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ギルド『パンプキン・サーカス』の異世界冒険譚 ~亡国の英雄達 異世界に降臨す~  作者: 蒼樹比呂
第一章 ギルド『パンプキン・サーカス』
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34 『ヒロ』 魔法少女は見つからず、残念。(意味なし)


「・・・どうやってみんなを治したのよ?」



殺さんばかり表情でヒロの肩を掴むシーター。



「どうやってって・・ポーションですけど?」



「ポーションで治るような傷じゃなかったでしょ?」



後で聞いたことだが、どうやら、この世界はあまりポーションが発展していないらしい。



ちょっとした切り傷や、体力の疲労、足をひねったぐらいには効くポーションはあるが、骨折や大きな切り傷に1本で効くポーションはないらしい。



ただ、回復の魔法はあるので、あまりに酷い傷は回復の魔法の使い手がいれば治してもらえるそうだ、当然有料ではあるが。



この回復の魔法の使い手は、基本的にシャナール聖王国出身の聖職者である。



というのも、この世界の魔法の使い手は、魔導書を手に入れて、その内容を理解できて初めて魔法が使えるようになるということらしい。



どんなに知能が優れていても、この魔導書を理解するという事ができない場合もあるそうだ。



ヒロは、この話を聞いた時に、たぶん、その魔法を覚えるためのレベルが足りてないのだろうと推測した。



この回復の魔法に関しては、魔導書をシャナール聖王国が独占しているそうだ。



そのため、回復の魔法使いはシャナール聖王国に多くいる。



シーターなどは、「独占って卑怯だと思わない?」と言っていたが、ヒロは問題ないのではないかと思っていた。



なぜなら、回復の魔法は僧侶系の職業で得られる魔法なのだから、国の名前からして宗教国だろうし、回復の魔法使いが生まれる要素を満たしているように思えたからだ。



逆に、聖職者以外がこの回復の魔法の魔導書を所持していても、宝の持ち腐れであると思っていた。



この魔導書というのは、誰が創造し、どこから現れるのかわからないが、いつの間にか市場に現れたり、遺跡から発掘されたりしているそうだ。



一種のマジックアイテムではないかと推測されているそうだ。



魔導書1冊の値段は高額であり、1冊で白金貨10枚を超えるものもあるそうだ。



また、これは公にされてないことだが、レキエラが昔聞いた話によると、魔導書というのは本以外の場合もあるらしかった。



ちなみに、魔道書は写本を作ることができない。これが、魔道書がマジックアイテムではないかと推測されている一番の理由でもあった。



ヒロは、この世界に来てから、魔法を使っている人を見たことがなかったが、これは、魔法を使える人は、基本的に国に雇われている人が多いということがあげられる。



そのため、地方にいけばいくほど少なく、また、国が雇ってくれるため、冒険者をする必要もなく、また冒険者になっても、すぐに冒険者ギルドの勧誘があるため、冒険者ギルドのない冒険者組合だけの町エストでは、基本的に魔法使いという職種の人間を見ることはないそうだ。



あと、特殊な例として、この世界には『祝福者』という者がいるそうだ。



それが魔法かどうかは現在分かってないが、特殊な魔法のような力を持つ者がいるのだという。



「祝福者か・・・見たことあるんですか?」



「ああ、キワール帝国にもいたからな。ただ、悪いが、どんな能力者かはいえない。国を追われたとはいえ、俺の母国だからな。」



アレクシスは、悲しげに遠い目をしていた。昔でも思い出していたのだろう。



「祝福者『絶対領域』のエルベリアだろ。自分の半径3m以内で複数の剣を操って戦う。」



「レキエラ様!それは、帝国の機密事項ですぞ。」



アレクシスは、レキエラに詰め寄った。



「秘密事項も何も、周辺国は皆知っているではないか。しかも、あの自信過剰娘は、キワール帝国主催の武道大会で優勝した際、各国の代表がいる目の前で『私の絶対領域3mに入れる者はいないわ、ふっ。』と自ら能力の限界が3mと公言しおったし。本当にあやつは剣は滅法強いが、頭が残念な娘だったな。」



ヒロは、この話を聞いて、『祝福者』という者に興味を持ったが、どうやら『祝福者』は国の機密事項ということは会える可能性は低いなと思い、それほど記憶に留めなかった。



魔法関連の説明を受けた後、ヒロは、シーターに怒られた。



「盗賊の怪我を治すのにポーションなんて高価な物使っちゃ駄目でしょ。」



「い、いや、結構持ってますし、それほど高価なポーションは使わなかったというか。それに使わないポーションほど無駄な物はないというか。」



「どんなポーション使ったの?」



ヒロは、『とめどない強欲の指輪』から中級ポーション1本をシーターの前に出した。



「ふむふむ・・・。」



シーターは、中級ポーションを確認するふりをしながら、自らの袋に中級ポーションを入れた。



ゴツッ



シーターは、アレクシスに頭を軽く殴られた。



「駄目だろ、シーター。」



「だって、盗賊に使うくらいなんだから、私が貰ってもいいよね、ヒロちゃん。」



シーターは、頭をさすりながら、甘えた目でヒロを見た。



「別にいいですよ。まだありますから。」



『とめどない強欲の指輪』内には、実際とんでもない数のポーションがあった。





これは、ギルド『パンプキン・サーカス』にいた『科学者Mの憂鬱』という女性のハーフエルフのせいだった。



『グランベルグ大陸』では、職業『調合師』という職業でポーションを調合できるようになるのだが、調合するアイテムの量の割合は秘密とされている。



職業『調合師』の職業レベルが上がれば、調合したいアイテムを確認することによって、調合に必要なアイテムがわかるスキルがあるのだが、その調合の割合は実験して自ら見つけるのだ。



もしくは、『グランベルグ大陸』内のダンジョンに潜るとお宝が手に入るが、このお宝に調合の割合が書いた本が含まれていることもあった。



この『科学者Mの憂鬱』は兎に角実験大好き乙女(自称)で、いつ寝てるのと思うぐらい24時間実験漬けというのも珍しくない人だった。



そのため、ギルド『パンプキン・サーカス』には、様々な調合されたアイテムが溢れていたのだ。



ちなみに、この『科学者Mの憂鬱』には、同じくハーフエルフで『弟Mの憂鬱』という現実の弟がいるのだが、この『弟Mの憂鬱』は、『科学者Mの憂鬱』が調合するために、常にアイテムの調合に必要な物を集めさせられていた。



その彼、『弟Mの憂鬱』のよく口にする言葉は、「現実でも姉の奴隷で、仮想現実でも姉の奴隷って・・・どんな御褒美だよ。」であった。



『弟Mの憂鬱』、彼もまた、『パンプキン・サーカス』の一員たる素質を十分に有する人間であった(悪い意味で。)。


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