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29 ロックスターのマイクのアレ


   29 ロックスターのマイクのアレ


「こちらがお部屋となっております」と、スタッフのお兄さんが部屋のドアを開けた。「では、後ほどビーズクッションとシーシャをお持ちしますので」


「よろしくね。いや、しかし、これぞパーティールーム!」と、山田の気分が上がった。10数人は余裕で入りそうな広々空間。

 床は白と黒のチェッカーフラッグ柄のフカフカなクッションフロア。テーブルは指紋一つないピカピカのガラステーブル。

 壁は真っ赤に塗らていて、埋め込まれたLEDが色とりどりのグラデーションを放つ。そして奥には金、銀、銅のキラキラメタリックでできた特設ステージ。

 オマケにミラーボールが3個も付いている。


「これは陛下が喜びそうな部屋ですねッ!」と、シュルストロンはウキウキしながらパシャパシャ、スマホで写真を撮りだした。「記念式典の会場の参考になりますッ!」


「脚、無。不良品?」と、クレトンはステージに置いてあった脚の無いマイクスタンドをまじまじ見てた。


「おお! これは! 憧れのマイクスティック!」と、山田はマイクスティックを手に取った。「これ置いてあるとこ滅多にないんだよな。嬉しいなこれは」


「どう見ても不良品じゃないですかッ!」と、シュルストロン。「こんな下半分ポッキリ折れているじゃないですかッ!」


「半分しかないのが肝心なんだよ」と、山田はマイクスティックの先と根っこを持って、チャカチャカ歩いたり、ピョンピョン飛んだり、グルグル回ったり。ステージを縦横無尽にとにかく動きまくった。「どうだ。カッコいいマイクプレイができるだろ?」


「……動きを重視するならインカムでいいじゃないですかッ!」と、シュルストロン。「どう見ても棒がジャマですよッ!」


「……いやいや。この棒がいいんだって」と、山田はマイクスティックをブンブン振る。「ほら、カッコいいだろ? クレトンさんもそう思うだろ?」


「……棒、ムダ」と、クレトンの心にマイクスティックは響かなかった。


「ほらッ!」と、シュルストロン。「棒は必要ないんですッ! 棒がなければ腕が自由になりますよッ!」


「この……縛りの……制限のあるなかでの動きの美学って……あるだろ?」と山田。 


「……これが……ジェネレーション……ギャップ。ってやつ……なのか?」と、山田の気分は下がった。


「大丈夫ですッ! 年齢ではなくッ! 山さんの感性の問題ですからッ! 気にしないでくださいッ!」と、シュルストロンは気にしてしまう一言。


「……感性」と、山田はさらに気分が下がった。


「年齢、関係、無」と、クレトンがとどめ。


「……そう」と、山田から気分がなくなった。

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