしてこの犬喫茶に来ていた。
守さんにプロポーズされてちょうど一年。
そんな事もあってここで待ち合わせしようという事になった。
「相変わらず守さんは大人気ですね~」
「はははは、でもこの子らは僕の犬夜叉の血に反応していただけだったんだ。僕も血が出てこの子らの言っている事が分かって今知ったよ」
「犬の言葉が分かるんですか!?」
「大体の意味だけどね」
そう言って守さんはにっこりと笑う。
そしてテーブルにまで来て座って以前もよく頼んでいたカプチーノを注文する。
「今日はこの後お昼ご飯食べて、それからかなめさんが見たがっていた服見て、それから映画だっけ?」
「うふふふふ、なんか結婚する前に戻ったみたいですね? あ、でも今日はあと一つ見たいお店があるんですよ」
「へぇ~、何処のお店?」
守さんがそう聞くので私はそのパンフレットを見せる。
と、守さんはそのパンフレットを見て大いに驚く。
「かなめさん! これって、もしかして!?」
「残念でした。まだ出来てませんよ~。でも今から赤ちゃんの服とか見ておいても好いでしょう?」
それを聞いて守さんはがっくりとする。
ちょっと悪戯が成功したので私は大満足。
残念そうにウェイトレスさんが持って来たカプチーノに口をつける守さんに私は乗り出してこっそりと言う。
「でも、守さんにもっと頑張ってもらえばすぐ出来ちゃうかもしれませんよ///////?」
「かなめさん////////」
ちょっと頬を赤らませる守さん。
私は大満足で言う。
「だって私は守さんのお嫁さんですからね~。何時でも準備万端ですよ?」
「じゃあ、今晩は寝かせない位に頑張らなくっちゃかな?」
「もう、守さんったら////////」
なんか最後にはやられちゃった感じだけど、今日はこれから楽しい夫婦デート。
私は守さんの手に抱き着いて楽しい一日を過ごすのだった。
「銭湯のおかみさん~物の怪銭湯奮闘記~」
―― 完 ――
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あとがき
はい、ここまで読んで下さった読者様、大変ありがとうございました!
嫁入り後のお話としてお送りしました現代ファンタジー「銭湯のおかみさん~物の怪銭湯奮闘記~」いかがだったでしょうか?
コンセプトは幸せな婚姻後のお嫁さんの生活と言う事で、異世界ファンタジーとかも考えたんですが、ここはちょっと趣向を変えて妖怪の住む八王子を舞台に銭湯に嫁ぐお嫁さんにと。
そんな訳で「銭湯のおかみさん~物の怪銭湯奮闘記~」はこれにておしまいです。
物語の性質上まだまだエピソードは広げられますが、当初予定通り四万文字くらいで。
サクッと読める中編ってのも良いですよね~。
皆様にもかなめたちの幸せな生活でほっこりしてもらえば幸いです。
それではまた、別の物語でお会いしましょう!
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*すみませんが、今後当分の間は土、日曜日の更新は停止させていただきます。
うちの嫁さんの父親が病院に行く事となり、介護等で忙しくなり小説を書いている時間が取れそうにありませんので。
ご理解の程、どうぞよろしくお願い致します。