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37 球場飯 ビール一杯800円


   37 球場飯 ビール一杯800円


「野球の魅力を説明してみろ」と、山田はシュルストロンに問いかけた。「どうして野球が人々の心を打つのか説明してみろ」


「それはッ! 素晴らしいからですッ!」と、シュルストロン。


「不十分」と、クレトン。


「そうだ!」と、山田は眉間にシワを寄せた。「どう素晴らしいのかを説明してみろ!」


「えっとですね……ッ! うーんッ!」と、シュルストロンは脳みそを絞る。


「潜入調査とかで野球の試合の1つや2つ見ただろ」と、山田。「なあシュルさん。その時どう思った? なにを感じた? どこに野球の面白さがあるのかって考えたか?」


「では!」と、シュルストロンが重い口を開いた。「野球はッ! 人々が集まって盛り上がってますッ!」


「他には?」と、山田。


「ご飯がおいしいですッ!」と、シュルストロン。


「もっと、もっと」と、山田は欲しがる。


「応援が楽しいですッ!」と、シュルストロン。


「感想、連続」と、クレトンが急かす。


「道具がカッコいいですッ! 制服がカッコいいですッ! 球場もカッコいいですッ! 建物に威厳がありますッ! 花火が上がりますッ! 踊る時間がありますッ! 

 球が時々ッ! 客席に飛んできてッ! 取ることができますッ! 商品がよく売れますッ! 

 年俸が高額ですッ! サッカーに対抗できる競技ですッ! あとご飯が美味しいですッ!」と、シュルストロンは矢継ぎ早に語った。「いかがでしょうかッ!? これが野球の魅力ですッ!」


「イカがもタコもあるか!」と、山田は速攻でダメ出しをした。「野球の魅力をなにも分かってないな!」


「なにがッ! どう分かってないって言えるんですかッ!?」と、シュルストロンは立ち上がった。


「たくさん言ったじゃないですかッ! 野球の魅力ッ! 舌を噛みそうになるぐらいッ! たくさん

あげましたよッ!」


「述べたこと全部が全部、野球とあんまり関係ねえんだよ!」と、山田も立ち上がった。「なんだよ! 盛り上がるとか! 応援が楽しいとか! サッカーに対抗できるとか! 

 それにご飯がおいしいってなんだ! 2回も言ってるぞ! ご飯がおいしいって! 試合についてなにも言及してないじゃないか!」


「飲食、優先」と、クレトン。


「恥ずかしながらッ!」と、シュルストロン。「我が帝国ッ! いやッ! 我が世界ではッ! 興行でのご飯はッ! せいぜい塩を振った豆ですッ! 

 興行であんなにも美味な食事は初めてですッ! 故にッ! 食ばかり言及するのは致し方ないことだと思いますッ!」


「食事、内容」と、クレトンは球場飯が気になった。


「……たしかッ!」と、シュルストロンは指折り数え始めた。「唐揚げッ! 焼き鳥ッ! 焼きそばッ! フランクフルトッ! アメリカンドッグッ! フライドポテトッ! サンドイッチッ! 

 うどんッ! そばッ! ラーメンッ!  ナチョチップッ! カレーッ! かき氷ッ! あと幕の内弁当ッ! 他にも色々と食べましたッ!」


「よくまあ、それだけ食べたな」と、山田はあきれた。「いったい何試合、見たらそれだけ食べられるんだ?」


「2試合ですッ!」と、シュルストロンはVサインを出した。


「食ってばっかりじゃねえか!」と、山田。「ロクに試合、見てないだろ! ずっと売店の辺りでウロウロしてたろ!」


「そうは言ってもッ! 美味しいからしょうがないじゃないですかッ!」と、シュルストロン。


「それは良かったねッ!」と、山田は皮肉交じりに少し怒った。「でもな! 野球場はレストランじゃなくて野球を観戦する場所なんだよ! 野球を見ろ! プレーを見ろ! 飯は二の次だ!」


「野球は攻守の交代がありますよねッ!」と、シュルストロンが素早く返す。


「そりゃあるよ!」と、山田。


「間が空くから食べてしまうじゃないですかッ! 野球の規則に問題があると思いますッ!」と、シュルストロンは屁理屈で責任転嫁した。

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