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ギルド『パンプキン・サーカス』の異世界冒険譚 ~亡国の英雄達 異世界に降臨す~  作者: 蒼樹比呂
第一章 ギルド『パンプキン・サーカス』
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3 『ヒロリン』サキュバスと会う


「ところで、何で俺が純粋な人間ではないって分かったんですか?」



「私の種族も人間ではないもの。」



受付の女性は、左手の小指にはめていた指輪をはずした。



すると、白金色だった髪の色は、黒紫色に変わり、目の色は紫色へと変化した。



しかも、背中からは、漆黒の翼が生え、頭には、ヤギの角のような捻じ曲がった角が生えてきた。



「見ての通り、私は悪魔族のサキュバス種なの。私の目は、魔眼『真実の眼』だから、相手の本性を見破れるのよ。」



「ハーフなんですか?」



「違うわよ。私がはずした指輪は、悪魔族が人間に化ける時に使う指輪で、つけると人間の姿になれるの。多少、能力は落ちちゃうけどね。」



受付の女性は左手の小指に指輪をはめると再び、人間の姿へと戻った。



「悪魔族は、人間と共に暮らしているんですか?」



「そんなわけないわよ。人間と悪魔は敵同士だしね。・・・私は悪魔族の中でも変わり者だから。中立の悪魔と思ってもらえればいいわ。だから、特に私がここにいるからって、ここの人間達に何か危害を加えるつもりもないし、普通に暮らせればそれでいいの。」



「あっ、俺もそれです。バンパイアハーフだからって、人間に危害を加えるつもりはありませんし、むしろ、吸血鬼にあったら戦いますよ。というか、血を飲まない限り、ほとんど人間ですから。」



「・・・あなたの言っていることに嘘はなさそうね。それで、何を買い取りして欲しいの?」



「実は、お金をまったく持っていなくて、とりあえず、当面の資金になるような物を売りたいんですけど?」



「あなたのその指輪、アイテムボックスの指輪でしょ?どんなものが入っているの?というか、指輪型のアイテムボックスなんて売れば白金貨はくだらないわよ?容量はどれくらい?」



「無制限ですけど?」



「・・・・本当に?」



「はい。」



「・・・・やっぱり、指輪はなし。それは買い取れないわ。値段がつけられないもの。あなた、その指輪、はっきり言って国宝級以上のお宝なんだから、気軽に人に言っては駄目よ。」



「すいません。」



「アイテムや武器って言っていたけど、何か魔物の毛皮や魔石でも買い取れるわよ。特に今、この町は食料の値段が上がっているから、魔物の肉なんかは普通より高く買い取らせてもらうわよ。」



「だったら・・・・ホーンブルなんかはどうでしょう?」



『ホーンブル』は、『グランベルグ大陸』内の草原や水辺に生息している体長3mの1本の角の生えた牛のような魔物である。レベルは、20台だが、20頭程度がまとまっているため、狩りをするのは結構大変な魔物である。



その肉は、最高級A5ランクであるとされていた。



ちなみに、『グランベルグ大陸』内では、魔物を倒すと勝手にアイテムなどを落とすことはなく、スキル『解体』を使うことによって、その魔物の使える部分が手に入る仕組みである。



そのため、スキル『解体』を使わない場合は、魔物をまるまる1頭所持している状態となる。



このスキル『解体』にもスキルレベルがあり、よりレベルが高い方が『解体』した場合に、良い物が手に入りやすくなっている。



そのため、『グランベルグ大陸』内では、『解体』専門のギルドもあったくらいだった。



『ヒロリン』も『解体』スキルは持ってはいたが、この『解体』専門のギルドに頼むことが多かったので、あまりいいアイテムが手に入らない魔物などは、解体せずにそのまま『とめどない強欲の指輪』の中に入れっぱなしになっているのである。



「ホーンブルがあるの!?ホーンブル1頭だと金貨8枚にはなるわよ。」



「・・・ちなみに、宿屋に一日泊まろうと思ったらいくらぐらいするんですか?」



「そうね、ここだと銀貨3枚かしら。」



「銀貨、何枚で金貨になるんですか?」



「・・・何も知らないのね。銀貨10枚で大銀貨、大銀貨10枚で金貨になるから、銀貨100枚で金貨1枚よ。」



「それじゃ、ホーンブル1頭売ります。ここで出せばいいですか?」



「ちょっと待って。隣の建物が冒険者組合の解体所だから、そこで出して頂戴。」



『ヒロリン』は、受付の女性に案内されて、隣の建物に移動した。



そこには、筋肉隆々の年配の男性がいた。



「おう、ジュリちゃん、何か用か?」



「マイタスさん、解体お願いできる?」



「おう、いいぜ。で、ブツはどこにあるんだい?」



『ヒロリン』は、受付の女性に言われ、ホーンブルを1頭、『とめどない強欲の指輪』から出した。



「こりゃ、立派なホーンブルだな!解体しがいがあるぜ。」



マイタスと呼ばれた筋肉隆々の年配の男性は、うれしそうに解体に取り掛かる。



「これで少しは、この町の食料事情も良くなればいいけど。」



「そりゃ、無理じゃねーか、ジュリちゃん。こんな高級肉を食えるような奴は、この町にはいやしねえー。この肉もすぐにサイラスに移動さ。」



「そうね。せめて、安いマイナーブルだったら、この町に行き渡るかもしれないんだけどね。」



「ありますよ、マイナーブル。」



『マイナーブル』は、『グランベルグ大陸』内の草原や水辺に生息している魔物で体長1.5mの牛のような魔物である。レベルは10で『ホーンブル』の下等種にあたる。



「本当?できたら、それも売ってもらえないかしら。1頭あれば、2000人くらいの食料になるんだけど。」



「1頭いくらぐらいになりますか?」



「そうね。だいたい1頭金貨1枚になるわよ。」



「それじゃ、とりあえず、10頭売ります。」



「10頭も売ってくれんのかい。これで2ヶ月はこの町の食料事情も安心になるな。」



『ヒロリン』は、『とめどない強欲の指輪』から『マイナーブル』を10頭出してから受付の女性と一緒に元の冒険者組合の建物へと戻っていった。


銅貨 100円

大銅貨 500円

銀貨 1,000円

大銀貨 10,000円

金貨 100,000円

白金貨 1,000,000円

という貨幣価値でやっていく予定です。

あまりにおかしいようでしたら変更するかもしれません。

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