80 『ヒロ』 真綿で絞め殺すようにじっくりと嬲りつくすのが私の趣味なのと告白されたら、あなたはどうしますか?答えは、「ヒロ、逃げてー」です。
「遅かったわね。」
冒険者組合の建物に入ると受付にいつものようにジュリがいた。
ヒロは、あの後1人で片付けもやっていたので遅くなったのだ。
「何か・・・もの凄く精神的に疲れました。」
ヒロは部屋の鍵を受け取ると真っ直ぐに部屋へと向かい、部屋に入るとそのままお風呂にも入ることなしにベッドへと倒れこんだ。
そして、すぐにヒロは深い眠りへとついた。
翌朝、早くにヒロは目が覚めた。
「う~ん。よく寝た。」
ヒロは寝たまま大きく腕を広げ伸びをした。
その腕に何かポニョポニョしたものが当たった。
「んっ?」
腕の下には何故かヒロの横に寝ている女性の豊満な胸があった。
「・・・・・・・。」
ヒロはゆっくりとベッドから降りて、足音を立てないように歩き、音を立てないようにドアを開けて、ゆっくりと閉めた後で、ドタドタドタッともの凄い勢いで階段を下りていった。
「ジュリ様、大変です。」
「何よ、朝っぱらから、白いものでもパンツについていたの?それはね、むせ・・。」
「朝から何言ってるんですか!」
ヒロはジュリに最後まで言わせなかった。
「朝からって、朝だから言ってるんじゃないの。それで何があったのよ?」
「実は、俺の隣で女性が寝てたんです。」
「・・・ああ、それでパンツが白くなっていたのね。」
「夢じゃありませんし、パンツも白くなっていません。」
「ヒロお兄ちゃん、きもい。」
ヒロの後ろには朝食の手伝いに来たらしいメグが立っていた。
メグは軽蔑の眼差しをヒロへと向けていた。
「あら、良かったわね、ヒロ。少女に侮蔑の眼差しを向けられるなんて、ヒロの性癖からしたら御褒美でしょ?」
「俺の性癖にそんな要素含まれていません。むしろ、純真無垢な少女には尊敬の眼差しで見て欲しいです。」
「安心して。ヒロの一生にそんな要素が訪れることは絶対にないから。」
「・・・。」
「・・・。」
見つめ合うヒロとジュリ、そんな二人の視線は両方共に真剣だった。
「お父さん、やっぱりヒロお兄ちゃん、お父さんの言っていた通り変態だったよ。」
メグの声を聞き、ヒロの瞳から一粒の涙が出てきた。
ヒロは、強く生きるんだヒロと言う言葉が聞こえた気がした。
ヒロにしか聞こえない言葉だったが。
「そ、そんなことより、俺の部屋に知らない女性がいて、俺の隣で寝ていたんですよ。」
「まったく、まだ言うの、ヒロ。だから、それは夢だっ・・・・あっ、そう言えば、昨日の夜、ヒロを尋ねて女の子が来たから、ヒロの部屋の合鍵渡したわね。」
ジュリは思い出したように手を叩いた。
「なるほど。だから、俺の部屋に女の子がいたんですねって、ちょっと待ってください。何で俺の了解を得ないで勝手に合鍵を渡すんですか?」
「ちょっと待って、ヒロ。何で私が責められなければいけないのかしら?むしろ、褒められる行為だと思うのだけど?」
「むしろ、何故褒められると思ったのかを俺が問い質したい気分ですが?」
睨み合うヒロとジュリ。
そんな一触即発の状態の中、1人の白ウサギ族の男が冒険者組合の建物に入ってきた。
「ちょっと、聞きたいんだけどいいかな?」
「ちょっと待ってね。」
ジュリに睨まれ、ヒロは仕方なく冒険者組合のカウンターの前から離れた。
「何かしら?」
「人を探しているんだけど、昨日から姿が見えないんだ。」
白ウサギ族の男は徹夜で探していたのだろう、酷く疲れている様子だった。
「依頼ってわけではないわよね。」
「申し訳ない。依頼しようにも依頼できるだけのお金を持っていないんだ。」
「そう。・・・しょうがないわね。冒険者達に目撃情報だけは聞いてあげるから、いなくなった人の特徴を教えてくれる?」
「ああ、白ウサギ族の女性で特徴は、白ウサギ族にしては全体的にふっくらとしていて胸が大きい。あと、もの凄い大食いだ。」
「「あっ」」
ヒロとジュリが同時に声を上げた。
「どこかで見たのか?」
白ウサギ族の男は、ヒロとジュリを交互に見た。
「俺は、昨日、豚汁を配っていたんですが、その時の最後の白ウサギ族の女性がそんな特徴だったと思いますけど。確か名前はミュミュだったような。」
「そいつだ。」
「俺が見たのは、この町に入っていくところが最後でしたけど。」
「そうか。やはりこの町にはいるんだな。」
「私が最後に見たのは、昨日の夜、ヒロがこの建物に帰って来てからちょっと後ね。」
「それで?」
「このカウンターを訪ねてきて、今入っていった男は、ここに泊まっているのかというから、ヒロの部屋の合鍵を渡して、用があるなら直接尋ねればって言ったっきり見てないわね。」
「なるほど・・・って、じゃあミュミュはそのヒロって男の部屋に行ったっきりなのか!」
白ウサギ族の男の顔が青ざめた。
「・・・そう言えば、ヒロ、女性と一緒に寝たって言ってたわよね、今。」
ジュリの顔が、獲物を見つけた動物が舌なめずりする表情に変わったように見えた。
「お前がヒロかぁ!」
白ウサギ族の男は、ヒロの胸倉を掴んだ。
「ちょ、ちょっと、待ってください。」
「何を待つんだ。子供が出来るまで待てとでも言うつもりか!」
「そう言えば、ヒロ、さっき純真無垢な子供がいいなって言ってたわよね?」
「きーさーまー、ミュミュを犯しておきながら、純真無垢な子供が欲しいだと!どの口がそんなことを言っているんだ!」
「だから、ちょっと落ち着いてください。」
必死に白ウサギ族の男を落ち着かせようとするが、白ウサギ族の男は聞く耳を持たなかった。
「こうなれば仕方ない。責任は取ってくれるんだろうな。」
白ウサギ族の男の目は据わっていた。
「せ、責任?」
「そうだ。ミュミュを傷物にしておきながら、責任を取れないとは言わせないぞ。」
「まあまあ、ちょっと落ち着いて、あなた達。このカウンターの前で話していても埒があかないから、あっちのテーブルで話しましょ。」
ジュリの目は明らかに面白がっていた。
ごめんなさい。深夜に投稿した活動報告間違っていました。
もう1回分あります。
次は今日4月21日昼12時に予約投稿しておきます。




