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プロローグ
僕のいた国は今は亡き国として成り立っている。僕がまだ幼い頃、どこかの国によって侵略されたらしい。僕は、幼くてただ逃げ待とう人ごみに混じり必死に逃げた。その国の王子だったのだと言うのに。
僕の名は「優斗」(ユウト)このあたりの国では珍しい名前らしい。父がフランス人だったの対し母が日本人と言う事で日本人らしい名前をつけられた。らしい。
あの日、国が侵略されたとき僕は城へいた。でも、変な大きな音がして気づいた時には城は崩れていた。母は泣きながら「逃げなさい」と言ったことまでは憶えている。でも、父親はどうなっているのか知らない。
僕は今逃げ延びたとき道端で倒れていたところを親切な人に拾われ育てられた。
その人には小さな少女がいた。彼女の名は「桜」(サクラ)というらしい。これもまた日本人みたいな名前だ。彼女はこの名前を気に入っていた。
あれから、10年経とうとしたとき僕の身にありえない出来事が起こるなんて現時点では知る由もなかった。