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ギルド『パンプキン・サーカス』の異世界冒険譚 ~亡国の英雄達 異世界に降臨す~  作者: 蒼樹比呂
第一章 ギルド『パンプキン・サーカス』
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28 『ヒロ』 童貞とビッチってどちらが上かは永遠の命題である


「それじゃあ、次に前に教えたとおり、このスージーブーを捌いてみて、ヒロちゃん。」



ヒロは、この2週間何度もやったスージーブーの捌き方を思い出しながら、丁寧に捌いた。



「うん。ようやく、ヒロちゃんの捌き方も見れるようになってきたね。」



スージーブーの毛皮は冬の防寒着として使えるため、それなりの値段で冒険者組合で買い取ってもらえるらしい。



あと、魔物には魔石という部位があり、これはどの魔物でも買取してもらえる。



「おい、お湯が沸いてきたぞ。」



アレクシスは、枯葉や枯れ枝を集めて、町で買っておいた薪に火をつけ、鍋でお湯を沸かしていた。



ヒロは、捌いた物の中から、スージーブーの腸と骨と肉をアレクシスへと渡した。



アレクシスは、水の出る魔石でスージーブーの腸を丹念に洗い、ぶつ切りにして鍋に放り込み、肉も一口サイズに切り鍋に入れる。



骨もそのまま鍋に入れて、最後にユルミ草という一緒に煮ると肉が柔らかくなる草を入れて鍋の蓋を閉じた。



スージーブーの肉は、筋張っていて焼いただけではとても食べにくいが、こうすると柔らかくなり食べやすいのだ。



初めて食べた時は、苦味が酷くて、ヒロはとても食べられたものではなかったが、2回目からヒロが灰汁を取るようにしたら、もの凄く食べやすくなった。



「へえ~、ヒロちゃん、料理上手だね。」



シーターやアレクシスは灰汁を取るということを知らなかったので、あまり、この世界の冒険者は味にはこだわらないのかもしれないとヒロは思った。



食事が終わり太陽もすでに落ちて、あたりが暗くなり始めたので、ヒロ達は寝る用意を始めた。



ヒロの『とめどない強欲の指輪』の中に入っていたテントを2つ取り出す。



このテントは、『グランベルグ大陸』で普通にテントと言われていたアイテムだが、現実に取り出してみると2人用のワンタッチ式簡易テントだった。



ワンタッチで一瞬でテントが出来るため、シーターとアレクシスが最初見た時の驚きようといったら、こういうテントを知っていたヒロもうれしくなるようなものだった。



通常は、冒険者達は見張りを除いて一つのテントで寝る、もしくは馬車の中で寝るのが普通らしいが、今回は2つあることだし、わざわざ1つで寝る必要は無いということでテントを2つ使っている。



もしかして、ヒロに気を使っているのかとも思ったのだが、どうやら、アレクシスとシーターは恋人とかそういう関係ではないらしい。



ただ、普段の2人を見ているとどうやら大人の関係ではあるらしいのだが、そこをわざわざ突っ込むほどヒロは子供ではなかった、今はそういうことに興味津々の15歳ではあったが。



決して、羨ましいとか、悔しいとか、そういう感情ではなかった、これは絶対にそういう感情ではない、何度でも言うが、ゴニョゴニョ・・・。



ぶっちゃけ、そういう関係に対して気軽に他人に聞けるだけの経験がヒロにまったくなかっただけなのだが、これ以上はヒロの名誉のために黙っておこう。



決して、ヒロは童貞などではない。ただ、純情乙女のような精神を尊ぶ気高き人間なのだと・・・。



エストの町での2日目、冒険に必要な物を買って帰ってきたヒロに「そういえば、ヒロって童貞でしょ?私、サキュバスだからそういうことに敏感なのよね。冒険者として蛆虫でしかも童貞なんて目も当てられないから、相手してあげましょうか?」とジュリが話しかけてきたことがあった。



そんなジュリに対してヒロは背筋を伸ばし堂々と言ったのだ。



「初めては素人の人間と決めてますので。」



ヒロは、顔を形が変わるほど殴られたが、人生に悔いはなかった。



ただ、そのあと、食堂で他の冒険者に「童貞って本当か?」と可哀相な目で見られたのには、ちょっと納得がいっていなかった。



童貞ではなく、気高き孤高の人間なのだと何度も言ってやろうと思ったが、そこはグッとこらえて、「誰彼構わず手をつけるビッチよりはマシですよ。」と笑顔で返しておいた。



その後、血尿が出るほどジュリにボディを殴られたが、ボディを殴られる際にジュリの乳首が少し見えたので、それはそれでOKと納得していた。



そんなこんなでエストの町の冒険者組合では、ヒロが童貞ということは知れ渡っていた。



それはさておき、最初に見張りをするのはヒロで、次にアレクシス、最後にシーターの順番だった。



最初の見張りが一番楽なため、アレクシスとシーターが気を使ってくれたのだ。



「それじゃ、先に休ませてもらうね。」



アレクシスとシーターはそれぞれのテントに入り、すぐに寝息を立て始めた。



まだ、日が落ちてそれほど経っていないのによく寝れるよなと思いながらも、寝れる時にすぐ寝られるのも優れた冒険者の資質ということも理解していた。



空には、星が輝き始めていた。



「星空は、地球と変わらないんだな。」



そんな感想を抱きながら、ヒロは、ひとり焚き火の側でたたずんでいた。


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