「地球」と言う国にはピーマンが嫌いな子供が多いそうなので、これからピーマン星人が地球という国を破壊しに行きたいと思います。
※ピーマン星人の言語を地球人でもわかるように翻訳しています
「ここか」
「文明は発展しているだけ、壊すのは惜しいな」
「ここはピーマン嫌いが多いらしい。そんな星は要らないからな...」
3人のピーマンのような姿を見ての宇宙人は地球から少し離れたところでそんな話をしていた。
「さて、どのように破壊してやるかな...」
その目の先にあったのは青や白などの色がある、地球という星だった。
テレビをつけると、デフォルメされたピーマンのキャラクターが元気よく踊っている映像が映っていた。ピーマンに手足を生やし漫画のような目や口で時々決めポーズをしている。
「あ!ピーマスだ!!」
子供がテレビの中にうつっているそのキャラクターを指差しそう叫んだ。テレビの中のそのピーマンのキャラクターは「今日も元気にピーマン食べよう!!」と言った。
ピーマン嫌いな子供が多いのを改善しようとその市ではピーマン嫌いをなくそうとこのようなピーマスという名前のキャラを作ったのだった。
それが意外と好評で、一躍子供の人気者となった。
「ピーマスはピーマンを食べた子だけが会えるんだよ?」
「ええ?」
母親のその言葉にその子供は少しガッカリしたような表情になる。
「ピーマン食べれるようになろうね?そうすればピーマスもあってくれるよ」
「ほんと?」
「本当?」
母親のその言葉ににこやかな表情になり再びテレビにむかった。
次の日、子供とその親は買い物に出かけた。野菜売り場の山盛りのピーマンを見て、子供は顔をしかめる。
それを見て母親はこうささやいた。
「あと、聞いた話なんだけどピーマン嫌いな子にはピーマン星人っていうやつがきて攫っちゃうんだって」
「え?」
その言葉に子供は母親の方を向く。もちろんそんなものは母親が今思いついた事だが、小さな子供というのはそういう作り話でも間に受けてしまう。効果は抜群だったのか、小さく「ピーマン食べる」とつぶやいた。
「そうそう、食べればいいことあるし」
「ほんとう?」
「うん」
母親はにこやかな顔をし、カートを進めた。
「あそこにするか」
その一方、ピーマン星人たちの侵略は着実に進んでいた。とある屋上を見つけ、そこに降り立つ。
深夜ということもあって誰にも見られずに降り立つことができた。
「ここからピーマン光線を放てば人類は滅亡するわけだ」
「だが随分と発展してるな。ピーマン嫌いが多いだけ本当に残念だ」
「まあピーマン好まぬ奴に価値はない。さて、明日またここに集まって、決行だ」
「おう!!」
そう言うピーマン星人たちの近くに、「ピーマスふれあいコーナー」と書かれた看板が置いてあったが誰一人気づかなかった。
「わーここか!」
子供とその母親は、とある場所の屋上に来ていた。そこには看板があり「ピーマスとふれあいコーナー」と書かれていたのもうすでに大勢の子供がいる。
「ピーマスは?」
不満そうにそう言う子供に母親は優しくこう答えた。
「これまで我慢してピーマンを食べたからね、来てくれるよ。私はあっちにいるから、遊んできな」
「うん!」
子供は走って行き大勢いる子供のところに混じっていった。そして数秒後、子供たちの期待していたその瞬間がやってきた。
「あれ?こんなに地球人がいるとは聞いてないぞ?」
「まさか何処かから漏れて...!」
それはピーマスではなく、本物のピーマン星人だった。だが子供にはそんなことはお構いなし、歓声とともにピーマン星人に触り握手をした。
「あれ?地球人がはピーマンが嫌いなんじゃないのか?」
「おかしいな...」
「ピーマス!!」
子供たちのピーマスという謎の言葉に困惑してしまう。
「ピーマス?何を言ってるんだ?」
「と、とりあえずアレ、聞いてみましょうよ!!」
「そうだな」
ほかのピーマン星人と相談したのち、少し大きな声でこう叫んだ
「お前ら、ピーマンは好きか?」
「好き!!!」
どうやらどの家庭でも「ピーマンを好きにならなければピーマスに会えない」とかなんとか言われてたようで誰もがあり好きではないピーマンを好きと口を揃えて言った。
「どうやら我々は勘違いをしていたようだな」
「ああ」
「こんな星を破壊しようとしてたなんてな」
「我々は帰るとするか」
「それでは地球のみんな!さらばだ!」
ピーマン星人は一瞬にして消えていった。その光景を見ていたピーマスの着ぐるみを着た2人組の従業員はただそれを見ていた。
「先輩、俺ら以外にこの着ぐるみの仕事する人いましたっけ??」
「さあ?突然消えたし、もしかしたら本物のピーマスなのかもな」
「あははは!先輩!ピーマスなんて着ぐるみきた僕ら以外いませんよ!!」
「はは、だよな。さて、仕事行くぞ」
「はい!」
「ここが地球か....」
地球の遠く先の宇宙に一台の飛行物体が停滞していた。
「この星を破壊するのか。簡単な事だな!」
黄色く楕円形のそいつはそう笑みを浮かべた。すると仲間がこう口を出す。
「我々スブタップル星人が侵略するとも知らずにな」
スブタップルとは、酢豚に入っているパイナップルである。酢豚にパイナップルは賛否両論あり、嫌いな人が割と多い。作者は苦手だ。
「あそこの地球という星は、どうやら酢豚にパイナップルを入れないらしい」
「本当ですか?けしからん」
「そんな星には消えてもらわんければならないな....」