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ギルド『パンプキン・サーカス』の異世界冒険譚 ~亡国の英雄達 異世界に降臨す~  作者: 蒼樹比呂
第一章 ギルド『パンプキン・サーカス』
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35 『ヒロ』 先に帰らせてもらったのはいいが、ジュリに仕事を押し付けられる(悲報)


「少年、部下を治療してもらい感謝する。」



レキエラは、ヒロに頭を下げた。



「いえ、気にされなくても大丈夫ですよ。あっ、俺はヒロです。エストの町で冒険者をやっています。」



ヒロもレキエラに頭を下げて挨拶をした。



アレクシスが興奮していたので、レキエラと分かったときに挨拶をする暇がなかったのだ。



「ちなみに、ヒロは冒険者クラスは何だ?」



ヒロは、特に気にするわけでもなく、黒い冒険者カードを取り出すとレキエラに見せた。



「な、ヒロがEクラスの冒険者だと?」



「レキエラ将軍、ヒロは、まだ冒険者になって2週間とちょっとですから。」



「それにしても、冒険者になる前は騎士学校に通っていたか傭兵かしていたのか?」



レキエラは冒険者カードをヒロへ返す。



冒険者カードを受け取ったヒロは、すぐに『とめどない強欲の指輪』の中で入れた。



「いえ、特には何もしてませんが?」



騎士学校というのがあるんだなと思いながら、とりあえず聞かれた質問の答えを返した。



「それにしては、あの動き素晴らしかった。」



どうやら、麻痺のナイフを持って、レキエラ達に傷をつけていった時のことを言っているらしかった。



「確かに、ヒロちゃん、私、動き追いきれなかったよ。そういえば、あのナイフって何なの?斬られた人みんな動けなくなってたけど。」



ヒロは、麻痺のナイフを鞘から取り出してシーターに見せた。



「わぁー、何これ・・・もしかして、ミスリル?」



ヒロは、特に黙っておく必要もないので頷いた。



「それで斬られた後、体が痺れて動けなかったが、まさか魔剣なのか?」



「魔剣?・・・さあ、魔剣かどうかは分かりませんが、斬られたら、麻痺の状態異常になることは確かです。」



こういうナイフを魔剣にいれるのかどうかヒロにはわからなかった。



『グランベルグ大陸』では、こういう状態異常系の武器を魔剣とは言わなかったので違うのではないかと思っていた。



「麻痺の状態異常になるナイフとな・・・。」



レキエラの表情は驚愕に彩られている。



「別にたいした武器ではありませんよ?」



ヒロは、謙遜ではなく本音を言った。



実際、状態異常耐性が高ければ、ただのミスリル製のナイフってだけだし、レベル100がそれなりいた『グランベルグ大陸』内では対人で使えない武器の一つだ。



モンスター相手には、使える場合があるので、一応取っておいただけだった。



「なるほど、なるほど、たいした武器ではないとヒロちゃんは言うわけだ。」



シーターは、麻痺の状態異常付きミスリル製ナイフを腰のベルトにつけた。



「うん、似合ってる。」



満足そうな、シーター。



「ヒロ、いいのか?」



呆れたアレクシスが、ヒロを見るが、ヒロも苦笑いを浮かべながら首を縦に振った。



「いいですよ、まだ、持っていますから。何ならアレクシスさんにもあげましょうか?」



さすがに悪いと思ったのか、アレクシスは、首を横に振った。



「我にはくれないのか?」



もの凄く欲しそうな視線をレキエラから感じたが、ヒロは、「さすがにそれは無理ですね。」と苦笑いを浮かべた。





結局、レキエラ達の扱いは、明日、レキエラ達含めみんなでエストの町に帰って決めるということになった。



レキエラ達が、ヒロ達を害して逃げるということも考えづらかったし、レキエラ本人が、エストラ男爵との直接の面会を望んでいたからだ。



そのため、レキエラ達を縛っていたロープを切り、みんなで野営をして、翌日朝早くにエストの町へと出発した。



エストの町に着くと、アレクシスが、「ヒロは、先に戻っていていいぞ。」と言ったので、言葉に甘えて、冒険者組合の建物へと向かい、アレクシスとシーターはレキエラ達を連れて領主のお城へと向かった。



ちなみにエストの町にあるお城は、3階建ての特に変わった所のないこじんまりしたお城であった。



なお、お城の周りには、一応、城壁と堀があるのだが、すでにお城で働く人間も少なくなっており、門は開きっぱなし、堀にかかる橋は降ろしっぱなしなっているそうだ。



「あら、帰ってきたの?」



ヒロが、冒険者組合の建物の中に入ると、受付には暇そうにしたジュリが座っていた。



「はい。今帰ってきました。」



「それで、予定通り、盗賊の退治はしてくれた?」



「やっぱり、それを狙っていたんですね。」



「当たり前じゃない。いい加減、盗賊も目障りだし、ヒロだったら盗賊なんて簡単に始末できるでしょ?」



とんだ過剰評価だと思いながらも、自分の行動を省みると、もし始末しようと思ってれば簡単だったかなとも思っていた。



「盗賊なら、アレクシスさんが連れて帰ってエストラ男爵のところに行きましたよ。」



「ん?何で連れて帰ってきたの?」



ジュリに簡単な説明(と言っても、ヒロはほとんど聞いてなかったので、本当に簡単なことだけだが)をジュリに教えた。



「そうなの・・・ちょっと出てくるから、ヒロ、店番しといてね。」



ジュリは何を思ったのか、急いで冒険者組合を出て行った。



残されたヒロは、しょうがなく、言われた通り、冒険者組合のカウンターの中の椅子に腰掛けていた。


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