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ギルド『パンプキン・サーカス』の異世界冒険譚 ~亡国の英雄達 異世界に降臨す~  作者: 蒼樹比呂
第一章 ギルド『パンプキン・サーカス』
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プロローグ



世界はいつ滅亡するか?



西暦2056年の今だったら、全人類の人々が知っていることだ。



日本時間でいうと西暦2056年6月14日23時35分に滅亡することを。



現在の時刻西暦2056年6月14日23時00分。



世界滅亡まで後35分。



原因は、何のひねりもない巨大隕石の衝突。



5年前くらいからわかっていたらしいが、実際に発表されたのは衝突の1日前。



すでに各国のお偉方は、宇宙へと脱出済みらしい。



一般庶民の俺は、当然、宇宙に脱出できるわけも無く、残り少ない時間をどう過ごそうか迷っていた。



まあ、地球自体どうなるかわからないクラスの大きさの衝突だから、地球に残っている人類は、どれだけ深い地下に隠れようが意味がないらしい。



どうりで5年前くらいから火星開発が盛んに進んでいたわけだ。



25歳ニートの俺としては、まったく無関係のことだが。



6年前に両親を事故で亡くし、残された家で両親の多額の保険金で暮らしていた俺にとっては老後を考えなくてもいいから、幸運だったと言えるのかなんて思ったりもしていた。



俺は、そんなことを考えながらも、この1年常にやっていた体感型VRMMOゲーム機に横たわる。



この体感型VRMMOゲーム機は、特殊なヘルメットをつけて酸素カプセルのような機械に入ってやる近未来型のゲーム機だ。



1年前に発売されて、とんでもない数を売り上げた。



まず、手足を使わなくても思っただけで操作できる機能があり、まるでゲームの中に入っているかのようなリアリティがある。



ただ、あくまでリアリティがあるだけで、現実との区別がつかなくなるといけないということから、あくまで目を通して見える映像は、凄い綺麗な映像レベルであるが。



『グランベルグ大陸』



これが俺のやっていたゲームだ。



インターネット回線を通じて、世界で1000万人以上がやっていると言われていた。



いわゆる、剣と魔法の世界で広大なグランベルグ大陸内でギルドを作ったり、狩りをしたり、ダンジョンにもぐってお宝を探したり、王になり国を作ったり、国同士で戦争したり、何でもありのゲームである。



多くの職業、種族、魔法、スキルがあり、自分のプレーヤーを好きなように成長させられるのも人気のひとつだった。



現在の最高レベルは100。



もうすぐ、新たなフィールドが開放されて、最高レベルも120になるのではないかと言われていたが、それもこの世界終焉で終わりだ。



俺は、ギルドハウスの中を見渡すが、さすがにこの状況内でゲームをする人間は少ないらしい。



俺が所属しているのは、ギルド『パンプキン・サーカス』だ。



俺のギルド内での役目は金庫番と言われるものだ。



これは、このギルド独特の役目かもしれないが、使えそうも無いアイテムや武器、ダンジョンのお宝などを預かっておく役目である。



課金S級アイテム『とめどない強欲の指輪』



無制限にアイテムや武器、お宝を入れることが出来る指輪。



値段30万円。



この指輪に入っているものは劣化しない上に、盗むこともできない。



また、指輪自体も盗むことができない。



この指輪を所持しているから、とりあえず、ダンジョン内で得たお宝などは俺が預かる役目をしていた。



アイテムも無制限に所持できるため、ダンジョン攻略に行く際には、大量に所持する役目もあった。



そういう理由でギルド内で金庫番というあだ名がついたのだ。



「ヒロリン、本当にぼっちだったんだ。」



「ギルマスこそ、こんな時にギルドに来るなんて、ぼっちじゃないですか?」



俺に話しかけてきたのは、このギルド『パンプキン・サーカス』のギルドマスター『クレージー・パンプキン』の二つ名を持つ『ほっかほっかのかぼちゃ』さんだ。



常に顔にハロウィンのパンプキンヘッドをつけている。



使う武器は、死神が持っているようなデスサイズだ。



「まあ、俺がぼっちなのは否定しませんよ。」



「わたしも、ぼっちだから。別に死ぬからといってやることないし。このまま死ぬまでゲーム内をウロウロしてるよ。・・・そうだ、ギルドメンバーの人達何人かちょっと前に来たけど、もうどうせ使えないから、ギルドの金庫内のお宝好きに使っていいってさ。」



そう言うと、『ほっかほっかのかぼちゃ』さんは、ギルドハウスを出て行った。



俺は、ギルドの金庫前に行き、金庫の中のお宝をすべて俺の『とめどない強欲の指輪』の中に移す。



特に意味があったわけではないが、せっかく集めたお宝が金庫の中で眠ったままというのが、何か寂しい気がしたからだ。



しばらく、ギルドハウスのあった街の中をあてもなく歩き、世界滅亡までの残り時間5分になったところで、異変が起こった。



空一面を見たこともない魔法陣が覆ったのだ。



「最後に運営が何かしようっていうのか?」



街にいたいつもに比べると少ないプレーヤー達も、一様に空を見上げていた。



そして、魔法陣が発動し、俺は意識を失った。





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