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ギルド『パンプキン・サーカス』の異世界冒険譚 ~亡国の英雄達 異世界に降臨す~  作者: 蒼樹比呂
第一章 ギルド『パンプキン・サーカス』
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60 『ヒロ・エルダ』 ついに邂逅の時が訪れる。今、世界は変革の時を迎えた。この世界に訪れる新たな時代が今始まる・・・といいなぁーなんて。


レキエラの笑いの衝動も収まり、しばらくして、3人連れが入ってきた。



ヒロには初めて見る顔だったが、ラインベルトとルーベル爺とエルダだった。



「こっちよ。」



ジュリは、レキエラと共にヒロの横の席を立ち、もといた席に戻り、3人のために席を空けた。



ヒロもグンゾウの側に移り、テーブルの同じ側に3人が座れるように席を移動した。



「皆さんが今日ここでレキエラ将軍達の歓迎会を開くと聞いたので来てしまいました。」



ラインベルトが、少し恥ずかしそうにしながら、ヒロとグンゾウの対面の席に座り、その両隣にルーベル爺とエルダも座った。



ヒロの後ろから、ジュリが小声で、「エストラ男爵様よ。」と教えてくれたが、ヒロにしたら最初はルーベル爺の方がエストラ男爵と勘違いをしていた。



「初めまして。冒険者のヒロです。」



ヒロは、とりあえず挨拶をした。貴族というものをレキエラ以外見たことがないとヒロは思っているため、どう挨拶をすればいいのか迷ったが、酒の席ではあるし、最低限の礼儀さえ守っておけばいいかと判断した。



「あっ、初めまして。僕が、ラインベルト・シュナイゼル・エストラ男爵です。」



目の前の少年が、エストラ男爵を名乗ったのでヒロは驚いていたが、それを表情に出すことなくエストラ男爵が差し出してきた手を握って握手をした。本来、ここまで腰の低い貴族はいないのだが、他の貴族を知らないと思っているヒロは疑問を抱かなかった。



「ラインベルト様の執事のルーベルと申します。」



「ラインベルトの騎士、エルダだ。」



ヒロは、ルーベル爺とエルダとも握手を交わした。



エルダの瞳の色を見て、黒色だったため驚いた。ヒロがこの世界に来て以来、自分以外に黒色の目をした人に会ったことがなかったからだ。



てっきり、この世界の人間は、青色など、白人のような目の色をした人だけと思っていたのだ。



「ヒロさんは、どこから来られたのですか?」



ラインベルトは、現在エストに300人ぐらいしか住人がいないため、全員の顔を覚えていた。そのため、ヒロが別の町から来たということに気付いていたのだ。



「ヒロちゃんは、かわいそうーな子なのよ、ラインちゃん。」



酔っ払ったシーターが、ヒロが答える前にヒロの隣の席に座り話し始めた。



ヒロが、どこかから魔法によって飛ばされてきたことを説明してくれた。



「それは、大変だったのですね。」



ラインベルトの目には、少し涙が浮かんでいた。ラインベルトはとにかく泣き虫なのだ。



「・・・どこかで聞いたような話ですが?」



ルーベル爺は、シーターの話を聞いてエルダを見ていた。



「ラインベルトの泣き顔はいつみても素晴らしいな・・・。」



エルダは、シーターの話などまったく聞かずにラインベルトだけを見ていた。



「あの、ヒロ様とおっしゃいましたか。エルダ・リ・マルクーレという人物に心当たりはありませんかな?」



ルーベル爺の言葉にヒロは少し考え込んだ。



「ああ、そう言えば、俺のいたギルドのエルダさんがそんな名前だったような気が。」



「知っているのですか?」



ルーベル爺ではなくラインベルトがヒロの言葉に驚いて椅子から立ち上がった。



「たぶんですが。それで、領主様はその人のことを知っているのですか?」



ヒロの言葉に、ラインベルトとルーベル爺は、エルダを見た。



そして、ヒロもその視線に釣られるようにエルダを見た。



「そういえば、こちらのエルダさんも同じエルダという名前ですね。でも、俺の知っているエルダは、本名は別だと思いますよ。」



ヒロは、エルダが、本名もエルダということを知らないため、まったく気がつかなかった。



その時、ようやく自分の話題に気付いたエルダがヒロを見た。



「ほう、私とは別のエルダを知っているのか、少年。」



エルダの趣味は、金髪の少年であるため、現在15歳の黒髪少年であるヒロにはエルダのショタ触手は動かなかった。



「はい、エルダさん。」



エルダの言葉に丁寧に頷くヒロ。



「それは、私のようにさぞ立派な人物なのだろう。」



「いや、立派と言うか、犯罪者予備軍というか・・・。」



「なんだ、そっちのエルダは、そんな悪い奴なのか。私の前に現れたら、私が成敗してやるのだがな。」



エルダは、当然自分のこととは気付いていない。



「ちなみに、そちらのエルダ様はどういう人物なのですか?例えば、年の若い少年が好きとかの特徴はございませんか?」



ルーベル爺の言葉にヒロは驚き、「凄いですね、ルーベルさん。その通りです。もしかして、どこかであったことがあるのですか?」



再び、エルダに視線を向けるルーベル爺。その視線を追って、ヒロもエルダを見た。



「・・・もしかして、『パンプキン・サーカス』ってギルド知ってますか?」



「知ってるも何も、私がその『パンプキン・サーカス』の『エルダ・リ・マルクーレ』だ。当然、『パンプキン・サーカス』を知っている。」



「・・・『パンプキン・サーカス』のギルドマスターの名は?」



「『ほっかほっかのかぼちゃ』だ。」



「・・・。」



「・・・。」



「何してるんですか、エルダさん!」



ヒロは椅子から立ち上がって叫んだ。



「ん・・・ヒロ・・・ヒロ・・・もしかして、『ヒロリン』・・・か?」



「そうですよ。『金庫番』の『ヒロリン』ですよ。」



エルダも椅子から立ち上がり、驚いた表情をしていた。

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