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ギルド『パンプキン・サーカス』の異世界冒険譚 ~亡国の英雄達 異世界に降臨す~  作者: 蒼樹比呂
第一章 ギルド『パンプキン・サーカス』
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53 『エルダ』 私がどんなに嫌われても構いません。領地が守れるのであれば・・・。(伝説の領主付き執事 ルーベル著 「金こそすべて」)【絶賛発売中】



ラインベルトとエルダがエストに戻ってから、1人エストの住人が増えていた。



名前は、グンゾウ。エルダがサイラスで行った武器屋にいたドワーフだった。



グンゾウは、エルダ達がエストに帰った2日後にエルダを尋ねてきて、弟子入りを願い出ていた。



「頼む。お主の秘術をワシに教えてくれ。」



目の前に土下座をするグンゾウにエルダはどうするべきか迷っていたが、ルーベル爺の「いいではありませんか。現在、エストには鍛冶屋がおりません。街で鍛冶屋をやって貰うのと引き換えに弟子にしてさしあげれば・・・あくまでこのルーベルめの推測ですが、きっとラインベルト様も大変お喜びになるのではないかと思います。」の言葉でしぶしぶ受け入れた。



エルダにしたら、あくまでゲーム内で鍛冶をしたことがあるだけで、実際にやったことがあるわけではない。



自分に本当に鍛冶ができるのかわからない状況で、弟子を取っていいものか不安もあった。



しかし、グンゾウの目の前で試しにグンゾウが背負っているハンマーに鍛冶スキル『リング化』を使ってみたところ、うまくリング化することができた。



それを見たグンゾウは、「お願いじゃあー、今すぐ教えてくれ。」とエルダに迫ったが、エルダのグンゾウの態度に引く視線を見たルーベル爺の「師匠の技術をすぐに手取り足取り教えてもらえるというのは、間違いではないかと思うのですが?」と言う疑問に、「それもそうじゃ。」とグンゾウは素直に引き下がった。



そして、「とりあえず、弟子にするというのは決まりとして、弟子というのは、師匠の技術を盗むものと聞きますので、弟子としてエルダ様から得られる最低限の教えとして、エルダ様は騎士としての仕事が現在本業で忙しいですので、1週間に1回リング化の秘術を見せてもらうというのはいかがでしょうか?それ以外は、幸いにもエストは現在空家が多くあります。その中に鍛冶屋の工房だった家もございますので、そこで日々修行をされてはいかがですか?家賃もお安く致しますので。」というルーベル爺の忠告で、現在、エストで鍛冶に励んでいた。



ちなみに、このエストでは、家や商店は、値段は家の大きさや場所によって異なるが、全部家賃制である。



これには裏話があるのだが、最初、グンゾウがエストの城に尋ねて来た時、最初に対応したのはルーベル爺だった。



そこでグンゾウに話を聞き、エルダは現在ラインベルトの騎士として大変忙しい毎日を送っているので難しいのではないかとグンゾウに忠告していた。



そこで、グンゾウは教えてもらおうという人物が現在忙しいのに無理をいうのは気が引けたのか、すぐに詫びを入れて帰ろうとしたのだが、そんなグンゾウにルーベル爺は提案した。



「しかし、その心意気大変感服致しました。まさに、ドワーフの鏡ともいう人物。」



ルーベル爺は、深く頭を下げた。



「やめてくれ。」



恥ずかしそうに頭を掻くグンゾウ。たぶん、恥ずかしがっているのだろうが、グンゾウは頬まで髭があるので、頬が赤くなっているかどうかはわからなかった。



「そんな素晴らしい人物をそのまま帰したのでは、エストラ男爵家の執事として恥ずかしい限り、もし、よろしければ口添えをさせていただきたく思いますが?」



「本当か?」



「はい。ただ、こう申しては、エストラ男爵家の恥をさらすようで恥ずかしい限りなのですが、現在、エストラ男爵家は家計が火の車という言葉がぴったりというのが実情でして、エルダ様もそのためお金を稼ぐために忙しくしているのでして・・・。」



本当に恥ずかしそうに俯くルーベル爺。



「そうだったのか。それでは、口添えを頼む代わりにこれを渡そう。」



グンゾウは、腰かけていた皮製の小袋を1つルーベル爺に渡した。



ルーベル爺が、小袋の中をのぞくと白金貨が大量に入っていた。



「元々、エルダを騙していたようなものだからの。気の毒に思い、アイテムボックスをおまけにつけさせたが・・・。それと、もし、弟子にしてもらえたら、その袋に入っている白金貨50枚と同等の白金貨を払うからよろしく頼む。もし、うまくいかなくても、その白金貨50枚は、元々エルダのものだから帰さなくてもいいぞ。」



ルーベル爺が、グンゾウに詳しく話を聞いたところによると、エルダが、サイラスで武器屋に買い取ってもらった金額はかなり安く買い叩いたということだった。



元々、グンゾウはあんな金儲けだけの武器屋で働いていたのは、自分の工房を持つための資金稼ぎだった。



武器屋との契約で通常の店の利益分以上の金額は、グンゾウに6割渡すと言う契約だったのだ。



それで、エルダに安い金額を最初に提示してみたら、何と交渉なしに受けてしまった。



あまりにも気の毒に思い、せめてもの償いとしてアイテムボックスを無料でつけさせたのだ。ちなみに、アイテムボックスの値段は、グンゾウの受け取る金額から引かれている。



その後当初の予定していた以上の金額をエルダ一人で稼げたグンゾウは、サイラスの武器屋を辞めてエストに来たのだ。



エルダから買ったアダマンタイト製の武器と防具は、結局、買いたいという人物がもう1人現れたため、白金貨1,200枚で売れたのだ。



エルダに払った金額が白金貨400枚。それから基本あの武器屋では、通常、売った金額の3割が利益なので、白金貨360枚を引いて、残り白金貨540枚。



その白金貨540枚の6割、白金貨324枚からアイテムボックス代白金貨10枚を引いた白金貨314枚がグンゾウの手に入っていた。



実に日本円にして314,000,000円(3億1千4百万円)である。



ぼったくりもいいところであるが、突き詰めれば、値段を知らなかったエルダが悪いとも言えた。しかし、それを差し引いても、グンゾウは、やはりエルダにすまないと思っていたのだろう。



ちなみに、ルーベル爺がグンゾウとの取り引きで稼いだ金額は、白金貨100枚と定期的な家賃収入である。日本円にして、1億円+家賃収入+町の鍛冶屋。



まさに執事の鑑・・・ではなく、どちらかと言えば、領主の仕事の鑑というべきかもしれない。



ルーベル爺が、エルダ関連で稼いだ金額は、白金貨350枚、日本円にして350,000,000円。



しかも借金もなくなっており、エストラ男爵領は、ようやく前に進みだすことができるとルーベル爺は、夜1人でいる時に涙を流したものだ。



しかし、楽観もできないこともわかっていた。



まず、白金貨350枚は個人にしたら大金だが、領地経営をしている貴族にとってはあぶく銭と言っても過言でない金額なのだ。



しかも、エストの住民が300人程度しかなく、後は村が2つというエストラ男爵領では、定期収入も少ない。



エストラ男爵領の先行きは、未だに到底安心できるものではない。



ルーベル爺は、今後のラインベルトのためにも、さらに頑張らなくてはと決心した。



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