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97 ファーストキスはキスの中でももてはやされてるが、それって相手もファーストキスでなければ意味ないんじゃないだろうか?と考え夜寝られなくなるヒロの巻



「ヒロ、お、き、て。」



宿屋の2階で寝ていたヒロは、耳元でささやく甘い声で目を覚ました。



顔を横に向けると、そこにはジュリの美しい顔があった。



「・・・何してるんですか、ジュリ様?」



ヒロは、何度か目を擦って夢ではないかと確認するが、夢ではなく、そこには確かにジュリの顔があった。



逆に顔を向けると、もうひとつのベッドで寝ているはずの白ウサギ族のミュミュの姿はすでになかった。



「せっかく起こしに来て上げたのにそんな冷たい言い方ないんじゃないの?」



「起こしに来てくれと頼んだ覚えはないんですが?・・ちょ、ちょっと、何しようとしてるんですか!」



ジュリは、ヒロにくちづけしようと顔をさらに近づけてきていた。



ベッドの反対側に急いで下りるヒロ。



「何って、女性の味を教えてあげようかと思って。」



ジュリの表情はいたって真面目だった。



「いりませんというか、むしろ断ります。」



ヒロの表情もいたって真面目だった。



「私からキスしてあげるなんて滅多にないのよ?」



「そうですね。一昨日レキエラさんにしているのを見たので、たった2日に1日の頻度しかありませんよね。」



「まったく、これだから童貞をこじらせると難しいのよね。はぁー。だったら、見返りはなしでいいのね。」



「童貞は風邪のようにこじらせたりはしませんし、難しくもありません。ただ、純粋なだけです。ところで、見返りって何ですか?」



「まあいいわ。急いで下におりてきてね。」



そう言うと、ジュリは部屋を出て行った。



ヒロは、何がなんだかわからなかったが、遅くなるとジュリが怒り出すのは目に見えていたので、仕方なく、急いで準備をして部屋を出て行った。



ヒロが、1階に下りると、冒険者組合のカウンターの中には何故かシーターが座っていた。



「何してるんですか、シーターさん。」



「あっ、ヒロちゃん。おはよう。」



「おはようございます。」



「私、今日から冒険者組合の受付で働くことになったの。」



「えっ、ついにジュリ様、受付クビになったんですか?」



ポカッと後ろから頭を殴られたヒロは、酒場の方を見るとジュリが立っていた。



「誰がクビになったのよ。元々、私は臨時のバイトだったのよ。ついでに言うと、宿屋の受付のバイトも猫族の子がやってくれるようになったから。」



「ジュリ様は、何するんですか?」



「私は、元の仕事だけに戻るわ。いいからこっちに来て。」



ジュリは、ヒロを引っ張り酒場のテーブルへと向かった。



そこには、エストラ男爵であるラインベルト・シュナイゼル・エストラとエルダ・リ・マルクーレとレキエラとルーベル爺がすでに座っていた。


登場人物


ヒロ・・・『パンプキン・サーカス』のメンバー。いろいろ拗らせている。


ジュリ・・・冒険者組合の受付と宿屋の受付のバイト。今回で元バイトになる。


ミュミュ・・・白ウサギ族。ヒロの婚約者と言われているが、本人がどう思っているかは不明である。


シーター・・・Cクラスの冒険者。アレクシス、ヒロとパーティーを組んでいる。


ラインベルト・シュナイゼル・エストラ男爵・・・12歳。いい子。一応、領主である。エルダに狙われている・・命ではなく貞操を。


エルダ・リ・マルクーレ・・・『パンプキン・サーカス』のメンバー。ショタである。ショタである。ショタである。それ以外は付属品。


レキエラ・・・元ホルメスト王国のレキエラ・ヴァン・ホーエンハイム将軍。鬼将軍の異名を持つ。凄い人であるはずなのだが、微妙に扱いが悪いキャラ。武器コレクターの一面を持つ。暇があるとヒロに珍しい武器をねだっている。


ルーベル爺・・・ラインベルトの執事。エストラ領をどうにかして守って行こうとしている人物。そのためには、手段を選ばない。結果、エルダからお金を巻き上げること多し。しかし、エルダ本人は、納得してると言うか、ルーベル爺のことを恋愛の師匠と思っているふしがあるのでオールOK。ただし、誰彼かまわずお金を巻き上げるわけではない。お金を巻き上げるのは、あくまでエストラ領の経営のためであり、そのためには使うことも厭わない。



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