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163 偽魔王討伐編 後日談(4)


エストの門を出て、すぐの所でミサキは立ち止まった。



「で、ここに造っちゃっていいのかな?」



ラインベルトは、まだ、どこか疑わしげだったが、一応「いいですよ。」と答えた。



今、ここにいるのは、ミサキ、ヒロ、エルダ、アオイ、ハイド、ドルト、ニーナ、ジュリ、ディート、グラハム、ミュミュ、ラインベルト、ルーベル爺、そして、ここに来るまでに出会ったレキエラ、ドワーフのガドンガル、獅子族のギ・ガ・ゾルドだ。



レキエラとガドンガルとギ・ガ・ゾルドは、皆が揃っているのを見て、面白そうだと付いて来たのだ。



「ヒロリン、あれ出して。」



「あれって何ですか?」



ヒロは、ミサキの言いたい事がわからずに聞き返した。



「超役に立たない火魔法の魔剣フー・ダルティフィスだよ。」



「ああ、なるほど。だったら、ついでにお酒とかも出しましょうか?」



「いいねぇー。さすがヒロリン。よくわかってる。」



「・・・いい加減、ヒロリンって止めてもらえません?」



「いやぁー、ヒロって何回か呼んだけど、やっぱり、ヒロリンはヒロリンの方がしっくりくるよ。それとも、ブラッドリーって呼んだ方がいい?」



ミサキは、嫌な感じでにやけていた。



「・・・ヒロリンで。」



「了解。」



ヒロは、『とめどない強欲の指輪』から5本『魔剣フー・ダルティフィス』を取り出した。



「でも、これ誰がやります?」



「それは任しといて。『ゲート・オブ・ファーム』。」



ミサキは、ミラースライムを10体呼び出して、ミサキの姿に擬態させた。



「あんた達、この魔剣を空に向かって使いなさい。魔力が尽きたら交代してやるのよ。」



ミサキの命令に素直に頷くミラースライム達。



「こっちも準備が出来ましたよ。」



ヒロは、お酒や食べ物などを大量に出していた。



すでに、食べ物はミュミュが食べて始めており、レキエラとジュリとハイドとガドンガルとディートとグラハムはお酒を飲み始めていた。



「さあ、みんな注目して。行くわよ!」



ミサキの言葉で、ミサキに擬態したミラースライム5体が、『魔剣フー・ダルティフィス』を空に向けて構えた。



何が起こるのかと皆の注目がミラースライム達に集まる。



「それでは、はじめ!」



ミサキの合図でミラースライム達は『魔剣フー・ダルティフィス』を発動した。



『魔剣フー・ダルティフィス』から火の玉が夜空に上がり、そして、轟音と共に綺麗に弾けた。



夜空に大輪の華が咲いた。



『魔剣フー・ダルティフィス』は、花火の魔剣だったのだ。



次々に夜空に花火が上がっていく。



「これは・・・凄いですね。」



ルーベル爺も感嘆の声を上げる。



「どうだ、ラインベルト。凄いだろう?」



「す、凄いよ、エルダ!これ、凄いよ!」



ラインベルトも花火に釘付けである。



「この酒はー!うまい。うま過ぎる。ヒロについてきたかいがあったというものだ。」



ガドンガルだけは、花火より酒に感動していた。いや、もう1人花火を見てない人物がいた。



「ミュミュ、・・・空見上げてごらん。」



「そんな言葉には乗りません。ミュミュが見上げた隙にミュミュの食べ物を取る気でしょ?知ってるです。理解してるです。誰にも渡さないです。たとえヒロさんでも。」



ヒロとミュミュの2人は、まだまだ、時間がかかりそうだった。



門のところで何が始まるのか見ていたエストの住民や、城壁の上の兵士達も空を見上げて感嘆の声を上げていた。



「何よ、あんた達。遠慮しないで、こっち来なさいよ。」



ミサキの言葉で、恐る恐るエストの住民も近寄ってきた。



「遠慮せずに好きなだけ食べてください。」



ヒロは、近寄ってきたエストの住民にもお酒と食べ物を配った。



「今日は、ギルド『パンプキン・サーカス』のおごりよ!ジャンジャンやっちゃって!」



「「「うおおおおおーーーーー!!」」」「「「『パンプキン・サーカス』最高ー!』」」」



ミサキの言葉に歓声が上がる。



その歓声に機嫌を良くしたミサキは、ヒロに言って様々な楽器を取り出させた。



その楽器をエストの住民で使える者が音楽を奏で始めた。



そして、その音楽を聞いて、踊りだす者もあらわれはじめ、エストの住民総出のお祭り状態になっていた。



ミサキもヒロもエルダも踊っている。



アオイも踊っているのだろうが、あまりにもテンポがずれているので踊っているのかどうなのかは、本人にしかわからなかった。



もの凄い盛り上がりをみせ、ミサキ達は何のためにエストの外まで出てきたのかを思い出したのは、宴会を開始してから3時間が経過した後だった。


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