81 『ヒロ』 衝撃のラストを見逃すな!今日あなたは歴史の証言者となる・・・。えっと他に何かカッコいい言葉あったっけかな?(タイトル詐欺発動中)
テーブルにつくヒロ、ジュリ、白ウサギ族の男性の3人。
冒険者組合には、次第にこの町の冒険者達も集まってきていた。
「それで確認させてもらうが、仕事は何をしているんだ。」
「し、仕事ですか?」
「そうだ。結婚相手に何の仕事を聞くのは当然だろう。」
「ヒロ、答えなさい。」
ジュリは、超真剣な表情を作ってはいたが、絶対に心で笑っているのはヒロには確信できた。
「・・・冒険者です。」
「クラスは?」
「Eクラスです。」
「Eクラス!まだ初心者もいいところじゃないか!その程度でミュミュを養えると思っているのか?あいつの食い意地と言ったら、求婚者が泣きながら断りを入れてくるほどなんだぞ。そのために俺が今までアイツの食事の用意でどれだけ苦労してきたか・・・。俺は、早く解放されたいんだよ。」
白ウサギ族の男は、少し泣きそうになっていた。
「・・・何か、話が変わってませんか?」
ヒロはジュリを見たが、「セーフ。」というジュリの言葉で続行された。
「仕事は仕方ない。それなら資産はどれくらいあるんだ。」
「資産ですか?」
「そうだ。貯金とかだ。」
「金貨10枚以上はとりあえず持っていますけど。」
ヒロの持っている金額は、アレクシスとシーターと狩りに行ったりしていたおかげで、それほど当初の金額から減ってはいなかった。
「ちなみに、ヒロが本気で稼ごうと思ったら、今すぐにでも白金貨100枚は軽く稼げるわよ。」
ジュリは、ヒロの持っている『とめどない強欲の指輪』のことを言っているのだ。この指輪は、この世界では非常にレアで低く見積もっても国宝級はくだらないとジュリは見ていた。
「白金貨100枚・・・。」
白ウサギ族の男が絶句した。
「そうなんですか?」
「そうよ。」
ヒロは、よくわからなかったので、ジュリに確認した。
「・・・ヒロと言ったか。」
「はい。」
「妹を・・・妹をよろしく頼むぞ。」
白ウサギ族の男は、大粒の涙を流しながら、ヒロの肩を叩いて喜んでいた。
「えっ?」
「やったぞー。これで俺は、妹から解放される。妹の大食いのせいで、常に狩りに出なければいけない毎日。デートはおろか、彼女を作ることもできない。ようやく俺は地獄のような毎日から解放されるのだ。やったぞー。俺は自由だぁー。」
白ウサギ族の男は両手を高々と上げて叫んだ。
「「「おめでとう。わぁーパチパチパチ。」」」
いつの間にか10人近くなった冒険者達が、拍手を送った。冒険者の中にはシーターもいて、涙を流しながら拍手をしていた。
「おめでとう、ヒロ。ついに童貞から開放されるのね。」
ジュリが笑顔でヒロの肩に手を置いた。
「そもそも、童貞って開放されるとかいうものなんですかね?」
じとっとした目でジュリを見るヒロ。
「でも・・・お兄ちゃん、変態だけど、相手の人は平気なのかな?」
話を聞いていたらしいメグが呟いた。
「「「確かに・・・。」」」
冒険者達の声がハモッた。
「確かにじゃないですよ。いつ、俺が変態って認識になったんですか。俺への認識は童貞でしょ?」
「ついに自分で認めてしまったのね。」
ジュリが悲しそうな目でヒロを見ていた。
「安心しろ。多少の変態でも金さえ持っていれば、俺は結婚を認めるぞ。」
「まったくうれしくないんですが?」
「何を騒いでいるのですか?食事の時間ですか?いっぱい食べていいですか?むしろ、限界に挑戦してもOKな感じですか?」
ミュミュが今起きたのか、目を擦りながら階段を下りて、ヒロ達の方へ歩いてきた。
「おう、ミュミュ。昨日はお手柄だったな。お兄ちゃんはお前の行動を誇りに思うぞ。」
「何を言ってるですか?相変わらず、意味不明な兄です。」
ミュミュは、ミュミュの兄の座る席の隣に座った。
「とりあえず、全メニュー持って来てくださいです。」
「おう、好きなだけ頼め、ミュミュ。お前の結婚相手は、お金持ちだからな。」
うんうんと何度も首を縦に振っているミュミュの兄。
「・・・ところで、ミュミュさんは、何で俺の部屋の俺の寝ているベッドで寝ていたんですか?」
「そうなんですよ。家が分からなくて困ったですよ。そこに優しいお兄さんが通りかかったので、後ろをついていって、ひと夜の宿を借りようと思ったですよ。そしたら、優しいカウンターのお姉さんが合鍵をくれたので部屋に入って、さすがに違うベッドを汚すのは悪いと思ったので、一緒のベッドで寝ました。」
「・・・どうせ、勝手に入ってくるんなら、最後まで自分勝手に空いてるベッドで寝て欲しかったな・・・。」
そうしてくれれば、こんな騒ぎに巻き込まれることはなかったろうとヒロは残念そうに呟いた。
「まあ、もういいじゃないか。俺は、昨日から寝てないから、ここで失礼するよ。末永くお幸せにな。あっ、結婚式とか呼ばないでいいから。」
そう言うと、まさに脱兎のごとく出て行った。
「・・・ヒロ、あの白ウサギ、今住んでいる家の場所も自分の名前さえ名乗らずに逃げたわね。」
「・・・ですね。」
「お腹減りましたねー。まだですかねー。すぐですかねー。」
ミュミュは兄がいなくなったことなど気にする様子を見せずに厨房の方を見ていた。
「・・・私が言うのもなんだけど・・・頑張って。」
ジュリは、冒険者組合のカウンターに戻っていった。
「・・・どうして・・・こうなった。」
ヒロはそれしか言えなかった。
というわけで、活動報告にも書きましたが、ここまでが1章にあたる部分になります。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
主人公クラスが一杯いるせいでストーリーが進まないですいません。
明日から載せ始める2章はもっと登場人物増えるので、もっと進まなくなるかもしれませんが、そうなったらすいません。
あと、明日は少しまとめて投稿するつもりですが、明後日以降は1日1回、もしくは数日おきに1回にするかもれしませんので御容赦ください。




