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91 イグナーツ王の苦悩。


「ハハハハハハハハハハッ、聞いたか。あいつら、王位継承権を剥奪されたらしいぞ?笑いが止まらんな。」



王位継承権第5位の第5王子ゲルハルト・ギュンター・フォン・アリステーゼは、王城の中の自室で大声で笑っていた。



ゲルハルトの前には、お付きの騎士がひとり立っていた。



「おめでとうございます、ゲルハルト様。これで、ゲルハルト様が王位継承権第3位になられますね。」



「ああ、あと上は2人だけだ。ついに王座が見えてきたぞ。」



「はい。このアリステーゼ王国の王位に一番相応しいお方はゲルハルト様を除いて他にはいません。」



「そうだろう。やはり、あの時、父上は俺の高貴な言葉に感銘を受けられたのだ。馬鹿な奴らだ。平民の肩を持つから、自らが平民になってしまうのだ。ハハハハハハハハハハハ。しかも、聞いたか?」



「何で御座いましょう?」



「王位継承者が平民まで位を落とされたのは、アリステーゼ王国の歴史上初めてのことらしいぞ。ハハハハハハハハハハハ。笑いが止まらんな。実にあいつらにお似合いの処遇だ。」



コンコンッ。



その時、部屋をノックする音が聞こえ、ゲルハルトは「何だ?」と応えた。



「失礼致します。国王陛下より伝言をお預かりしております。」



「いいぞ。持って来い。」



国王の親衛隊の一人は、国王から預かった紙をゲルハルトへと直接渡すとすぐに部屋を出て行った。



「ついに、王位継承権3位ですね。」



ゲルハルト付きの騎士が、まるで自分のことのように喜んでいた。



「まあ、待て。まずは紙を読んでから喜ぼう。」



ゲルハルトは内容に目を通した。



「どうでしたか?」



「・・・・・・・・・・・。」



ゲルハルトの動きが止まった。



「あの・・・ゲルハルト様?」



ゲルハルトはゆっくりと座っていた椅子から立ち上がると、思いっきり目の前の執務をするための机を蹴り上げた。



ガシャンッと大きな音を上げて、机がひっくり返った。



「ど、どうされたのですか、ゲルハルト様!」



騎士は、必死にゲルハルトをなだめようとするが、ゲルハルトの怒りが収まることはなかった。



翌日、追加で発表された内容は、『王位継承権第5位 ゲルハルト・ギュンター・フォン・アリステーゼの王位継承権を今後、王位継承権第10位とする。』と書かれていた。



アリステーゼ王国建国以来、王位継承権保持者が2位以降いないにも関わらず、3位に上がることなく10位に下げられた初めての事例となった。



事実上の王位継承争いの脱落を意味していた。







「国王陛下、お水でもお持ち致しましょうか?」



自室のソファーで酒を飲んでいたイグナーツにヨハンが声を掛けた。



「いや、いい。それより、本当に余は正しかったと思うか?」



イグナーツは、ヨハンの方を見ずに尋ねた。



ヨハンは、イグナーツが珍しく酔われていると思ったが、今回の決断を思えば、お酒を飲みたくなるのも仕方がないと思っていた。



「はい、アリステーゼ王国のことを思えば、当然の御判断だったと思います。」



「ハハハハ、違うのだ、ヨハン、違うのだ。余は今回のことに対してはアリステーゼ王国の事などこれっぽっちも考えておらん。」



「それでは、何を考えておられたのでしょうか?」



「決まっておる。すべてはアリステーゼ王家の血が途絶えぬようにするためだ。しかも、起こるかわからない事態の備えとして、我が子達に屈辱を味あわせ、さらにいらぬ苦労をさせる。・・・まったく持って駄目な父親だ。」



「・・・。」



「幻滅したか、ヨハン?」



「いえ、幻滅はしておりません。・・・ただ、私にひとつ言えますことは、私も日々アリステーゼ王国のためでなく、イグナーツ国王陛下のためだけに尽くさせていただいております。それためなら、例え、我が子でも平気で見捨てる覚悟です。」



「・・・そうか・・・そうか。」



イグナーツは、それ以上、ヨハンに話しかけることはなかった。



アリステーゼ王国第99代国王イグナーツ・カミル・フォン・アリステーゼは、後の歴史書で類まれなる先見の明を持った賢王であったと記載されることになる。



しかし、それはまだ随分先の話であった。今はただ、自らの判断が正しかったのかを悩むしかイグナーツにできることはなかった。





というわけで、とりあえず、王家のプロローグ的な話はここまでで終わりです。


次からは、今回の2章のプロローグ的な話になります。ドワーフですって言っても別にドワーフ編ってほどでもないですけど。


だったら、何故、王家のプロローグ的な話を書いたかといいますと・・・何故だろう?


元々、2章は、次の話から書き始めていて、王家のプロローグ的な話は書いてなかったんですよね。


ここに入れるべきと何故か急に思い、書きました。疲れました。死ぬかと思いました。


たぶん、頭の中で今後出てくるメインストーリーの中でここに入れておかなければまずいと思い書いたと思うんですけど・・・本当にそうなるのかは、頭の中の神のみぞ知るです。


この小説は、いろんな人物がいろんなところでチョコチョコ騒ぎを起こす、巻き込まれるを書いていった方が面白く読んでいただけるのかなとちょっと思っていますので、これからも、チョコチョコいろいろな人物の話を入れていく予定です。まあ、いつも通り未定ですけど。



あと、ゲルハルトの王位継承権第10位に降格は、ただの嫌がらせではなくて、イグナーツ国王のお前、他の国に外交のために売り飛ばすぞ(他国で他国の王族と結婚しろ。もしくは、他国で人質になれ。)的な意味合いを持たせています。


要するに、王位継承権はあるが、王位には絶対つけなくて、他国に高く売るために王位継承権を残しているだけという状態です。


実際には、そういうことはあるのかないのか知りませんが、付加価値をつけている状態なだけです。


いずれ、どこかの国に名目は留学かなにかですが、実際はお互いの国の信頼関係を結ぶための人質みたいな状態で飛ばされる予定です。


一応、なんとなく、もし書くとしたらどういう話にしようかなって感じは持っていますが、完全に外伝になるので本当に書くかどうかはわかりません。


それ書いちゃうとゲルハルトいい奴っぽくなっちゃうので。


本当は、実際はいい奴キャラの予定だったんですけどね・・・。ミヒャエルのキャラが意外と自分の中で、はまったので、ゲルハルトは嫌な奴のままになりました。


というわけで、ここまで読んでくださって誠にありがとうございます。


まだまだ、続けますので、お暇な時にでも読んでくだされば幸いです。

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