107 エルダ in 王宮 どんな場所でも、どんな時間でも、エルダはエルダ。
登場人物
ラインベルト・・・ラインベルト・シュナイゼル・エストラ男爵。12歳。
エルダ・・・エルダ・リ・マルクーレ。『パンプキン・サーカス』のメンバー。ショタand痴女。
呼びに来たメイド・・・ある貴族の密命を受けて王宮の噂話を集めているということはないが、超口が軽いメイド。当然、この日のラインベルトとエルダの会話もしっかり覚えており、他のメイドとの世間話で話しまくるのであった。
ラインベルトとエルダは、謁見の日、王宮の待合室のような部屋で呼ばれるのを待っていた。
待合室はドアのついていない部屋で、部屋の中には、ソファーとテーブルだけが置いてあった。
当初の謁見の時間は午前11時のはずだったが、何故か午後3時に回されていたため、一度出直してきたのだ。
ちなみに、エルダは、鎧だけ着ている。
武器については、もし、身につけていたら、当然、王宮には入れない。そのため、武器を出すことはせずに鎧だけ身につけているのだ。
エルダは、ラインベルトだけが謁見するものと思っていたが、王宮の入り口でエルダも一緒に謁見に向かうように言われたので、謁見自体には興味はなかったが、仕方なくエルダも付いて来た。
「エルダ、ここでは駄目ですよ。」
待合室には、ちょっと前までは他の者もいたが、すでにラインベルトとエルダしかおらず、エルダはチラチラとラインベルトに視線を送り、自分の膝の上に乗るように催促していたのだ。
「ラインベルト、人をまるで痴女のように思ってもらっては困るな。私は、警備上の観点から、私の膝の上に乗るように提案しているのだ。」
「却下します。」
さすがにずっとエルダと共にいることが長いラインベルトは、エルダの扱い方に慣れてきていた。
「何故だ?今、私達が座っているソファーの中に刺客がいた場合、ラインベルトの局部が攻撃されるのだぞ?私は、そういうことを言っているのだ。」
「何故、攻撃が僕の局部限定なんですか!」
「決まっている。私ならそうするからな。ただし、私の場合は、素手で優しくスリスリする攻撃だが。」
エルダは、ラインベルトと視線は合わせずに逆方向を向いていた。その頬は少し赤くなっていた。
「恥ずかしいなら、言わなければいいじゃないですか?」
エルダのエロ攻撃にもだいぶ慣れてきているラインベルトである。彼も順調に大人への階段を登っていた。間違いなく、登ってはいけない方の階段を登っているのだが。
「恥ずかしい?何を言っている、ラインベルト。このエルダ、この程度で恥ずかしいわけない!・・・ラインベルトの局部を触る想像をして興奮しているのだ!」
「もっと駄目ですよ。最悪ですよ。」
「・・・あの~、よろしいでしょうか?」
この待合室は、すぐに呼べるようにドアがついていないことをラインベルトは失念していた。
ラインベルトはエルダと騒いでいたために、入り口にメイドが立っていることに気がつかなかった。
しかも、大声で騒いでいたために、廊下まで声が響いていたはずだ。
あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤に染めるラインベルト。
「あの~、国王陛下がお呼びですので、そろそろ来て頂けますか?」
「すいません。すぐに伺います。」
ラインベルトは急いで立ち上がり、エルダもそれに従った。
「大丈夫ですよ。エストラ男爵様が最後の謁見の方ですので、誰も先ほどの会話は聞いていませんから。」
笑顔でメイドに言われ、さらに顔を真っ赤にするラインベルト。その誰もに呼びに来たメイドが入っていないことが問題なのだが。
今、体温を測れば40度を軽く超えていると確信できるぐらい体が火照っていた。
「どこへ向かうのですか?」
メイドは謁見の間を通り過ぎ、さらに奥へと向かっていく。
「はい、今回は、謁見の間とは違う部屋に御案内するように言われております。」
どこの部屋に向かうのかを聞いても、どうせわからないので、ラインベルトはメイドに静かについて行った。