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Unfair Around World  作者: абстракционизм Кудрявка
3/4

2章

 食事を食べ終わると、マリアのバイクに乗せられて演習場という場所に案内される。

 演習場には、つい立がいくつもあり少々花火っぽい臭いが立ち込めていた。

 マリアは扉の横の受付っぽいところから、銃を持ち出してきた。

 これなんかどう?と一挺の銃を渡してくる。

 「これは?」

 「ワルサーWA2000よ」

 オートマチック式狙撃銃。とアリアが説明したが、わけがわからなかった。

 「まぁ、そこにうつ伏せになってごらん」

 言われた場所にうつ伏せになると、その横にマリアがうつ伏せになる。

 これつけてイヤープロテクターだから。とマリアからヘッドフォン状のものを渡されると、それをつけるとマリアも同じものをつける。

 2本足の三脚を立てて銃弾の入った箱を入れて、レバーを引くとスコープを覗いて構える。とマリアは一通り説明した。

 的が飛び出ると発砲音が響き、薬莢やっきょうが落ちていい音を響かせると遠くで的が砕ける音が響く。

 「これだけよ」

 はぁ、と頷く。

 「どうぞ」

 銃を受け取り同じように構え、レバーを引いて引き金を引く。

 はじめてにしては上出来ね。と的を双眼鏡で見たマリアが言う。

 しかし、初めてにしてはうまいな。と後ろから、スーツの金髪の男性が近寄ってくる。

 「彼があなたの担当、ヴァルトフェルドよ」

 「よろしくお願いします」

 ああ。と言うと「仕事だ」と、言ってその場を立ち去る。


 ヴァルトフェルドの後ろをついてゆくと、大きな会議室に案内された。

 彼が参謀のアルカディアだ。と逆行で顔がよく認識できないが、一冊のファイルがヴァルトフェルドに渡される。

 「ターゲットは荒瀬芳樹(あらせよしき)だ」

 「簡単な仕事だ、一応両親のほうには資金が渡される」

 そう。と言って部屋から出て、車庫にあるポルシェ911のトランクにさっきの銃を入れたかばんを積んで出庫する。

 作戦前の車の中で一通り、銃の(くせ)や構造を教えてもらった。


 「ターゲットの情報を話そう」

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 荒瀬芳樹  Yoshiki Arase 男 髪色は黒髪に白髪混じり

 荒瀬重工株式会社代表取締役

 テロ組織『荒瀬組』の総長

 ミサイルや武器の売買など多数が今回の目的

 今回は彼のつかんだ、イギリスの機密情報売買の阻止がメイン

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 ヴァルトフェルドは早口でその情報を言った。

 「覚えたか?」

 「はい」


 古い鐘塔しょうとうに上り、さっき教えてもらった通りに状況をくみ上げる。

 「マリアの話はよーく聞いてたようだ」

 「はい」

 「では構えて待機してな」

 「はい」

 うつ伏せになって、スコープを覗く。

 「ばっちりだな」

 「作戦までは待機」


 1時間くらいすると、ヴァルトフェルドが立ち上がり双眼鏡を覗いた。

 「ターゲットが来た、構えろ」

 「はい」

 スコープを覗き、ターゲットに合わせる。

 引き金に指をかける。

 「いまだ撃て」

 銃声が響くと同時に、ターゲットが倒れる。

 「ナイス。撤収するぞ」

 「はい」

 ヴァルトフェルドは薬莢を拾うのを横目に、銃をばらし鞄にしまう。

 一人殺すごとに、両親に金がいく。とてもいい条件だった。

 それがどんな結末になろうと、私はよかった。この機械の体であろうとも。

 

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