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35 どんぶり計画


   35 どんぶり計画


「では、このホストのような何かはどのように処理されますか?」と、スタッフのお兄さんはホストの出来損ないを抱えた。


「適当、適当」と、クレトンはパンケーキを頬張る。


「皆様も適当ということでよろしいでしょうか?」と、スタッフのお兄さん。


「裏道に置いとけばいいんじゃないか?」と、山田はたい焼きの尻尾をかじる。


「おまかせしますッ!」と、シュルストロンはパフェとたい焼きの二刀流。


「では店舗の裏の方に捨てておきますので。失礼しました」と、スタッフのお兄さんは帰った。


「それでさシュルさん」と、山田が切り出した。「青写真はできてるの?」


「何ですかッ!? 青写真ってッ!?」と、シュルストロンは言葉を上手く変換できてない。


「計画書」と、クレトンが言いかえた。


「ああッ! 計画書ですかッ!」と、シュルストロン。「……何の計画書ですかッ!?」


「プロ野球リーグ設立の計画書だよ!」と、山田は二個目のたい焼き。「若いんだからボケてんじゃねえぞ」


「もちろんありますッ!」と、シュルストロンは丸まった羊皮紙を1枚取り出した。「これですッ!」


「これだけ? ペラ1枚? しかも羊皮紙か」と、山田は目を細めた。「使いづらいだろこんなの」


「業者、癒着」と、クレトンは不満な表情。


「癒着か。あるあるだな。俺も昔、変なパソコン支給されたもんだ。……ちょっと待て。これ字が読めないぞ」と、山田は目を見開いた。

 羊皮紙に書かれていた文字はローマ字でもなければアラビア文字でもないミミズに似た記号のような何かだった。


「すみませんッ! 日本語訳してませんッ!」と、シュルストロンは頭を下げた。


「じゃあ読んでくれないか」と、山田は計画書を渡した。


「ではッ! 読ませていただきますッ!」と、シュルストロンは気合充分。「マツズーム帝国ッ! プロ野球リーグ設立ッ! 計画案ッ!」


「ついに詳細が聞けるな」と、山田は背筋を正した。


「マツズーム帝国ッ! 建国1000周年を記念しッ! 運動競技興行を開催しッ! 文明国としてッ! 世界に宣伝せんとするッ!」と、シュルストロン。「異世界においてッ! 

 野球は絶大な人気がありッ! マツズーム帝国にふさわしいものであるッ! ゆえにッ! プロ野球リーグ設立を4年以内に実現せんとするッ!」


「なるほど」と、山田があいづちを打つ。


「お分かりいただけたでしょうかッ!?」と、シュルストロンは笑った。


「何となくは分かった」と、山田。「だから続きを聞かせてくれ」


「……はいッ!?」と、シュルストロンが聞き返す。「続きですかッ!?」


「……えっ?」と、山田も聞き返す。「そうだよ。続きだよ」


「ありませんッ!」と、シュルストロン。「以上ですッ!」


「はっ!?」と、山田の口がポッカリ空いた。「……それだけ!? 冗談だろ!?」


「計画書は重要ではありませんッ! なんせッ! カネは腐るほどありますからッ!」と、シュルストロンは余裕を見せた。


「……予算、通過率、9割」と、クレトンは両手で指を9本、出した。

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