28 二次会カラオケ
28 二次会カラオケ
「カラオケに着いたぞ!」と、山田は千鳥足で目的地に辿り着けてほっとした。
笑顔のマークが目印の〈カラオケ歌会場〉。フリータイムの料金は1000円ちょっと。おまけにソフトドリンク飲み放題。
アルコールを付けても1500円ぐらいとかなり安い。しかも今回はクレトンの会員アプリのおかげでお会計が20%オフ。
「アルコール飲み放題とソフトドリンク飲み放題。どっちにしようかな」と、山田は受付カウンターで苦悩していた。「飲みすぎたしソフトドリンクでもいいけど、せっかくアプリでお得だし、アルコールもイザって時の選択肢に欲しいな……」
「どっちでもいいですッ!」と、シュルストロンが急かす。「カネはありますからッ! 安心してくださいッ! 追加すればいいんですッ!」
「カネって言ったって金塊だろ」と、山田。「現金払いはできても金塊払いはできないんだから」
「甘味、甘味」と、クレトンも急かす。
「そうあせるなって。今日は空いてるからフリータイム大丈夫だから時間はたっぷりある」と、山田はまだ悩む。
「ちなみに何ですけど」と、スタッフのお兄さん。「アルコールメニューにはエナジードリンクのカクテルも含まれてますよ」
「じゃあそれで」と、山田の心はすぐ動いた。
「では、アルコール飲み放題プランですね。おタバコの方はいかがなされますか?」と、スタッフのお兄さん。
「そう言えば2人ってタバコ吸わないんだっけ? さっきも聞いたのに忘れちゃったよ」と、山田。
「普段からは吸ってませんッ!」と、シュルストロン。「晩餐会でたまに葉巻を付き合う程度ですッ!」
「葉巻、味見、不定期」と、クレトン。
「そんなもんか」と、山田。「かと言って俺も喫煙所の輪に入るときぐらいしか吸わないけどな。じゃあ禁煙ルームにしよっかな」
「もし、よろしければ只今キャンペーンをやっておりまして」と、スタッフのお兄さんがメニューを1枚を取り出した。「今ですね、喫煙ルームをお選びいただくと、おひとり様プラス500円でシーシャ、水タバコですね。体験できるんですよ」
「珍しいな」と、山田は思わず前のめりになった。「フレーバーは?」
「アップルにマンゴーなどスイーツフェアに合わせてフルーツ系を各種取り揃えております」と、スタッフのお兄さん。
「じゃあ3人前追加で」と、山田の心はまた動いた。
「何ですかッ!? そのシー何とかってタバコはッ!? 変なモノじゃないですよねッ!?」と、シュルストロンが疑う。
「合法?」と、クレトンも疑う。
「合法だから安心しろ」と、山田。「どう言えばいいかな。タバコを水蒸気で吸うんだよ。まあ見れば分かるから。お兄さん。味はとりあえずアップルでお願い」
「かしこまりました。それではお部屋の広さなんですけど、只今のお時間、空いておりまして、
おひとり様プラス200円でパーティールームにバージョンアップ可能なんですけど、いかがなされますか?」と、スタッフのお兄さん。
「別に3人だし、パーティールームは広すぎるかな」と、山田。
「今ならたクッションフロアが空いておりまして、さらにミラーボールとマイクスタンドも付いておりますが」と、スタッフのお兄さん。
「クッションフロア?」と、山田は喰いついた。「てことは寝転がれる?」
「もちろんです」と、スタッフのお兄さん。「ビーズクッションも人数分ご用意させていただきます」
「じゃあ、お願いします」と、山田はまた心が動いた。酔うと財布のヒモは緩むもの。




