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123 上司の危機、部下の憂鬱



シーニュが、フロレンツ伯爵領の都市フローラの城壁を破壊してから数日後、再び、アリステーゼ王国王都アウグスティンにある王宮の一室はざわついていた。



その部屋は、国王直属の組織『影翼』が使っている部屋だった。



「それで、この手配書は何なのだ?」



上司の男は、手配書を渡してきた部下の男に尋ねた。



「はい。ローマン様を捜索している時に目にした手配書でありまして。」



「どうして、これを私に見せるんだ?」



「・・・似てませんか?」



上司の男は、部下の男に言われ、再度、じっくりと手配書を見た。



「確かに・・・似ているな。」



手配書に描かれている男の特徴は現在『影翼』が捜索しているローマンによく似ていた。



「でしょ。よかったですね。ローマン様、無事みたいですよ。」



上司の男は、部下の男の本当にうれしそうな顔を見て、殴りたくなる気持ちを必死抑えた。



「この手配書は、冒険者組合が発行しているブラックリストだな?」



「そうですけど?」



「・・・そうですけどではなく、だったら、余計まずいだろ?」



「何がですか?ローマン様の無事が確認できてよかったじゃないですか?」



上司の男は頭を抱えた。上司の男には、目の前に立っているこの男が、自分とは別の何か理解できないモノに思えた。



「・・・掛けられている金額見てないのか?」



「えっ、白金貨10枚ですよね?」



「ああ、この金額なら大手のギルドも動くだろ?私達が見つける前にローマン様が、捕らえられてでもしてみろ、どうなると思う?」



上司の男に問われ、部下の男は考え込んだ。



そして出した答えが「あっ、首が飛びますね。」だった。



「そうだ。ローマン様と私の首が飛ぶんだ。わかるか?お前のミスでローマン様だけでなく、私の首が飛ぶんだ。少しは罪悪感に駆られないのか?」



「全然。」



部下の男は即答だった。



「・・・もういい。急いで、フロレンツ伯爵領に向かい、ローマン様を誰よりも早く確保するのだ。」



「・・・はい。」



一瞬間をおいて、部下の男は答えた。



「・・・どうした、また、王宮のメイドとの合コンでもあるのか?」



「いえ、大したことではないので。」



「・・・何だ。一応、言ってみろ。」



「いえ、ちょっと最近、社交界で知り合った侯爵様の5女の方に家で食事をしないかと誘われていまして、でも、ぶっちゃけ、侯爵家で食事なんてめんどくさいじゃないですか?だから、この命令を理由に断ることができて、うれしいっす。」



部下の男の顔は、エヘへという表情だが、上司の男は焦ったような表情になった。



「どこが大したことではないだ。これ以上ないくらい大切なことじゃないか!・・・侯爵家での晩餐が済み次第、至急、フロレンツ伯爵領へ向かえ!」



「えっ?すぐにフロレンツ伯爵領へ行くんじゃないんですか?」



「何を言っている。侯爵家の晩餐の方が優先だ!」



「えー、まったく、何を考えているのかわからないっす。」



ブツブツ言いながら、部下の男は、上司の男の前から去っていった。



「わからないのはこっちだ・・・。」



上司の男は、自らの席に戻り、ため息をつきながら椅子に座った。



どこの世界に侯爵家に誘われた晩餐を断れる貴族がいるのか、まったく上司の男には部下の男が何を考えているのか理解できなかった。



「それにしても、アイツ、仕事できないくせに何であんなにモテるんだ?」



机の上に置いていた、すでに冷めてしまったクルーアを一口飲んだ。



そこで、上司の男はある事実に気付く。



「あれ?アイツもしかしたら、侯爵家の身内になるかもしれないのか?」



上司の男は、今度からもう少しアイツに優しくしようと決心した。



こうして、上司の男は、これ以後、他の部下の男から裏で軽蔑されることになるのだが、それはまた別の話だった。



とりあえず、ローマン編のオチまで出さないと何か気持ちが悪いので、明日投稿する予定でしたが、今日投稿しました。


コロッコロと予定を変えるのは作者の性格なので、本当に申し訳ありません。


これからも、コロッコロ予定を変えると思いますので、生暖かい目で見守ってやってください。


とりあえず、今日の投稿はここまでの よ・て・い です。


あっ、これは、多分本当になると思います。


これ以上投稿すると明日投稿するものがなくなるので。

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