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魔法使いグラン  作者: グラン
序章
1/22

プロローグ


ベッドが一つ窓際に置かれた真っ白な病室。そのベッドの上に年老いたエルフが一人横たわっていた。

右腕は無く、ベッドの横には白銀の剣が一振り立てかけてある。刃こぼれし、輝きが失われつつあるそれは今の彼を体現しているようであった。


ふと廊下が騒がしくなった。

バタバタと駆ける足音が病室の前でぴたりと止まり、そして扉が勢いよく開いた。


「リアムおじいちゃん!! 元気にしてた?」


入ってきたのはどこと無く彼に似た少女のエルフ。

それまで退屈そうにしていた老エルフの目に光が戻った。


「よく来たのうエルザ。まだ昼じゃが学校はどうした?」


「学校は行く気分じゃ無いの! でも、お母さんたちには内緒にしててね! それより今日はどんなお話を聴かせてくれるの?」


少女は毎日彼の病室に足を運んでいた。もちろんただ彼が話す物語に耳を傾けに来た訳ではない。


「そうじゃな……今日はあれにしようかの。少し長くなるがよいか?」


「リアムおじいちゃんのお話はいつも面白いから大丈夫! 早く聴かせて!」


「そう急かすでない。時間はまだ……」


そう言いかけて止まる。

彼は自分に残された時間がもう少ないことを思い出した。


「まあよい。今日からは魔法使いグランの話をしよう。彼を知っておるか?」


「魔法使いグラン? 誰なの?」


「今は別の名で有名だからな……」


「えっ!? 誰、誰なの? 早く教えてよ!」


「それは話の最後だ。早々にオチを言ってしまっては面白くないからのう。とりあえず儂の話を聴きな。エルザは賢い子だから直にわかるじゃろう」


少女に微笑みかけ、そして昔に思いを馳せるかのように目を遠くに向けた。

そして静かに、でもどこか楽しげに語り出した。


「そうじゃな……確かあれは今から八百年程前じゃったかのう……ある山の麓で儂はあやつと出逢ったんじゃ……



開幕でーす。

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